その言葉の壁は高すぎて。
世間の大学がまだ後期半ばで悠々としているであろう昨今、筑波大学は3学期制のおかげで期末レポートやらテストやらが騒がしい時期になって参りました。
4年生の自分にとっては本来関係ない(むしろ卒論提出〆切の足音の方が怖い)はずだったんだけど、今年から大学院の授業とって良いことになったので調子に乗って2つも3つも取っていたらやらなきゃいけないレポートがけっこうな量に。
どれも面白いし研究に直接関係してくるものだからいいんだけどさ。
そんなレポートのうちの一つが「図書館情報学的な現象を計量的に分析した論文を見つけてきて紹介し、自分ならどう発展させるかを付け加えろ」というもの。
図書館や情報センターの利用分析・・・と名を冠した、実際には統計的分析手法をひたすら紹介・説明していく授業の最終課題で、「可能なら英語の文献も読んでみること」との注釈付き。
計量的分析ってだけならその授業を担当している先生も含めうちの学内にもやっている方はけっこういるので、そちらの方面からあたっていっても良かったのだけど・・・個人的に、授業中に紹介されたロジスティック回帰*1の手法を使った図書館情報学の文献(それも出来れば計量書誌学サイドよりはガチの図書館系)がないか探してみたかったので、ちょこちょこ検索してみる。
とりあえずCiNiiとBIBLISたたいて手頃なのが見つからなくて、Google Scholarでもいいのがなかったのでいったん日本語に見切りをつける。
で、LISA*2で調べてみると・・・
おおっ!
「研究所/技術大学図書館における目録業務のアウトソーシング決定因子をロジスティック回帰分析により求める」という、自分の研究分野にどんぴしゃりの論文があるではないですか!
しかも掲載誌はオープンアクセスジャーナル*3!
「オープンアクセスジャーナルって言いつつ査読誌扱いされてないってことは実は紀要的な雑誌なんじゃないのか?」とか言う本音は内心にとどめながら、勇んで読みに行ってみたところ!
・・・台湾の雑誌掲載論文だった・・・
・・・本文、中国語・・・abstractだけは英語で読めるんだけどさ、さすがにabstractだけ読んでレポート書くわけにもいかんだろうし・・・
雑誌タイトルも英訳の方だけLISAだと表示されるし、言語区分もEnglishになってたから完全にやられたー、って感じ。
あああ、レポート抜きにしてもこの論文は読んでみたいんだがなあ・・・中国語かあ・・・
しかし、こうして目の当たりにしてみるとやっぱ英語以外の言語を用いることって国際的な規模でのやりとりが存在する学術情報流通にとっては不利なんだな、って実感するな。
今回のも英語だったら確実に読んだだろうしな、自分・・・それどころか引用したかもしれない・・・海外の一学部生に引用されようがされまいが著者にはなんも関係ない気もするが、先々の論文作成時に使ったかも知れないこととかを考えればやはり勿体ないことではあるよな。
中国語じゃ手も足も出せない。
機械翻訳でどうこう、ってわけにもいかないだろうし、現状。
今回の論文は台湾のものだけど、中華人民共和国での論文生産数もかなりのペースで伸びている*4ことを考えると、今後中国語の論文はどんどん増えていくんだろうが・・・読めないものが増えると困るなあ・・・英語のが増えてくれると助かるが、日本の事情を考えても図書館情報学系は母語メインでの出版になりそうだしなあ・・・
って、あたかも他人事のように言ってるけどよく考えりゃ自分が書き手に回るときもまんま同じことが言えるわけか。
・・・英語でアウトプットできるだけの能力、ってのは学部1年生の頃がピークだったような気がするが・・・ま、まあ、頑張ろう・・・
とはいえ、ニコニコ動画への海外からの投稿(それこそ台湾からとか)のことを考えれば*5、向こうでも自分の興味のために日本語やっている人は多いんだろうし、英訳されてないものにこちらから歩み寄る努力も必要なんじゃないだろうか、とは思うんだが・・・
・・・如何せん、この漢字の羅列は、すぐには読めるようになる気がしない・・・(汗)
ごめんなさい、まずは英語がそこそこ不自由しない程度になってから、ってことで一つ・・・
*2:Proquest-CSA提供の図書館情報学文献情報データベース。今はどうだからわからないが、自分たちの代では情報検索演習の際に一番よく使う海外データベースだった
*3:読む側は購読料を払わなくても読める学術雑誌