かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

「"文学少女"と飢え渇く幽霊(ゴースト)」

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)

”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)


久しぶりに、小説を読んで泣いた。
睡眠不足で感情の箍が外れかけているのかも知れないが・・・でもまたたぶん読んだら涙ぐみそう。
そういうつぼに、ずきゅんと入り込んでこられた。


今回は主人公と"文学少女"の遠子先輩のほかに、遠子先輩が住んでいる家の少年(流人)と、両親を失って後見人である義理の叔父によってかなり歪んだ環境に置かれている少女(蛍)が出てくる。
流人は自分は精神的マゾなんだ、と放言して、「あぶない女が好き」とか「憎まれたい」とか言いながら何人もの女性とつきあったり、わざとあぶなそうな蛍と交際したりと、自らスリリングな環境に身を置くような奴なんだが、全然ものを食べようとしない蛍にものを食べさせようと必死になったり、家でひとりで暴れる蛍をなだめたり、蛍についてはずっと本気で接していく。
それゆえに最後の切なさがどうしようもないくらいだった。
「ごめんなさいもありがとうもいらない」、そこに込められた想いを考えると・・・やばいやばい、今これ研究室で書いてるんだか泣いたらまずいだろやっぱ。


あー・・・なんだろう、最近「あたり」の話ばっかり読んでる気がするなあ・・・
くそう、買う本買う本こうだとますます買いたくなるじゃないか。
そして金が消えていく・・・。