かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

同人誌と図書館

ネタ元:
同人誌の整理に伴う困難とは?(米国) | カレントアウェアネス・ポータル
Zines Libraries - 同人誌図書館の先行事例 - Myrmecoleon in Paradoxical Library. はてな新館


Current Awareness Portalアメリカの図書館での同人誌の話が出ていて「おおっ!」と思ったら、さらにそれについてid:myrmecoleonさんのところで言及されていてさらに「おおっ!」と思ったり。
myrmecoleonさんところの記事を読む限り(英語の原著も読めという批判はもっともだが、今日だけで30ページくらい英語を読んだので僕の英語脳は限界です)、同人誌と言っても日本でよく見るコミックとかの同人誌ではないようだが・・・でもまあ、通じるところもあるのではないかと。


日本国内に目を向けると、myrmecoleonさんのところをはじめ、ブログ界隈では同人誌を収集する図書館(あるいは同人誌を主たる対象とする図書館)を求める声があがったりもしているのだが、一方で図書館と同人誌の関係について学術的に言及した文献はほとんどない様子。
わずかに平成17年度の図書館情報専門学群卒業論文で「著作権法から見る同人誌の違法性の有無」というのがあるが、これも著作権からみの話*1と同人誌擁護*2の内容にとどまっている。


そして本職の研究者はおおむね同人誌、全スルー。
国会図書館の法定納本制度との絡みとかで少しは出てくるかとも思ったが、それすらねえ。
まあ商業出版のエロ本やら、ゲームなどの電子メディアすら十全に揃えられていないところが同人誌にきちんと手を出せているわけもないとは思うが、動くそぶりくらい見せてもいいんじゃないのか国会図書館
批判するそぶりくらい見せても良くないか研究者。
みんな心から興味ないのか、それとも興味はあるけど恥ずかしいから「研究したいです」って言いだせないのか。
大丈夫、同人誌は何も恥ずかしくないよ。
ただちょっと卒業研究でやろうとすると怖いおじいさんとおじさんとお姉さんたちに「やる意味あるの?」を連発されると思うけど、毅然とした態度で「今やらねば国の沽券にかかわります」って言えばみんな引っ込むから。
むしろ、仮説と方法論とその他もろもろの「研究としての作法」さえしっかり立てておけば、図書館情報メディア研究科で一番の切り込み隊長であられる辻先生はこの手の話大好きだから味方についてくれるはず。
そしたらもう怖いもんなしだ、ゴーゴー!


などと他人をあおりつつ自分ではやらないmin2-fly。
まず堅実な研究で地盤を固めてからオモシロ系に手を出すようにせんと、はなから「同人誌とかライトノベルとかその他もろもろが専門です!」なんて図書館情報学者をどこで雇ってくれるというのか。
筑波大学くらいしか思いつかないが、うちの定員がいっぱいだったらアウトじゃん。
・・・みんな同じようなこと考えるから、研究志望の連中でそっち系に手を出す奴が少ないのかなあ・・・

*1:著作権法的に見て一部の同人誌は明らかに違法

*2:全部を厳しくとりしまると日本の重要な文化を損なうことになるから、著作権者の感情とかとも折り合いをつけつつ一定範囲で文化として認めていこうよ