かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

大学図書館支援機構の総会に行ってきました


日付が変わってしまいましたが、7/19に開催された大学図書館支援機構(IAAL、読みはあいあーる)の総会に行ってきました*1


そろそろ「本当お前はどこにでも行くな」とか言われそうですが*2、実は自分はIAALの賛助会員だったりするので*3「行っても問題ないだろうー」と思って参加。
初めてお会いする方も多かったので、うちのブログの存在を知らない方には院生がいる光景はさぞ奇異に映っただろうなあ、とも思ったり・・・明らかに支援する側でもされる側でもない風情だもんなあ・・・


IAALについてはニュースレターでも出ていたり*4図書館雑誌はじめのメディアでも紹介されていたりするので既にどんな活動をしているか知っている方も多いかと思いますが・・・多い、かな??
「こんな活動をします!」という話は良く露出していますし、「こんな活動をしています」という話も聞く割には、「今現在、こういう活動をしています」というリアルタイムの報告がほとんど出てきていなかったので、今回総会に参加して活動報告を聞いて「へー、こんなにいろいろやっていたんだあ」と思うことも色々。
その点では、「図書館断想」の大学図書館支援機構なる秘密組織」という言われ方も仕方ない面もあるのかな、とか。
今回の総会の報告はいずれwebにアップされる(されますよね?)と思いますが、理事会ごととか、もうちょっと頻繁に情報の露出があった方が何をやっているか外部の人にもわかりやすくなるだろうし、透明性も高まるのかな、とは思います。


活動自体は、色々な大学や機関での取り組みに講師を派遣したり(図書館員や委託企業のスタッフ向けの講習への派遣だけでなく、例えば現代GPの情報リテラシー講座(学生向け)への講師の派遣とかも)、教材を作ったり、自分たちでアウトソーシングを請け負ったりと、その名の通り大学図書館に関係する業務の支援を請け負う、と言った感じ。
NII講習への講師派遣とかニュースレターの内容が目立つのでid:katz3さんのところで言われているような

図書館業務やその技能について何やかや口出さないで、図書館を振興する立法を推進すべくロビー活動するとかを中心にやってくんねえか


という意見も出てくるんだろうけど。
実際の活動内容をみると、大学図書館全体に対して何やかや口を出すと言うよりは、実際に頼ってこられたり協力関係を築いた個別ケースについてその業務の手伝いをしたり業務の一部を引き受けたり(NPO法人であってボランティアではないのでもちろん無償ではないが、営利法人でもないので必要以上の利潤を出さない範囲で)、って感じがする。
イメージとしては非営利のアウトソーサー。
高い専門性を有し、それを支援・協力を求めるところに提供しているって点では、単に雇用の非正規化と賃金低下を別の言葉に言い換えるような昨今の図書館業界で行われているアウトソーシングではない、本来の意味に近いようなアウトソーシングがIAALによって出来るんじゃないかとも思うし、実際に情報リテラシー教育への講師派遣とかリテラシー教材作成とかをやっているってのは、自力でそれが出来ないような図書館にとってはうまく活用するとかなり便利なんじゃないかとも考えられる。
自分の卒論の中では「アウトソーシングって言ったってOCLCみたいのがない日本で専門的な部分どんだけ外に出せるかは微妙。大学図書館支援機構がそういう役割を担っていくとだいぶ面白くなってくる」みたいなことを(いや、「面白くなる」とは書いてないけど)書いたんだけど、今回の総会に参加してそのイメージは外してなかったなー・・・とも思ったり。


まあ実際にはニュースレター中にもある目録業務の検定試験の企画とかもあるので、単なるアウトソーサーかと言えばもちろんそうではないわけだけど・・・。
ロビイングについては各種の図書館協会・協議会に学会、研究会等々、やろうと思えばできるところは他にもあるけれど、国内にOCLCみたいなことをやろうとしているところは他にあんまりないわけで、その点についてはIAALには大いに期待していいんじゃないかなー、と思ったり。
あんまりまともにロビイングやってくれるところがないのでそこに期待したいってのもあるんだけど、でもやっぱ、まずロビイングをやるべきはALAとかACRLとかで、OCLCが図書館政策のロビイングに一番貢献するような状況はそれはそれでどうなのよって気もするし、NPOにはNPOとして出来ることがあるんじゃないかな、とか。


・・・それはそれとしてロビイングをやってくれるところにも是非期待したいけど・・・とりあえず委託先を競争入札で決めないといけないとか、単年度契約しか結べない国立大の仕様をなんとか・・・

*1:大事なことなので2回(ry

*2:既に言われている気もする

*3:卒業研究で扱っていた大学の図書館のアウトソーシングに関する調査が、かなりの部分IAALの活動と関係していたので学部(学群)時代に賛助会員になりました。

*4:IAAL ニュースレター No.1(PDF)