かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

Refworksでwebサイトの参考文献リストをSIST02を用いて生成した場合に起こる不具合について

ネタ元:

「1年生の授業でRefworks(文献データとか管理するソフト。超便利)について扱うからマニュアルのあらすじ考えて」という頼まれごとをされたのでGW中、嬉々としてやっていたのだが(便利なものを人に広めるのは大好きなので)。


webサイトに関してもRefworksを使うよう1年生に指導すべきかで、はたと悩む。
前から薄々思ってたんだが、Refworksって雑誌記事とか扱わせるにはいいんだけど、どうもweb情報資源の書誌管理が上手くいってない気がするんだよな。
特に旧SIST02補遺(新SIST02だと普通に電子情報も中に含まれてるけど)への対応が全然できていない気がする*1
気がする気がする言ってても埒が明かないので、実際に試してみた。
(おそらくまだ新SIST02には対応していないものとみて、実験には旧SIST02補遺のデータを用いようかとも思った・・・が、あれ、新旧SIST02のwebサイトに関する記述って、媒体表示が絶対に必須、ってわけじゃなくなっただけ?? じゃあいいや、ってことで新SISTの方を使った)


まず、実験に使うデータは「SIST02 参照文献の書き方 5.10 ウェブページ、ウェブサイト、ブログ」で例に出されている「オープンアクセスジャパン」(http://www.openaccessjapan.com/)に関する記述データ。


ちなみに、SIST02におけるウェブページやブログの参照文献の書き方は以下。

著者名.“ウェブページの題名”.ウェブサイトの名称.更新日付.(言語の表示),(媒体表示),入手先,(入手日付).

で、これにそって「オープンアクセスジャパン」のある記事を記述したものが以下。

smine. “Wellcome Trust, Blackwell/OUP/Springerと助成研究の即時オープンアクセス提供を契約”. オープンアクセスジャパン. 2005-12-15.
http://www.openaccessjapan.com/archives/2005/12/wellcome_trustb.html, (参照 2006-05-31).*2


あとは、この書誌事項をRefworksの各フィールドに叩き込んだ上で、SISTで出させて見ればいいわけだが。


簡単簡単、と思ってRefworksを立ち上げる。
が・・・

ちょ、のっけから「SIST2」で必要とされる項目が嘘になってるw
なんだ、出版年と総ページ数って?
webサイトの立ち上げ年か?
でもそれは別に項目あるし・・・(画像に表示されてないけど下の方にある。必須ではない)。
総ページ数にいたっては・・・「1」でいいのか?
そのくせ入手先(URL)が必須項目扱いされてないし・・・そこは旧SISTの頃から必須やっちゅうねん。


まあ仕方ないので可能な範囲で画像のとおり書誌事項を入力して、参考文献として出力させてみた結果がこちら。


わかりやすいようにコピペするとこんな感じ。

smine. Wellcome Trsut, Blacwell/OUP/Springerと助成研究の即時オープンアクセス提供を契約. vol. 2006, no. 05-31, 2005-12-15,


前述した正しいSIST02に沿った記述と比べると全然違うことがわかる。
いや、" "(アポストロフィ)がないのは俺が打ち込まなかったことにも非があるとは思うが・・・
URLは打ち込んだし、なによりなんで「アクセス年」が「vol」に、「アクセス月日」が「no」になっちゃってるんだよorz
自分が閲覧した年月日が発行年月日になるwebページ。
なにそれ意味わからん。


こりゃあ完全に使い物にならんなあ・・・
少なくとも今、筑波大学が契約しているRefworksはSIST02に沿ってウェブサイトの書誌記述を行うようには対応していないことがほぼ確定。
1年生にも「大人しく自分でSIST02書け」って言った方が良さそうだなあ。


まあ雑誌記事なんていう面倒くささ極まりないもの(vol.とno.を書くのが面倒。あと区切り記号が発狂したくなる)はRefworksでやってくれるわけだし、webサイトくらいはとりあえずしばらくの間は自分で書け、ってことで知識情報・図書館学類の1年生には頑張ってほしい。
・・・レポートで使うのなんかほとんどwebサイトばっかで、雑誌記事なんかろくすっぽ使わないとは思うけどな・・・まあ卒業研究とか始めたら有意義だから今は諦めてもらおう。


そしてそれはそれとしてRefworksの会社には文句言わないとな。
さしあたり授業担当の先生に「こんなわけでRefworks問題ありありっす。なんとかしてもらって」って伝えておくか。
我ながらいつも最後は人頼みだが、しゃあないねん、自分まだ学部生なんだから。
明らかに手に余ることはもっと手の大きい(権力とか資金力とか技術力とか)のある人にお願いして、できることからこつこつとやっていこうとー。

*1:SISTは科学技術振興機構が定める、科学技術情報流通のための基準。雑誌名の書き方とか、抄録の書き方とか、いろいろ決められている。SIST02は、その中で参考文献の書き方について定めたもの

*2:URLクリックするとリンク切れになるのは区切り記号である「,」までリンク中に含まれてるから。消すとちゃんと目的の記事に跳べる。