かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

Refworks+SFX=可能性∞

今日は午前中(2時限目)から全代会の仕事でアンケート配りに行く予定があった。
泊まりこんだ場合を除くと、俺が2時限に大学にいるとかありえない。
あまりにも無理があったので母親にモーニングコールを要求してなんとか指定の時間、指定の場所に行ったものの・・・誰もいない。
どうやら休講だった様子。マジ萎える。


することもないので図書館で卒業研究に使う論文を検索する(以下、図書館全開の話)。
LISA*1ディスクリプタ*2フィールドに"contracting out"と"academic libraries"を指定して検索実行した場合と、フィールド指定しない場合でヒットした文献を分けて、それぞれの結果をRefworks*3に出力、リストを作成した上で、SFX*4使って所蔵情報を調べる。
・・・30分くらいで出来てしまった・・・なんだこのお手軽さ加減・・・
同じこと一から手でやってたらどんだけ手間かかるんだ?
まずLISAで調べた結果をテキストかなんかにコピーして、行とかおかしくなってるから成型して、図情だと文献リストの書き方の指定がうるさいからいちいち「,」だの「.」で情報に区切りを入れる作業が必要で。
さらにそれぞれについていちいちコピー&ペーストでOPAC*5検索。
筑波のOPACwebcat*6は直リンク貼ってるから良いけど、もし国内の大学に所蔵がなくてNDL-OPAC*7調べないとけない場合は別口で検索が必要になる。
トータルで短くて1.5時間、下手すりゃ3時間くらいかかるんじゃないか?
こうして考えるとなんて便利なんだRefworks&SFXのコンビネーション。
使わないで論文書けって言われたらくだらない手間が百倍くらいになるんじゃないだろうか。
惜しむらくは日本語のデータベースがまだいまいち対応しきれてないことかなあ、
LISAだと検索してヒットしたレコード一括してインポートできるけど、
CiNii*8だとそこまではできないし・・・


って。そういやなんか、この前図書館の「お知らせ」でCiNiiにSFX機能がついたとか言ってなかったか?
ものは試しと思ってCiNiiに入ってみる。
・・・うおおおお、マジでSFXついてるじゃん!
各レコードにつけられたSFXのリンククリックして、Advanced機能からRefworksを選択すれば、はい、レコードの読み取り一丁あがり!
一括インポートはできないまでも、作業の楽さ加減がとんでもないことになっていますよ、サー!
っつーかなんでこの機能、俺が国内文献調べてる時にまだ実装されてなかったんだ?!
作業肯定が半分以下におさまったんじゃないのか、これあれば?!


実際問題、雑誌論文をそこまで重視しない(図書メイン)で、データベースも未発達な人文系を除けば、
ほとんどの大学生は卒業研究書くときにRefworks・SFX・その他諸々の機能がどんだけ便利か思い知ると思う。
真に惜しむらくは、これらの機能の広報が全然されていないこと。
Why? せっかく凄いんだからもっと売り込みまくったらいいのに、附属図書館。
大学図書館に関する調査をやっててつくづく感じたんだが、筑波大の図書館って規模の面*9でもシステム面*10でも割と充実してるし、webページのレイアウトや機能についても日本の大学図書館の中ではかなり評価が高い*11のに、それをいまいち上手に広報できないんだよなあ・・・利用者教育についても図書館情報専門学群抱えてる割に遅れ気味だし。
勿体ない。
このままではまさに宝の持ち腐れだから、なんとかしてもっとうまい具合に筑波大附属図書館の良さをアピールしていきたいよなあ・・・


情報実習に図書館のカリキュラム設けるとか。
フレッシュマンセミナーの授業中に図書館の時間をつくるとか。
図書館機能を駆使しないと出来ないような凶悪な課題を出して、いやでも身に付けさせるとか。
なにかしらの工夫と教員との連携が大切だよなー。


・・・まあ、とか言ってる自分は図書館職員になるつもりはないんだが・・・
今後もしばらく学生身分。たぶん生涯受益者気分。
なんかの間違いで筑波で教員になれたときに図書館との連携はちゃんと考えよう。
目下のテーマは利用者教育ではなく大学図書館アウトソーシングなのです!
・・・むう、テーマだけ書くとなんか職員の反感買いそう*12


                                                                                                  • -

*1:図書館情報学文献データベース。英語論文がメイン

*2:統制語。あるテーマについて調べる際に、同義語や類義語でも同一テーマの論文が検索できるようにあらかじめデータベース提供者が使用すべきとして定めた言葉。たとえば、LISAはoutsourcingではなくcontracting outをディスクリプタにとっているので、outsourcingで調べても文中でoutsourcingという言葉を使っている文献しかヒットしないが、contracting outで検索するとcontracting outもoutsourcingもどちらもヒットする

*3:自分専用のデータベースを作れるソフト。Refworksに対応した他のDBからレコードを読み込む機能と、利用者が直接フィールドにデータを打ち込んでレコードを作成する機能がある。さらに取り込んだレコードを使ってSISTなどの参照文献記述規格に対応した参照文献リストを作ったり、引用をつけたい個所にマークをつけた文書に引用注をつけて返す機能があるうえ、後述のSFXにも対応。最近、図書館単位で契約して利用者に無料で提供する例が増えている。筑波大も学生・教員なら使いたい放題。一度覚えると真面目にWordで文献リスト作ってるのがアホに思えてくる

*4:電子ジャーナルやOPACなど、文献のリンク先の情報をまとめて管理できるシステム。探している文献がどこにあるのかを見つけるのに便利。例えばRefworksからSFXを使った場合、NDL-OPACWebCat雑誌記事索引と、自分の大学図書館OPACにデフォルトでリンクが張ってあって、これらの所蔵情報はいちいちデータを打ち込まないでもアイコンクリックするだけで見ることができる。さらに言うと、筑波大に所蔵がない場合最初から筑波へのリンクが貼られないので、それだけでうちにないことがわかる

*5:オンライン所蔵目録の略

*6:国立情報学研究所(NII)提供の大学図書館横断所蔵目録。今一般に公開されているのはwebcatplusだけど、なぜか筑波大のOPACからリンク貼られてるのは旧バージョンの方

*7:国立国会図書館の所蔵目録。国内出版物についてはほぼ無敵だが、たまに見落としがある。海外文献については割と他にひけをとる

*8:国立情報学研究所提供の論文データベース

*9:蔵書数240万冊ちょい。これ自体は旧帝大とかには勝てない(東大は1300万冊くらい)レベルだが、そのほとんどが開架(棚に置いてあって誰でも読める本。国立大の図書館は蔵書の数10%が関係者や院生しか入れない書庫に入れてある場合がざら)なことは驚異的。しかも開学当初からそんな感じ

*10:日本の大学図書館で最初にゲート化されたのは筑波大学OPACも開学当初から整備が進んでいる。さらに、学部ごとの図書館を廃してすべての図書が中央・体芸・医学・図情のどこかの図書館に収められている今のシステムも、この規模の総合大学では割ととんでもない

*11:min2-flyが先輩の手伝いのために国内の主要な大学図書館や米国のいくつかの図書館を対象に行った調査の結果による。その際に用いた評価方法によれば、筑波大図書館のwebページは国内で最も使いやすいということになる。まあ、評価方法自体が筑波に有利にできてるんじゃないかと言われればそれまでだが。

*12:詳しく説明買うと反感超えて敵意を持たれかねない