「わたしたちの田村くん」
- 作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2005/06
- メディア: 文庫
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- 作者: 竹宮ゆゆこ,ヤス
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中学生活最後の夏」という魅惑のフレーズに浮かれるクラスから取り残されていた田村くんの前に現れたのは、進路調査票に「故郷の星へ帰る」と書き続ける不思議少女系、松沢小巻だった。受験直前のバレンタインデー、田村くんの部屋に投石して窓を粉砕&チョコを誤爆したのは、学年随一の美少女にしてクールなツンドラ系、相馬広香だった。そんな変わり者の女の子二人と、空回りしながら奮闘する田村くんが贈る、おかしくてちょっと切ないラブコメディー。(Amazonの内容紹介より)
ああああああああーーーーーーーーーーーーーっ!!!!
あああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!
なにこれ、なんだこれ、畜生、なんで俺いままでこれ読んでなかったんだ?!
ヤバい、ヤバいよ、竹宮ゆゆこに直球でラブコメ書かせたらえらいことになるって今わかったよ、っつーか主に俺が悶え死ぬ?!
内容紹介だけ読むとまるでよくあるハーレム系小説とかで、主人公が二人の女の子と一緒にうれし恥ずかし的なイベントだのトラブルだのに巻き込まれて右往左往・・・みたいなこと(まあ端的にいえば阿智太郎がよくやる奴)とか、そこまでは言わなくても「とらドラ!」みたいな感じに主人公を巡って二人の女の子が時には激しく時には静かにバトル! でもどっちも素直じゃないくせに牽制しあってるからなかなか進展しない! みたいなのを想像するやも知れないが。
そんなことは、一切ございません。
この小説は、真っ正直に、真正面から、三角関係ものです。
なめてかかると胃がきりきりするぜ?
イメージとしては、ギャルゲーで目当てのキャラを一人に絞れず、二人どちらのシナリオにもいけるように両方に優しくするような選択をしていたけど、いよいよどちらか選ばなければいけない段になって「へいへい、現実には○○ルートなんてものは存在しないんだぜお客さん? どっちかのルート入ったからってどっちかとの関係リセットされるなんて甘いこと考えてんじゃねえぞ?」って宣言くらったみたい、というか。
話の進め方(問題あるいは秘密を抱えた女性キャラと関係を深めていって、「俺がついてるから!」みたいなことになる)はまさしくギャルゲーチック。
しかし二人の女の子と関係を深めたあとの展開はむしろ少女漫画。
思い悩んで答えを出そうともがいて答えを出したと思ってでもまた新事実が発覚してあああああ・・・!
どっちも傷つけたくないのにむしろどっちも傷つけてえええええ・・・!
っつーか超正当に恋愛小説じゃん?!
電撃レーベルってそんなのもありなのか?!
少女漫画の三角関係は主人公が女子だから第三者視点で読めるんであって、主人公男に設定されたら冷静になんて読んでられませぬことよ?!
いや、本当、半年分くらいまとめて悶えた。
悶え悶えたあとだけに、結末はもう完全に引き込まれた。
完敗です。
「とらドラ!」3巻の大河絶叫(「竜児は私のだぁ!」)ですでに十分負けていた気もするが、今回ので完膚なきまでにとどめさされました。
一生ついてく、竹宮ゆゆこ。
あ、ちなみに表紙と内容紹介は、ほとんど「叙述トリック」の域だと思う。
そんなとこから仕込みが入ってたんじゃ敵うわけがないやこん畜生。