かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

My Open Archive搭載文献が引用されました!


下記のエントリに続いて紹介/引用ネタですが、今回はブログの引用ではありません。


まだwebで本文をお読みいただくことは出来ないのですが、今月発行の「情報の科学と技術」に掲載されたトムソンコーポレーションの堀切さんの論文「研究者ワークフローと論文情報」の中で、myopenarchive.org - このウェブサイトは販売用です! -&nbspmyopenarchive リソースおよび情報にアップしていた自分のスライド(myopenarchive.org - このウェブサイトは販売用です! -&nbspmyopenarchive リソースおよび情報)が引用されていました!

研究者ワークフローと論文情報
堀切 近史*
*ほりきり ちかし トムソンコーポレーション(株)(トムソン・ロイター・グループ)
〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル5階
Tel. 03-5218-6500(原稿受領2008.10.27)

 研究活動に関する様々な情報を電子的に扱う「e-Research」が一般的になった現在,研究者ワークフローにおいて,電子化した論文情報が多面的に活用されるようになっている。「研究戦略の立案」「研究成果の周知」「研究成果の評価」などの活動を,電子化した論文情報を土台としてより効果的に進めようとする取り組みだ。論文情報はすでに,様々な情報と有機的に結びつき,新たな付加価値を生み出し始めている。学術情報を扱う図書館は,研究者ワークフローにおいて学術情報をどう活用するかの指針を示す新しい役割が求められるようになってきた。

キーワード: 研究者ワークフロー,学術論文,電子化,図書館,論文データベース,研究戦略,研究評価

「情報の科学と技術」最新号目次より


ちなみに引用部分は研究評価、特にh-indexに関する部分で、

 h-indexには課題もある。例えば、被引用数が高い論文の貢献度が反映されていない、発表した論文数によって数値が左右される、研究分野を超えて比較することができない、などの指摘がある7)

(中略)

7) 佐藤翔. ビブリオメトリックスと研究評価. http://www.myopenarchive.org/documents/view/81 [accessed-2008-10-20].


堀切近史. 特集:e-Researchと学術出版, 研究者ワークフローと論文情報. 情報の科学と技術. 2009, vol.51, no.1, p.23-28.

と言うような感じで、しっかりMy Open ArchiveのURLも掲載いただいています。


現在自分はMy Open Archiveに3本の文献(2本は発表スライド、1本は「筑波批評」掲載原稿)を投稿していますが、この中でも今回引用された「ビブリオメトリックスと研究評価―h-indexと関連指標を中心に―」は大学院の授業での発表に用いたスライドであり、学外の方の目につくような場所ではほかに発表しておらず、My Open Archiveがなければ決して陽の目を見る事はなかったであろう文献です。
それがMy Open Archiveによって多くの人に読んでいただくことが出来、さらには他の方の論文内での引用にまでつながったということは、「眠っている学術論文や研究成果を投稿・共有する」というMy Open Archiveの意義を証明するものなのではないか、と「情報の科学と技術」誌を読みながら一人で興奮していました*1


My Open Archive運営者のid:keitabandoさんには、このような機会を与えてくれる素晴らしい場所を作っていただいたことについて心より感謝したいと思います。
本当にありがとうございますm(_ _)m
今後もまた授業で使ったりなんだりで眠った状態になってしまいそうな資料があれば積極的に登録していきたいと思いますw

*1:もちろん堀切さんの論文本体も大変面白いものであるので、「情報の科学と技術」が読める環境にある方はぜひ一読されることをおすすめします。自分としては「はじめに」の中で研究機関の図書館について書かれた、「電子化した学術論文情報をどう研究活動に活用するのかについて、研究者に助言する役割も求められるようになりつつある」というところは強くプッシュしたいです。堀切さんの論文に書かれているような内容を踏まえて、より積極的に研究活動のサポートやアドバイスをする役割の人が今よりさらに多く現れ、かつ「サポートやアドバイスをしてもいいし、するべきなんだ」、と言う環境が出来ると研究活動が掛け算的に活発化/効率化するんじゃないか、とかー。