かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

卒論の代筆って、それは見抜けない方も相当な問題じゃね?


卒業論文を1文字5円、納期1週間、発表会向けの個別指導付きで35万円で代筆してくれる業者がいるんだと(笑)


ネタ元:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070818i111.htm

事業を取り仕切る20歳代の男性は「もともと大学院の入試対策を有料で行うつもりだったが、依頼の大半は卒論やリポートの代行だった」と明かす。法律関係が依頼の半分近くを占め、文学、経済関係も多い。理系では物理や化学は皆無で、情報科学の依頼が数件ある程度。これまでに、「単位が取得できなかった」「発覚してしまった」という苦情は寄せられていない。

 「卒論を3日で仕上げてくれ」など、安易に代行を頼む学生もいるが、この男性は「依頼者の多くは、教員に放任扱いされ、課題にどう対処すべきか悩んでいる。我々がやっているのは、最後の駆け込み寺のようなもの」と主張している。


この手の業者自体はちょっと検索すればすぐ見つかるので存在は知ってた*1が、騒ぎになったということは詐欺や釣りじゃなくて真剣に代筆してたんだなー。
「今まで見つかってない」って本当かね?
事実だとすれば、代筆した業者や学生の責任はもちろんのこと、代筆を見抜けなかった指導教員および大学当局の方にも問題があるんじゃないかと思うが。
発表会とかにそれなりに力入れてれば明らかにおかしい奴は速攻で見抜けると思うんだけどな・・・「おかしい」と思ってもやっぱり卒業に関することだから不合格にしたくない心理が働くんだろうか。
それにしたって、これ業者が摘発されて依頼者リストでも流出しようものなら大学業界震撼するんじゃね?
大手有名大の名前とかあったらコトだろ。
・・・あ、もしかしてだから文部科学省は追及には不熱心なのかな??


分野の偏りについて考えると、これは学生の気質がどうこうというのではなく完全に卒業研究のスタイルの問題だろうな。
「物理・化学は皆無」って、そりゃあ当然だろ。
物理や化学の論文が実験データなりなんなりなしに早々書けるわけないじゃん。
当然、研究室なり実験室なりに入り浸ったり、ってことになるから、やってなきゃバレに決まってるしやらないわけにもいかない。
っつーか1週間前に話持ちかけられても書けないだろ、ガチな理系の論文は。
その点だと情報科学は納期1週間なら気合であげられそうな雰囲気が若干あるのでわからんではない。
法律・経済・文学については着想さえしっかりしてれば案外1週間で出来てしまいそうな気もするので、この偏りは当然だろうなー。


図書館情報学だと・・・どうだろう・・・分野が入り組みすぎてて全般的にどう、とは言えなさそうな・・・少なくともインタビュー調査や質問紙調査があるところでは、それらの調査は自力でやらにゃならないだろうし、であればもう最後まで自力でやっちゃった方が金かからないし楽だろう。
ただ、うちにも法律系統の研究とかしてるところもあるから、そこでなら・・・どうだろうなあ?
あの先生方の目を誤魔化すとか無理そうだなあ・・・。


ま、結局のところ日本の大学は卒業しやす過ぎるんだよね、全般に。
学士号の安いこと、安いこと。
そこら辺もうちょっと厳しくすれば、塾的な意味での「卒論指導」サービスは生まれたとしても「卒論代筆」はコスト面で割が合わなくなって廃業に追い込まれると思うんだがなー。


・・・自分がまだ卒業論文書き終わってないのにハードル上げまくって我ながら何がしたいんだろうな、しかし・・・

*1:2年程前に「レポート代行業とかやったら儲かるんじゃね?」と洒落で思いついてちょっと調べてみたら本当にやってる奴ら、それも卒論までやってる奴らがいることを知って萎えたので。しかし1文字5円か・・・「2万字のレポートくらいならすぐ書ける。それで10万かよ!」って気もする反面、どんな学部のレポートが舞い込んでくるのかわからないのに対処できる会社も凄いな。執筆陣をそれなりに揃えてるんだろうが、いやいや、よくやるわ