かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

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米国議会図書館における書誌コントロールの現状と将来


昨日、国立国会図書館(NDL)で開催された、講演会「米国議会図書館における書誌コントロールの現状と将来」に参加してきました。

 世界最大の図書館である米国議会図書館(LC)から、ビーチャー・ウィギンズ収集・書誌アクセス部長を招き、LCの書誌情報に関する最新の動向について講演いただきます。(上記リンク先より)

ウィギンズ氏ご自身は当然英語で講演されるわけですが、逐次通訳があった上にほぼ読んでいる内容が書かれているレジュメも配布されたので、内容についてはかなりわかりやすかったです。
あまり書誌・受入等のテクニカル・サービス話には詳しくない自分でもわかりやすいってのはすごいことだな、と。


講演自体は約2時間というなかなか長い時間にわたって行われ、その間色々な話が出てきたわけですが・・・
その後の質疑応答でも取り上げられ、話の中でも非常に強いウェイトを占めていたのがRDAと例の"LC「書誌コントロールの未来」WG最終報告書"について。

RDAについてはこちら


WG最終報告書でRDA策定作業の中断が勧告された理由についてとそれに対する回答が質疑でやりとりされていて、ウィギンズ氏からは「RDAについては様々な考え方が巡っているが、米国以外の国はRDAに支持的であると思う」みたいなことも言われていたり*1
あとは会場から、「RDAを使った作業がどうなるのかがよくイメージ出来ない」って質問があって、回答がなされたのだけれどやっぱり現物がないとわかりにくいような・・・とか。
「印刷体ではなくwebツールになり、従来のAACRより簡単になる」って話らしいが・・・まあ、ここら辺はそもそも自分が図書館で実際の所蔵登録作業とかに携わっているわけではないからわかりづらい面もあるんだろうなー。



もうひとつ力点を置いて説明されていたこととしてはLCの書誌アクセス部の組織再編について。
新しいジョブディスクリプションを設定したり、配置換えとかでより効率的な組織体制を目指す、ってことらしいが・・・
「現在14人いる部門長を10人に、65人いるsupervisorを45人にする」とか、"The eventual goal is that support technicians will have primary responsibility for descriptive cataloging."なんて文言も踊っていて、うひゃーいとか思ったり。
"Librarian"の担当する範囲が時代とともに狭まって行く、って話は以前からよく聞くところであるが・・・そうか、LCでもか・・・
って言っても典拠コントロールとか主題分析とか分類作業はLibrarianに残す、むしろLibrarianはそっち+デジタル/ウェブリソースに専念できるようにする、ってことらしいが。
・・・ってことはまさしく「目録記述作業」がTechnicianの範疇、ってことか・・・。
「情報組織化演習」で言えば、請求記号や件名は与えられた状態で目録を書く課題みたいな感じ?
それなら確かにまあ・・・。


その他に個人的に気になったところととしてはLCSH(Library of Congress Subject Headings)を例えばソーシャル・タギングなんかに使えるようにして、図書館員以外のwebコミュニティにも広げて行きたい・・・みたいな話があって、そこ講演後に聞きに行ったのだけれど・・・
・・・英語・・・もっとちゃんと勉強しよう・・・(遠い目)・・・
まあでも、ところどころ理解できた限りでは自分が感じた疑問点(統制された(所与の)件名とソーシャル・タギングの相性ってどうなん?とか)は当然あって、やっぱ難しいところもあるよなあ・・・とかなんとか。




会全体を通じた感想としては、今まで以上にLCの動向には注意を払っておいた方が良さそうだ、といった感じ。
っていうか今まで話にはよく聞くけどいまいちわからなかった部分が今回の講演でだいぶ解消されて、かつどうもそれらはずいぶん面白い話っぽいぞ、とか。
3時間睡眠で行った甲斐があったというものだー*2
・・・あとはとにかく、英語ちゃんとやろう・・・

*1:あくまでmin2-flyが質疑を聞いてまとめた内容なのでニュアンスはだいぶ異なるかも。

*2:まあ睡眠不足の原因はネット徘徊とかなのだけど