「L Change the WorLd」
来年2月公開のDeath Noteスピンオフ映画のノベルス版・・・が、先行して出版されていたので一も二もなく購入。
- 作者: M
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/12/25
- メディア: 単行本
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とりあえず一読後の感想としては・・・ああ、これは「不在」の物語なんだな、と。
その点では、小畑健の口絵にこの小説の良いところが凝縮されているとも言える。
タイトルも「L」だし中身もLと新キャラが主に活躍するし、もう一人の『Death Note』の主人公である月は一切姿を見せないんだけれど、でもLの細かい言動の一つ一つからいないはずの月の存在感を色濃く感じる。
感じるのに、いない。
だから不在。
Lが感じる不在感を読者に味あわせることが目的でこの描写がされているんだとすれば、その目論見は完全に成功しているんじゃないかと思う。
だからやっぱり、小畑の口絵にこの小説の内容が全部現われていると言っていい*1。
スピンオフが出るって聞いた時は期待もしたしそれが外れることへの恐れもあったんだが、これは・・・少なくとも小説版については、良い方向に外されたなあ・・・。
『Death Note』の余韻を崩すどころか、むしろ思いきり余韻に浸りたい人にお薦めな感じ。
時間がなければ口絵だけでも見た方がいい。
それだけで中身読んでいるときの気分の7割くらいは再現されるから。
*1:ていうかこれほど見事に内容を1枚(正確には2枚)の絵で表した絵師は初めて見たかも知れない