かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

著作権ビジネスでみんなで幸せになれないか?

ネタ元:著作権の保護期間等を検討する小委員会、関係者ヒアリングを実施


著作権の保護期間に関する話で、出版社とかはともかく、著作権者個人で「死後70年」を求める人らの動機付けってなんなんだろう・・・?
著作者人格権の保護ならまあ、わかるんだが、複製権をはじめとする営利利用されうるような権利を自分が死んだ後まで保護してもらいたいか?
みんな遺族思いだなあ・・・俺なら自分が死ぬ時には著作権は愚かびた一文たりとも子孫になんか遺してやらんと思うんだが。


ん?
そういや、著作権って死後規定があるってことは、当然相続されることを前提にしているわけだよな??
ってことは、もしかして相続税がかかるのか?
って思って調べてみたら、おお、見事に相続税の対象でした(参照:著作権Wiki - 著作権の相続)。
ちなみに評価額の算出方法は

(著作権の評価)
148  著作権の価額は、著作者の別に一括して次の算式によって計算した金額によって評価する。ただし、個々の著作物に係る著作権について評価する場合には、その著作権ごとに次の算式によって計算した金額によって評価する。(昭47直資3−16・平11課評2−12外改正)

年平均印税収入の額×0.5×評価倍率

上の算式中の「年平均印税収入の額」等は、次による。

(1)  年平均印税収入の額
課税時期の属する年の前年以前3年間の印税収入の額の年平均額とする。ただし、個々の著作物に係る著作権について評価する場合には、その著作物に係る課税時期の属する年の前年以前3年間の印税収入の額の年平均額とする。

(2)  評価倍率
課税時期後における各年の印税収入の額が「年平均印税収入の額」であるものとして、著作物に関し精通している者の意見等を基として推算したその印税収入期間に応ずる基準年利率による複利年金現価率とする。

・・・読んでもさっぱりわからん・・・
しかしまあ、相続税の対象であるとなれば話は別である!
今まで自分は著作権の保護期間延長には絶対反対の立場をとっていたわけですが・・・
著作権ビジネスでアメリカがうっはうはに儲けてることを考えると、日本もそれに乗らないわけにはいかん。
しかし、一方で著作権者やそれを保有する出版社ばかりが儲けるのも、それはそれで癪にさわる。
で、あれば、保護期間を70年に延長するかわりに、それ相応に「評価倍率」も値上げしてやればいいんじゃないか?
さすらば、相続者は著作権者の死後70年間、著作権による儲けが得られてハッピー。
国は死後50年の場合よりも多額の税金がとれてハッピー。
・・・ん?
しかしその場合、相続税が高くて相続放棄したら著作権はどこにいくんだ?
えー、著作権法著作権法・・・

(相続人の不存在の場合等における著作権の消滅)

第六十二条  著作権は、次に掲げる場合には、消滅する。

一  著作権者が死亡した場合において、その著作権民法 (明治二十九年法律第八十九号)第九百五十九条 (残余財産の国庫への帰属)の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。

二  著作権者である法人が解散した場合において、その著作権民法第七十二条第三項 (残余財産の国庫への帰属)その他これに準ずる法律の規定により国庫に帰属すべきこととなるとき。

2  第五十四条第二項の規定は、映画の著作物の著作権が前項の規定により消滅した場合について準用する。

うひょーっ?!
相続者がいない場合は、国庫に入るわけじゃなくて、消滅してしまうのか?!
え、じゃあ、あんまり相続税を高く設定しすぎると、相続放棄されてせっかくの税金がふいに・・・


と、なると、まずはアレだな。
著作権法の方を書き換えて、相続者がいない場合は国庫に入ることにしようよ、著作権
そんでもって相当高い相続税をふっかけてやれば、国民全体が潤うこと間違いなし。
もともと無体の財産を子どもや奥さんへ相続させようってのが「どうなのよ?」ってところなわけだし、そんくらいしてもいいんじゃねー、とか思ったり思わなかったり。


・・・作家協会とかにめちゃめちゃ怒られそうではあるが・・・
いいじゃんなあ、大作家とかなら生前に遺族に遺してやれる十分なくらいの財産築いているんだろうしさー。
なにも死後までそんな・・・ねえ?