かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

アウトソーシングの話と給料の話は別物であるはずなのだが・・・


・・・別物にできてないっぽいこの現実。


ネタ元:大学図書館崩壊 司書を時給1000円でアウトソーシング: 天漢日乗


id:wackunnpapaさんのコメントにすべてが集約されているのでなんも書くことない気もするが・・・確かに「え、今になってその話題か?」っていう気もするなあ。
webサイトの「主要取引先」の中にネタ元で紹介されている京都市左京区の求人先であろう図書館(まあ左京区内に取引先2つあるので今回の求人がどっちかはわからないけど。別の新しいところかも知れないし)も掲載されているけど、うち一館は1998年の段階で図書館のアウトソーシングに関する論文発表してたし。
しかしまあ、それは今回の主題ではないので閑話休題


なんつーか、給料などの待遇面での問題=アウトソーシングの問題、にならざるを得ない図書館業界の現状が非常に「どうしたもんだろうね?」って気分になる*1
業務の外部化によるコスト減と人件費削減によるコスト減を切り離して考えないと本当の意味での業務の外部化による効果(メリット・デメリット)、ってものを考えることは出来ないんだけど、一方でそこを切り離して考えちゃうと人件費削減によるデメリットによって業務の外部化のメリットが相殺どころかマイナスになることがある現実から目を背けていることになるわけで・・・。
アウトソーシング自体は1960年代の情報処理産業で原型が作られたもので、そのときのコスト減、っていうのはハードウェアがまだまだ高かったりスキルを持った人間も少なかったりする状況で、自社でコンピュータ関連業務抱えこむほどにはその手の業務自体なかった会社が、設備投資費や高い専門性を有する人間の人件費を内に抱え込まなくても良い、ってことであり。
専門的でモノにもヒトにも金のかかる部門は一社で抱え込めないから、外部の業者にお願いした、あるいはそれを多くの会社からまとめて引き受ける営業形態が成立した、っつーことで。
「安い労働力に外注」ってのとはある意味対局をなす概念であるのだけどね。
今でも基本的には「アウトソーシング」というのは「専門に特化した/専門性の高い業者に業務を委託することで自力でやるより良い結果を得る」ためのものであって、業者はスケールメリットによって儲けを出したりコストを削減したりするものであるべきだと思うんだが・・・現実を見るとやっぱり委託スタッフの賃金を抑えることでコストを抑えている部分があるよなあ、実際・・・はてさて。
個人的には委託スタッフの賃金の問題さえなんとか出来れば、アウトソーシングによって大学図書館における専門職制度確立とは違ったアプローチから大学図書館員の専門職化を実現できるんじゃないか、とか踏んでるんだが・・・なんとか出来るのかな、その問題??

*1:いやまあ、実態を見出せばどこの業界もそうなのかも知れないが