かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

"Public Libraries in the 21st Century"



http://www.amazon.co.uk/Public-Libraries-21st-Century-Defining/dp/0754642860

余計な矢印がついているのはAmazon.co.ukから落としてきた画像ゆえ仕方ない、ということで。


イギリスの公共図書館の最近の動向や置かれた状況について書いた本で、本来大学図書館畑の俺はあんまり馴染みのないところであるはずなんだが、輪読する授業を履修してしまったため読むことに。


今はまだ第1章しか読んでないんだが、イギリスの公共図書館政策の置かれる特殊性、っていうかUnited Kingdomってものの特殊性に関する部分がなかなか面白い。
イングランドとしての政策とほぼイコールになるUKとしての政策がある一方で、北アイルランドスコットランドウェールズという「他国」を内部に抱えるために、日本の国と都道府県と市町村という枠組みよりさらに一階層、政治の枠組みが増えるわけで。


それが公共図書館に与える影響もいろいろ。
特に最近では労働党政権による、イングランド以外の3国への分権が進んでいるために、今はあまり差のない公共図書館政策についてもこれから4国の間で違いが目立ってくるのではないか、とのことで。
ワールドカップすら別々に出場するような4国だから、それぞれに好き勝手にやらせるとどんなことになるんだろう、というのはなかなか興味深い。
今のところはイングランドが指針も整備されているし図書館と美術館/博物館、文書館を担当する組織もあったりと一歩リード感はあるようだが・・・
天下のBL(British Library。間違ってもBoys Loveではない)を要するくらいでもあるし、各種の取り組みもアメリカに追いつけ追い越せって感じで進んでいるし。


一方で、文化政策を好きにできことで他の3国がどういう風に出るかもなかなか見ものだ。
特に北アイルランド
最近ではすっかりIRAもなりひそめて落ち着いている感じだが、権利委譲が進めば進むほどイングランドとの相違を打ち出していくんじゃなかろうか、とか思ったり。
あ、でも民衆の多数ってイングランド系なんだっけ、最近?
まあいずれにせよ面白そうではあるさな。


・・・っつーか、EUもできたことだし、そろそろUK解体して4国に分離しちゃえばいいんじゃないかね・・・??