かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

図書館のゲートの位置とか-雑誌最新号をゲート外に出せないか?


「あとで考える」タグつけたままになっていたceekzさんの記事について。

早い話、書籍を置いている倉庫的な場所にはゲートを設置し、机などを置いているラウンジ的な場所にはゲート無しで入れるようにしたら良いのでは、ということです。図書館にラウンジが必要ないという意見もあるでしょうけど…。

ゲートを蔵書の位置だけにすると、図書館に入る行為(まずはラウンジにたどり着くことが前提)の精神的障壁が下がります。また、書籍とラウンジを分離することで、飲食をある程度認めることが出来ます。そうして、トータルの来館者数を増やすことが出来るのではないかと思うのです。


「ゲートがないと来館者数の利用統計うまくとれない」とかいうどうでもいい突っ込みはさておき、ゲート無しで入れる空間を広げてもいいのでは・・・という点については同感です。
そういう、「人が集まる空間」とか「資料の利用にとどまらない利用」についての試みはもっと積極的にやってもいいし、ゲートで区切られていない自由に出入りできるスペースがあることは(例えば学外者となんか打ち合わせをする、みたいなのにも使えるし)活気を生みそう。
図書館喫茶設置、っていうのもけっこう似たような発想から来ている気はしますが、スペース狭いし作業用にはちょっとね・・・何より喫茶店で何か買わないと利用しづらいし(苦笑)


ネックがあるとすれば雑誌かなあ・・・
図書を借り出さないとラウンジで読めない、と言う点については翌週の記事で書かれていますが。

ゲート内の閲覧席を全て無くす必要は無いと思います。かなり減らしたり、本棚間に椅子を置くという感じを想定しています。通常時の図書閲覧者に対し、過不足無いだけの閲覧席をゲート内に準備するということです。

これは当然、仮にラウンジ的なものを設置するにしてもゲート内の閲覧席は残すだろうと自分も思いますし*1、それで問題ないんじゃないかなー、と。
いくつも図書を書架から引っ張り出して広げてやるような本格的な作業であればゲート内でやればいい(そもそも書架から遠いと面倒が増す)し、1冊程度をぱらぱらとめくって読むくらいなら自動貸出機でやるにしても大した手間ではないし*2


ただ、ブラウジング性という意味ではある意味、図書以上にぱらぱらっとめくり読みたい雑誌については・・・貸出不可なので、ゲート外への持ち出しも出来ないんだよなあ・・・*3
ラウンジでコーヒー片手に「情報の科学と技術」や「情報管理」、「Journal of the American Society for Information Science and Technology」 の最新号をぱらぱらめくる・・・という、如何にも研究者的な大人の休日(笑)を実現するのは無理があるか。
「ぴあ」みたいな一般誌であれば、今でも図書館情報学図書館あたりではゲート外に置かれているのでラウンジ的なものが出来ればそちらに置くのもやぶさかではない(当然、以前は中央でもゲート外にあった新聞類も)だろうけど・・・


・・・まあ、冷静に考えて、大抵の研究者はそんな定期的なブラウジングが必要なくらいよく使う雑誌は自分で学会員になるなり個人購読するなりしているだろうから*4、大して気に留める必要もない気もするけれど・・・
学生が学術雑誌に親しむ機会を提供する、という点を考えるとラウンジ的なものを置くならぜひ雑誌もそっちに置きたい気もするんだけれどなあ・・・いっそ利用者の良心を信じて最新号はゲートの外へー、って館内飲食対策が喫茶設置の一因とされてしまうような現状じゃそいつも無理か・・・うむむむむ・・・

*1:筑波の中央図書館のイメージで言うと、ゲートのある2階のソファが置いてあるスペースがラウンジ見たいな感じになるとか? 3−5階の閲覧スペースは当然残るでしょうし、2階の一部についても残るかも

*2:ICタグで自動貸出できればなお楽

*3:なぜ学術雑誌の貸出が不可かと言えば、貸出てしまったら当該雑誌に掲載されている別の論文(もちろん同じ論文でも可)を利用したい人が貸出期間中使えなくなるため。まあ図書でも同じことは言えるんだけど、図書と違って雑誌の場合、論文単位での利用が基本なんだし、貸し出す不利益よりは貸し出さないで複写させるコストの方が良いだろうという判断が成り立つと思われ。

*4:自分も「日本図書館情報学会誌」と「Library and Information Science」は個人購読している。学会員だから当然だけど。