かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

「学校の階段」(2)〜(3)

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2巻が近所の書店で見つからなかったのがちょっと前。
仕方がないのでやや遠出して探し回っている最中です、「学校の階段」。
これに限らずライトノベルアワード2007ノミネート作品は最近つくばの書店では(1巻を除き)どれも品薄。
1巻はアワードにあわせて在庫揃えてるくせに2巻以降は入荷してないもんだから、1巻を読んでみて「面白っ!」と思った人らが続刊を買っちゃうと在庫がなくなっていくんだろうな。
「それぐらい先読みしとけよ!」とも思うが、書店が思ったよりライトノベルアワードがあたっているのやも知れん。
俺も今月だけでアワードをきっかけに14冊ライトノベル買ってるしなあ(さらにその他にいつも買ってるものも買っている)・・・まんまと商業戦略にしてやられてるなあ・・・


さて、「学校の階段」。
1巻で生徒会公認の部活となった「階段部」だが、学校公認となるには顧問や諸々の手続きが必要、ってことで公認になるための顧問探しと、(主に女子部員の立場を強めるために)部長の九重の提案で女子部員確保に走り回るのが2巻。
全校一斉での合宿の最中、女子部員獲得目当てで階段部が女子テニス部にテニス勝負をしかけたり、「黒翼の天使」天ヶ先泉を巡って各部対抗階段レースが開かれたりする3巻。


それぞれ面白い!
面白い・・・が、うーん、なんか、個人的には1巻の時ほどにはぐぐっと来ないかも。
ライトノベルとしてはむしろ2、3巻の方がこなれてきているというか、荒削りなところはなくなってきているというか。
でもその分、1巻の時ほどの勢いというか若さがないような気も若干する。
「階段部」が1巻の時ほど虐げられる存在じゃなくなったからか?
「いけないことをしている」的な葛藤もなくなってきているし・・・「階段部」であることの必然性がちょっと薄れて、その分「階段部」というギミックを使った普通の青春エンタになってきてる感じ?


しかしじゃあ青春エンタとして面白くないかと言われれば、そんなことはない。
特に2巻で陸上部の後輩との関係に決着をつけようとする九重に、「人との関係に決着つけようとなんかするな!」みたいに神庭が吠えるシーンはギュンと来た。
キャラが吠えるシーンはそこら辺中のありとあらゆる物語に出てくる、ある種「クライマックス」であることをわかりやすく示す素材の一つと化しているかのような感もあるんだが、物語をギュッとひきしめられるような本気で迫力のある「吠え」にはなかなかお目にかかれない。
読み終わってもいつまでも頭の中に残っているような。
何回でも読み返したくなるような。
他のどの部分を忘れても、その「吠え」だけは、そのシーンの迫力と心に鳴り響く衝撃だけはいつまでも忘れないような、そういう風にキャラを吠えさせられる作家は無条件で読み続けられる作家なんじゃないかと、そう思ってやまない。


・・・ん?
なんだ、なんだかんだ言ってけっこう大好きなんじゃん、「学校の階段」。
4巻売ってる書店はあるかなあ・・・?