かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

トムソンサイエンティフィック 学術シンポジウム「研究評価におけるビブリオメトリックス手法の意義」


Web of Scienceで有名なトムソン社の学術シンポジウムを聞きに行ってきました。


リンク:http://www.thomsonscientific.jp/event/biblio/


濃密な4時間強であったよ・・・ビブリオメトリックス(計量書誌学)は見た目にわかりやすいようでいてどこまでも奥が深いようなでもわかりやすいような・・・
どの講演者さんもかなり内容の多い話をされていたのでレビューとかはパスする方向で。
聞いてて印象に残ったのは

  • インパクトファクターは図書館が雑誌を評価する際の指標であって研究評価には使ってはいけない(まあこれについては図情の3年生以上で管理主専攻なら今さらだと思うが・・・思いたいが・・・)
  • 研究評価のための指標は色々ある。なにを使うべきかはなにを知りたいかにより違うが、ある事柄を知るのにどんな指標・どんなデータを見ればいいかはだいたいわかってきてる
  • 指標によって各種の研究機関ランキングは如何様にでも出せるが、1次元配列であるランキングよりはもっとマトリックスな見方をした方が機関戦略の策定などには有効なのではないか
  • ビブリオメトリックスの手法で得られる定量的なデータからわかることには限界があり、だからこそピア・レビューなど質的な調査が必要(人文社会分野とかは特にそう?)
  • なんでもわかる万能な指標は、ない


ほかにも聞いてて楽しい話とか、院に(受かったら)やってみたい話とかはいっぱいあったが・・・きっとトムソンのサイトでいつか公開されるよね? されないかな?



ちなみに印象的だったこと番外編。
パネルディスカッションで会場から「Times社の大学ランキングは信用ならないと思うんですが、どう思いますか?」って聞かれた講演者のDr. Ghislaine Filliatreauの御答え。

「フランス人はランキングが好きではありません」

さらに、研究評価だけが大学の評価ではない、ということについて一言。

「『いい研究をしている大学』は『いい研究をしている大学』であって『いい大学』ではありません」