かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

"ちゅーりっぷさん"と"がまじゃんぱー"誕生秘話・・・「なんでもいいってんなら『がまじゃんぱー』とかでもいいのか!」「あ、それありじゃね?」「あり、あり」


ここ数カ月(というか筑波大学における2学期の間)、なんか妙に忙しくてあんまり図書館でじっくり雑誌をブラウジングする暇がなく。
今日、読みたい記事があったので複写にいったついでに久々に『大学の図書館』を手に取ったのですが。


・・・・・・

"ちゅーりっぷさん"と"がまじゃんぱー"はこうして生まれた・・・・・・・・・嶋田 晋・・・174


ちょ、なんだそれ?!


人がちょっと目を離したすきになんて面白おかしいものが掲載されているというのかー!!!*1
がまじゃんぱー先生とちゅーりっぷさんの誕生秘話がついに公式の場で、図書館の中の人の手によって語られる日が来たのですね!!!
これは読まずんばなるまいー、ってことで速攻で(目当てだった論文あとまわしにして)読んだわけですが。
いやいや、色々と衝撃の新事実が。

(略)実現に向けた作業が有志で進められ、以下のコンセプトがまとめられた。
 a.筑波大学附属図書館のキャラクターであると分かること。
 b.Q&A等で使えるように2人一組であること。
 c.人間と非人間、ボケとツッコミ、男女など、分かりやすい対比であること。


嶋田晋. 特集:わが図書館をブランドにするために!, "ちゅーりっぷさん"と"がまじゃんぱー"はこうして生まれた. 大学の図書館. 2008, vol.27, no.9, p.174-176.


なるほど、2人一組であることや人間/非人間、男女ペア、性格設定がはっきりしているところ(もっともあれをボケとツッコミで片付けていいのかはかなり怪しいけど・・・)なんかはコンセプトの段階で決められていたわけですね。


しかしチューリップモチーフの女性の造形に対しては上層部が難色を示し(「幼く見える」等)、眼鏡の追加や"ちゅーりっぷ「ちゃん」"から「さん」への名称変更等の修正を行い


嶋田晋. 特集:わが図書館をブランドにするために!, "ちゅーりっぷさん"と"がまじゃんぱー"はこうして生まれた. 大学の図書館. 2008, vol.27, no.9, p.174-176.


・・・??!!
ちゅ、ちゅーりっぷさんって当初は幼女*2だったですか?!
これは判断に悩む・・・幼女のままだったら今とは別の方向の(そして昨今の日本では一般的な)キャラが立ってむしろ筑波クオリティとしてはそっちがジャスティスな気もしつつ、そうであったならば今みたいにどうにもがまじゃんぱー先生のかげに隠れてしまう状況もなかったであろうとも思うけれど。
一方でちゅーりっぷさんはあの造形でがま先生とかけあってるキャラがいいんだと言う気もしたり・・・むむう。


判断に悩むのでぜひ幼女だったバージョンのちゅーりっぷさんについても回想シーンとかアナザーストーリーとかで公開して欲しいところですな。
あと眼鏡追加はGJ!




そして極めつけのストーリーがこちら。

電子図書館システムの仕様策定に関わった先生方が、システムの名称(愛称)も重要と言う立場と、機能が良ければ名称は重要ではないという立場で深夜のメール論争を繰り広げ、その中で名称が重要でないなら「がまじゃぱんぱー」等でもよいのか、という発言があった。インパクトが強く関係者の印象に残る名称であったため、採用された。


嶋田晋. 特集:わが図書館をブランドにするために!, "ちゅーりっぷさん"と"がまじゃんぱー"はこうして生まれた. 大学の図書館. 2008, vol.27, no.9, p.174-176.


・・・え、それはつまり・・・・

「名前がなんでもいいってんなら『がまじゃんぱー』とかでもいいのか!」


「あ、それありじゃね?」


「あり、あり」


・・・ってこと・・・?


・・・いや、確かにインパクトが強くて一度聴いたらすぐ覚える良い名前であるのだけれども。
なんというか・・・言葉にできない・・・


もうその生い立ちから存在からすべてがネタまみれであったのだなあ、がまじゃんぱー先生とちゅーりっぷさん。
もし日本全国図書館イメージキャラクタートーナメントとかあったら絶対に当りたくないペアであることは間違いない感じ・・・



ちなみに現在に至る(はてなキーワードに「がまじゃんぱー」が普通に存在するほどの)キャラクター戦略は当然、当初の想定の外にあったそうで。

当時は図書館システムの更新直後で、システムやWebページの調整が優先され、誕生キャンペーン等を行う余力が無かったため、ゲリラ的に露出させ「よく見かけるけど、あのキャラクターは何?」と利用者に思わせる方針を採ったことによる。
 しかし、ある図書館系ブロガーがキャラクターを気に入り、これをネタにしたエントリを公開したことをきっかけに・・・(略)
 当初は折を見て図書館からアピールするつもりだったが・・・(略)


嶋田晋. 特集:わが図書館をブランドにするために!, "ちゅーりっぷさん"と"がまじゃんぱー"はこうして生まれた. 大学の図書館. 2008, vol.27, no.9, p.174-176.


・・・ごめんなさいm(_ _)m
・・・・・・・・・ごめんなさいm(_ _)m (汗)
そ、それだけ多くの人の印象に残る造形とキャラ設定で、かつ『図書館情報リテラシー教本』の出来が神がかっていたってことでいいのではないかとかなんとか!
「結果としては嬉しい誤算となった」とおっしゃられていることですし!
もし結果が外れてたらどうなっていたかはあまり深く考えない方向で!(滝汗)



そんなこんなで大学図書館のイメージキャラクターとしては異例の(というか異色の)知名度になりつつあるがまじゃんぱー&ちゅーりっぷさんですが、問題もあるそうで。
嶋田さんの記事の中で挙げられているのは

  • 設定の混乱
  • 表情や立ち絵のバリエーションの少なさ
  • キャラクター使用ガイドラインの未整備


があって、必ずしも使いやすいとは言えない状態なんだとか。
特に最後のは痛いかも・・・これだけ親しみやすくネタまみれで筑波らしさ全開のキャラなんだから売っていきたいのは当然なれど、下手な使い方をされて積み上げてきたお二方の実績が崩れても勿体ないし・・・適切なガイドラインが設定できれば、活躍の場をより広げることも地に足をつけた活動をすることも出来て良いのでは、とかなんとか。



まあそんな感じで問題点もあるにせよ、お二人のキャラクターなら普通にハイテンションに乗り越えていけそうな気もするので、「がまじゃんぱーとちゅーりっぷさんの今後の活躍にご期待下さい!」ってな感じで一つ。
とりあえずちゅーりっぷさんの過去を描くストーリーは是非。
がまじゃんぱーの修行時代とかと合わせて。