かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

図書館と利用料金


ネタ元:生涯学習振興法などの論点整理へ=中教審

一方、図書館法では、利用料金に関して委員から意見が相次いだ。現行法では無料が原則となっているが、出席者からは「コピー代はだいたいどこでも徴収している。付加価値のあるサービスであれば有料でもいい」「他の館から取り寄せコストを受益者負担にしている例もある。法改正より運用の問題では」「館内と館外の利用を別にとらえ、条例で定めればいい」などの意見が出された。


・・・いや、図書館法については利用料金(公共図書館の利用は料金とっちゃいけない規定がある)なんて重箱の隅でなく、もっと考えるべきところが他にあるんじゃ・・・
大学図書館法は作らなくていいのか、とか、公共図書館員にだけ資格があるのはどうか、とか。
まあ後者の話は文部科学省系でも別のところでしてるから中教審でしなくてもいいのかも知れんが。
それにしたって利用料金か・・・はてさて。


「付加価値のあるサービスであれば有料でもいい」という意見にはうなずくところもあるが、そこで言う「付加価値」ってのはなんぞや。
例えばインターネットが普及して間もないころ、図書館でのネット利用は受益者負担ありかなしかが話題になってた時期があったと思うが*1、これからの時代にネット利用を「付加価値のあるサービス」なんて言い出したらどつかれるだろう。
デジタルディバイドやなんやかんやで騒ぐなら公共端末置いて使い方教えるくらいは料金とるべきではないな。
しかし同じインターネットでも例えばデータベースの利用とかはどうなるのか。
日経テレコンとか、普通に使うとかなり高いのもあると思うが、そういうのは無料で提供できない(図書館でねん出できない)からって一切提供しないのと、利用者の実費負担でも提供できるのとではどっちがいいのか。
まあそもそもペイパービューなデータベースってどんくらいあるのか知らないが。


相互貸借についても、大学図書館だと実費負担が主なわけだが、公共図書館でも安易に「付加価値のあるサービス」ってことで金とるのを一般化していいもんか。
リクエストすれば(受入を待てば)時間かかってもただで使えるところを、早く使いたいからって理由で取り寄せるのであれば付加価値、とみなすのもアリかと思うが、一方で所蔵方針に反するとかの理由でリクエストされても受け入れない、とかの場合は付加価値とは言えないよなあ、と思ったり。


個人的には原則利用者に対しては無料の態度を貫きつつ、別のところでなんかの収益あげるモデル(「ただコピ」とか、いいよね!)を模索した方がいいんでないのかね、と思うところだが。
あと、当たり前だけど金とるにしてもあくまで実費負担な。
「付加価値のあるサービス」で金とるのは許容範囲だが、「付加価値をつけたサービス」で料金にも付加価値上乗せしようもんなら途端に著作権はじめ別の問題絡んで来ちゃうから。
そっちは下手すると一撃で公共図書館の息の根を止めかねない問題だから面白いけど全力回避の方向が無難かと。


・・・って言うまでもなく文科省サイドならわかってるか・・・

*1:今でも話題なの? まだ料金とってるところって公共である??