かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

学位取得・筑波大学修了のお知らせ


前回エントリ*1をアップしてからはや、一ヶ月半が経ち、新年度に入ってしまいました。
春は出会い・別れ・旅立ちの季節と言いますが、図書館界でも様々な方が4月からの転身を発表されていますね。
1つずつにリンクを貼って貼り忘れがあると怖いので貼りませんが・・・一番の話題は[twitter:@hayashiyutaka]氏のカレントアウェアネス・ポータル卒業でしょうか?
2年間、本当にお世話になりましたm(_ _)m
カレントアウェアネス-Eの記事執筆について、的確なネタを選んで投げてきてくれるhayashiさんがいなかったら、自分の博論の文献レビュー部分は時局に全然ついていけていないものになったのではないかと思います。
もちろん、日々のカレントアウェアネス-Rや本誌で提供いただいている情報が大いに役立ったことも言うまでもありません。


いきなり他人の転身の話から入りましたが(苦笑)
博論と言えば、実は自分も4月から大きく環境が変わることになりました。


まず、Twitter等では報告していましたが、提出していた学位論文について無事、審査を通過することができ、去る3/25に博士(図書館情報学)の学位を筑波大学からいただきました。
博論本文はさっそくつくばリポジトリにアップされていますので、興味がおありの方はぜひ、御覧ください。


ちなみに内容の要約は以下の様な感じです(筑波大学図書館情報メディア研究科パンフレット掲載予定原稿をブログ向けに改編)

機関リポジトリとは、大学・研究機関が構成員の生産したコンテンツを、インターネットで収集・管理・発信する試みである。
日本において機関リポジトリとその登録コンテンツは数を増しており、公開コンテンツ数は100万件を超える。
本研究の目的は、これらの機関リポジトリがコンテンツ入手元として果たしている役割を、コンテンツの利用と利用者に及ぼす影響の観点から明らかにすることである。


本研究では機関リポジトリの役割を

  • コンテンツが機関リポジトリ登録以前から電子的に公開済みのものか登録に際し独自に電子化されたものか、
  • 想定利用者は研究者・学生か/それ以外の市民か

という二つの軸に基づき整理した。


さらに整理した各役割の実現状況について、

という五つの手法に基づいて分析・検証した。


分析結果から、機関リポジトリはこれまで電子化されてこなかった人文社会系・紀要論文の電子提供に大きな役割を担うと同時に、市民に対する学術文献へのアクセス提供の場ともなっていることがわかった。
一方で、研究者による論文利用においては、専門のデータベースからのリンクが少ないこと等の問題があることもわかった。


冒頭でも博論に関する謝辞を述べましたし、リンク先の博士論文本文の最後の方にも記載していますが、この研究・論文は本当に多くの方の支えによって成り立っています。
そもそもデータが様々な方のご協力の下で得られたものですし、自分自身、周囲の人との関係の中で研究テーマを見つけたり、やる気が湧いてくる人間でもあり、一人ではとても博士論文を完成させることはできなかったでしょう。
本文中では直接的に各研究テーマや論文執筆・修正に関わっていただいた方のみを挙げさせていただいていますが、実際にはこのブログを閲覧してくださっている皆さんも含め*2、お世話になったすべての方あってのものと思っています。
ありがとうございました。


そんなわけで学位を取得し、ついに学部から数えて9年、在籍していた筑波大学を、この3月限りで離れることになりました。
幸いにして学位取得後1年目から、大学で教員職を得ることができ*3、既につくばの土地も離れております。
色々あって思い入れも大きい大学ではありますが、どのみちこの業界に身をおく限りは何度も足を運ぶことになるものと思いますし、関係各位は引き続きよろしくお願いします!m(_ _)m

*1:自らも財政が厳しい中で図書館によるオープンアクセス財政支援を考える:「図書館によるオープンアクセス財政支援」(第7回 SPARC Japanセミナー2012 参加記録) - かたつむりは電子図書館の夢をみるか

*2:実際、ブログ更新の原動力は読んで反応してくださる方がいるからですし、じゃあ書こう・・・と思って毎回イベント記録をとったりしていたからこそ、多くの内容を聞くだけでなく吸収したりすることができたと思っています。より直接的には、このブログでの記録以外に記録の残っていないイベントについて、しょうがないので引用したりもしています・・・なんかマッチポンプ感がありますが(汗)

*3:まだどことは明かせないのですが