「ライブラリー×ウェブの力を飛躍させる」:Code4Lib JAPAN Lift Off
8/28開催のCode4Lib JAPAN Lift Offに参加してきました!
- Code4Lib JAPAN 公式サイト・ブログ
Code4Libは、アメリカを中心に活動する図書館関係のプログラマ、システム技術者を中心としたコミュニティです。Code4Lib JAPANは日本支部となることを目指す団体です。
Code4Libは、図書館の情報技術活用に関するエキスパートたちの集まりですが、Code4Lib JAPANでは、日本の図書館における情報技術活用の停滞という現実を踏まえ、エキスパートに限らず、一般のライブラリアンに広く門戸を開放することで図書館における情報技術活用を促進し、図書館の機能向上と利用者の図書館に対する満足度向上を目指します。
来たる8月28日(土)に東京都内でCode4Lib JAPANの結成記念式を行います。題して、Code4Lib JAPAN Lift Off。どなたも自由にご参加いただけます。まだ暑い時期ではありますが、ぜひお越しください。
《プログラム》
- ミニ講演「Code4Lib JAPANとは何か」(丸山高弘)
- 事業説明
- 運営事業(岡本 真)
- 研修事業(林 賢紀)
- 派遣事業(高久雅生)
- 認定事業(岡本 真)
- 提言事業(阪口哲男)
- パネル討論:「日本の図書館をヤバくする−ライブラリアンへのメッセージ」(丸山高弘、岡本真、米田渉、阪口哲男、高久雅生、常川真央)
- 開催前/後の個人ブログ等での紹介(強調はmin2-flyによる)
岡崎市立図書館の一件以来、司書のITへの対応力が問われている。
曰く、
- 図書館の本業は蔵書の貸し出しであり管理、あるいは子どもへの本の読み聞かせ
- システムに関する知識を個々の職員に求めるのは酷
- 司書は文系が多いから仕方がない
- 図書館では専門的な知識を有している人が乏しい
これらの発言に悪意は感じないし、仕方のないことだと思う。「本が好きだから」司書を目指し、職に就く者は多い。「ITがすきだから」「パソコンが好きだから」図書館で働く,という話は聞いたことがない。
しかし、図書館員はもうITの力なしでは業務はできない。カード式目録と膨大な冊子体の索引誌で文献を探す時代にはもう戻れない。書庫に眠る壁一面のChemical Abstracts(化学系文献の索引誌。年52冊+Index。1907-2009刊行)を繰る者はいない。我々はITがもたらした恩恵からは逃げられない。何より、利用者はそれを求めてはいない。図書館はもっと便利であれと言うだろう。
ならば立ってみようじゃないか。デジタル情報の最前線とやらに。そこに情報があり、利用者が欲するなら分類整理して提供するのが司書の仕事ではないのか。必要なツールがないのなら、自ら作ろうじゃないか。かつて様々な文献目録を編み、必要な書誌情報を一枚のカードに納めて見せたように。
私たちは、日本の図書館にICT技術を担える人材を増やしていく事で、とかく諸外国の図書館から何年、何十年も遅れている…と指摘されがちな日本の図書館に対し、いやそうじゃないんだ。スキルを持っている人材も居るし、ちょっと背中を推してあげれば大きく成長する人材も決して少なくないんだ…ということに気がついたのです。
そのための団体を組織しよう、孤軍奮闘している人たちをネットワークし「一人じゃないんだよ」感をもって日々の業務にいそしんでもらおう。そしてまた、普通にウェブにあるサービスも図書館に取り込めばコストもかけずにこんなことまでできるんだよ?を体験/体感して欲しい。さらに図書館の管理職の方や上層部に対しても、あまたある民間のインターネットサービスを公的機関でも取り入れても大丈夫。と言って上げたい。
ぜひ、私たちの活動に注目してください。
そして、一緒にこの日本の図書館を、ICTで変えていきませんか?
これにて本日から任意団体Code4Lib JAPAN準備会は、任意団体Code4Lib JAPANへと移行。
- 当日の映像(Ustream)
すでに3日も前の話になってしまいましたが・・・(苦笑)*1
図書館退屈男さんも言及されているように、岡崎市立図書館の事件(いわゆるLibrahack事件*2)で図書館員のICTスキルの欠如が注目されているところでもあり*3。
そんな中で図書館のICT活用について扱うというCode4Lib Japanの活動には前々から大きな期待を持ってはいたのですが、今回Lift Offに参加してきてあらためてその思いを強くしました。
と、まあ前置きはそのくらいで。
では以下、いつものようにメモです。
例によって例のごとく、min2-flyが聞きとれた/理解できた/書きとれた範囲の内容となっております。
ご利用の際はその点、ご理解いただきますようお願い致します。
加えて、本イベント中での全ての発言は所属組織を離れた、個人としてのものである旨、開始前に主催者の方よりご説明がありました。
その点にも御留意いただきますよう、お願い致します。
また、誤り・問題等を見つけられた場合には、コメント欄等を通じてお知らせいただければ幸いです。
Code4Lib Vision:デジタル情報の最前線に立ち向かう図書館員へ(Code4Lib JAPAN代表:丸山さん)
- 日本の図書館界が揺れ動いていたり、デジタルの動き
- 新しい図書館づくり/未来に向かう図書館づくりに何が必要?
- 日本でもできることがあるのではないか?
- Code4Libとは?
- アメリカを中心に活動する図書館関係のプログラマ、システム技術者によるコミュニティ
- Code4Lib | We are developers and technologists for libraries, museums, and archives who are dedicated to being a diverse and inclusive community, seeking to share ideas and build collaboration.
- 作ったものを見せ合ったり情報交換し合う場
- メーリングリストからスタート⇒実際に集まるようにも
- 協会があったり学会があったりするものではない
- Code:コーディング
- 4:for
- Lib:Library/Librarian
- アメリカを中心に活動する図書館関係のプログラマ、システム技術者によるコミュニティ
- Code4Lib JAPANとは?
- Concept:日本の図書館をヤバくする集団
- 日本の図書館は閉塞感がある
- 多くの要素を十分に生かし切れていない手詰まり感
- 何か面白いことをやらかす集団としてC4L JAPAN
- 日本の図書館は閉塞感がある
- Vision:ICTに明るいライブラリアンを全国に展開したい
- Mission
- ネットワークづくり
- 一人で頑張るだけでなく、全国にたくさんの人がいる
- その中で切磋琢磨、技術交換、情報交換
- できるだけ門戸、すそ野を広くしたい
- 人づくり
- 環境づくり
- スキルを持った人は既にいる。図書館のwebもある。しかし何故かできないところがある
- ブログ更新1つに決済がいる、余計なことができない等。心配する管理職、上層部
- そういう人たちに日本の図書館を面白くすることを考えてもらうには、現場だけではなく管理者、教育委員会や首長への啓発活動がいる
- 行政的な活動も含むが、もう1つのポイントは図書館のwebシステムに共通の仕組みを持たせること
- ネットワークづくり
- Action
- Code4Lib JAPANはこれからの図書館を面白くしてくれる人の集まり
- 閉塞的な日本の図書館を打ち破ってくれることを目指したい
- 日本の図書館は遅れているとよく言われるが・・・
- ICT利活用はまだ手遅れではない。山中湖でやっているような取組みは遅れていない
- 今、手を打たないと手遅れになる? 日本は遅れているのではなく活用の場がなかった?
- プログラミング:考える力、コーディング:実現する力
- 実現する力を持っていきたい
- 「図書館」という言葉の罠・・・利用者も「図書館」の壁を持ってしまう
- 図書館≠Library
- 「Library」の方が多様な形態、内容に対する寛容な言語概念。それを提供していきたい
- 個人的な思い:
- 何人かの人に図書館でコンピュータを使って何をしたいか聞いて見た・・・
- プログラミングだけではなく、Wordで格好いいちらしを作りたい、というような話も
- いずれはcomputingだけでなく、designも日本のlibrarianに身につけていってほしい
- 何人かの人に図書館でコンピュータを使って何をしたいか聞いて見た・・・
- これからセミナー、研修会、発表会等も行っていく
- どうぞご参加を!
Code4Lib JAPAN 事業説明:Code4Lib JAPANの事業計画とは?
運営事業について(岡本さん)
- Code4Lib JAPANの設立メンバーは11人いる
- その11人で5つの事業を分担
- 運営事業:持続的な組織づくり
- 組織づくりはこれまで岡本はしたことがないが、今回に関しては継続性のある、一過性ではないものにしたい
- 振興財団への助成申請でも法人化をにらむこと、次年度以降は自力で採算を立てることを考えている
- 発足:江草さん、高久さんによる本家Code4Libへの参加報告会がきっかけ
- 当初はノリ。これまでは準備会だが、本日付でCode4Lib JAPANとしてスタートする
- サポーター=個人会員、スポンサー=法人会員を募りたい
- 組織を維持するには金がかかる
- 皆様から少しずつ助けを借りてやりたい
- 個人会員:年額2,000円/参加費の割引、提言事業について先に見られるように
- スポンサー:年額10万円くらいから集めたい
- 事務局:ARG*7が現在は委託を受けている。Code4Lib JAPANは全面情報公開していこうと考えている
- ARGは月額15万円で委託をうける。しずくラボも同じように仕事を受けている
- 今後の法人化もNPOまたは一般社団法人となることを考えている
- メーリングリスト、公式サイトがしずくラボへの委託。月額10万円
- 振興財団からの助成は850万円。環境構築に用いる。
- 研修環境の充実した図書館に出会ったことはない。インターネットの活用がテーマなのに使えない、というような矛盾
- 300万円以上かけて山中湖/横浜に機材を用意、声がかかれば全国でも機器を設置して講習会をいつでも出来るように
研修事業について(研修事業グループ:林さん)
- 何を研修するのか?
- 対象者:色々なレベルの人がいると思うが・・・
- コンテンツ作成コース/サービス構築コース/テクニカルCamp
- コンテンツ作成コース:
- サービス構築コース:
- 今あるものをサービスとして提供していいく方法を学ぶ
- HTML, CSS, JavaScript, Perl, PHP等のコーディングが中心
- 一から書くよりは今あるものを書き変えるような内容が中心?
- テクニカルCamp:
- 研修と言うよりは情報交換
- みんなで合宿、作ったものをレビューしてもらって意見交換をしたり情報交換をしたり
- みんなの知恵を借りて色々なものを作ったり、新たなサービスについて布教したり
- 当面の予定:
- 第1回WS:9/24-25@山中湖情報創造館
- Code4Lib JAPAN Meeting & Exhibits 2010:11/24(水) 10:30-12:00 事業説明、Campの紹介、パネルディスカッション
- 各種学協会、関連団体への講師派遣等
派遣事業について(派遣事業グループ:高久さん)
- 派遣事業概要:本家のカンファレンスに人を送り込みたい
- 人を送りこんで何をやる・・・情報交流と日本の活動の紹介、海外の先進的な活動の持ち帰り
- Code4Lib2011・・・2011 2/7-10にインディアナ州で行われる
- 詳細は未定だが、Code4Lib Campの中で出てきたサービスで交流に適したものについて関係者を派遣したい
- 派遣者へのサポート内容・・・参加費、交通費、宿泊費等の助成. 行くだけでなく発表、海外のlibrarianとの交流も
- Code4Libとは?(あらためて)
- coders for libraries, libraries for coders
- 2003年ころからこの名前で活動
- 2006年から毎年カンファレンスを開催
- 本家は学術雑誌に相当するような雑誌も2007年から刊行
- 昨年度のCode4Libカンファレンスは・・・
- Code4Lib2011・・・学生街で開催
- 派遣対象者もぜひ楽しんで欲しい/いろんなものを持ち帰って
認定事業について(認定事業グループ:岡本さん)
- 他に手を挙げる人がいなかった事業(苦笑)
- いいものを作っているからには誰だって褒められたい
- 駄目なものは駄目ということも大事だが、感動したものは褒める、あるいは素直に凄いといいたくなるもの
- それを少し形にする。一方的に表彰・認定されてどれだけ喜ばれるかはわからないが、「これは凄い」と言われれば現場のlibrarianが上司から「凄いことをやっている」と思ってもらえる、あるいは首長・議員から認知されるのでは。
- 現実的にものを進める上で、賞を出すのは価値がある
- グッドプラクティスをどんどん認めていく、「これは凄い」と思ったものを認定して行く予定
提言事業について(提言事業グループ:阪口さん)
- 提言事業とは?
- 共通API仕様
- 共通API仕様の動きは世の中に既にある
- サービス提供における安定・安心の確保
- ガイドラインを文書化して、みんなで情報共有してやるなど
- 相談するときにもそれにのっとってできればいい
- 「たまたま知っている」から「皆が知っている」にしたい
- 「このガイドを見ればいいはずだ」くらいは知っているように
- 提言事業の進め方
- 現在:テーマの洗い出しと優先順位の検討
- 手始めはJangleの邦訳?
質疑応答
- 岡本さん:11人じゃ回して行けない。どしどしアイディアをいただきたい。Ustreamでご覧の方の質問も受け付ける。
- Q:提言事業について、#librahackの件でもいろいろ発言しているが、カーリルでも色んなベンダーと話をしていて、ベンダーもレベルアップを図らないといけないと考えているという。今後、ベンダーとのつながりはどう考えている?
- 岡本さん:では阪口さんから。Code4Lib JAPANとして決まっている公式見解があるわけではないが・・・
- 阪口さん:ベンダーサイドが事実上いない。しずくラボ*9も限りなくユーザに近い。今後、スポンサーという話ともまた独立して、ベンダーにも声をかけて相談にのっていただくかと思う。ベンダーはベンダーで技術情報をどれだけ出せるかの縛りもあると思うので、オープンにやりたいというこちらの意向とどうなるかはわからないが・・・
- 丸山さん:公共図書館で仕事をしていると、ベンダーのシステムを現場の図書館員が直接いじるのは無理。各ベンダーが共通のAPIを出してもらえれば、現場でこういうものを作れる、みたいなことはできる。ベンダーが作るシステムに直接介入するのではなく・・・ベンダーに対して切りだしたいことがあるときに対応できるものがあるといい。ちょっとブログが書ける程度でもいけるんじゃないかと思うが、今後はベンダーの方にも参加はして欲しい。ベンダーとの交流が現場ではなくて、そのせいでお任せしてしまって悲しい出来事も起こったが・・・Code4Lib JAPANにはベンダーからも参加いただきたい。
- 阪口さん:ベンダーとは距離を保って、という意見もあるが・・・癒着は良くないが、提言してもベンダーが受け付けない、というのでは問題。距離感は難しいが・・・私が図書館システムについて入札にくる業者と詳細に打ち合わせるのはまずいかも知れないが、ベンダーとの連携はある程度必要だし、絵に描いた餅になっては意味がない。その辺は考え方もあるだろうが
- 岡本さん:Twitter経由での質問。Digital Humanitiesの永崎さん*10からの質問。図書館システムの仕様書の書き方についてのコンサルティングみたいなものはする予定はある?
- 林さん:仕様書の書き方は色々ある。何回も書いているが、最近の変化としては総務省からIT関連の調達には、ベンダー名を書くことは出来なくなった。かと言って、全くフリーダムに書くと有象無象の業者も来る。色々と考え方はあると思う。ということを、研修で取り上げることはできるが、そのあたりは個別の事情もある。私立だとcompetition形式で仕様書がないということもあると聞くが、公共機関は競争入札が前提だったり。そのために必要な仕様書の詳細などもご要望いただければ、話せることはあるのでは、と思う。
- 阪口さん:仕様書を書くとなると、提言事業としてガイドラインを書けるのかはわからないが、APIの仕様についてオープンにしておくことで、仕様書にそちらを参照していただく、ということもできるのではないかとは思う。
- 岡本さん:研修事業そのものについてプランはいくつかあるが、基本的には要望があればカスタマイズして対応していきたい。活動する以上はlibrarianの力になれるようなところに出ていって仕事をしたい。図書館関係の団体・企業さんからお話をいただけることは歓迎する。また、各種の研修事業は基本的には有料でやる。参加費1-2万円は取る予定。身銭を切ってもらう。カスタマイズした研修でも、我々に対する謝金等はいらないが、我々の枠組みで参加費を徴収させていただきたい。それが持続的な団体になるために必要かと思う。
- Q:図書館学を教えている。librarianのためにカリキュラムを作成しているというが、作成し、履修した後、「この図書館ではこういう人が履修した」ということで、なんらかの国家機関なり文科省なりとつなげて、履修の証明を出す方向に持っていく? それを是非やって欲しい
- 林さん:1つの案として、この活動を図書館関係の団体、JLAや日本医学図書館協会などの資格要件に加えて貰えないか。そういうところに活動を認知していただいて、そうした資格にプラスになることを広めていきたいし、活動そのものを研修に取り込んでもらう、ということはあるかと思う。求人募集で有利にできるようなところまで一般化できるといいが・・・そういう意味では大学図書館支援機構が目録関係の資格試験等も行っているが、そういう試験形式を取るか、医学図書館協会のようなポイント制にするかなどはディスカッションしていく
- 丸山さん:受講者についてはこっちから証明のようなものは発行して行きたい。エプロンにバッジとしてつけられるようなものを出したり。図書館そのものが発展していくビジョンもあるが、図書館員1人1人が自分のスキルを身につけて、それを色んな図書館で発揮する時代にもなるのではないか。そういう団体にしていきたいし、受講したことを誇らしく書いてもらえるような団体にしたい。
- 岡本さん:研修事業について、私は受講者を容赦なく落第させるかわりに、通過した相手は推薦状を書くことも約束している。そのようなサポートでもいいかとは思う。
- Q:研修制度について、1人1人のライブラリアンのスキルアップの話とは相反するかとも思うが、研修を現場からお願いする立場から考えると、文科省やJLAの認定研修会であることは判断基準として必要。医学図書館協会の定例的な研修は、うちの大学で公費で派遣することはできる。しかし同じくらいの認知度のある、医学情報サービス大会等は研修のお金は出せないと言われる。協会の後ろ盾が求められる。結局のところ、librarianの管理職がいるわけではない場合、内容に基づいた判断は出来ない。長期的な研修として確立させることを考える際には
- 岡本さん:Twitterから。Good practiceの数をどれくらい考えているかとのことだが、数はまだ考えていない。数を絞ることではなく、これはいいと思ったものは認定して知らしめたい
- 岡本さん:仕様よりも書誌データベースのオープン化の方がいいかと思うが、そういうことを働きかけたりは?
- 阪口さん:そのとおりであるので働きかけたい。なぜオープンになってないのか、と思う立場。図書館システムのリプレースで困るのはデータの移行。技術的な縛りと言うか、人質に取られる。そういうところでも役に立つような、共通の枠組みを提案する実質的提言ができるとハッピーだが、どこまで出来るかは手探り
- Q:意見。書誌データベースの話が出たので話したいが、出版業界もそれなりにオープンな環境を作ろうという努力は遅々として見えるかも知れないが進んでいる。
- 日本出版インフラセンターというところで近刊情報を書店に送り届ける取組みをしていて、講談社、小学館、集英社がAmazonに対して送り始めている。
- 版元ドットコム*11かAmazonでテストしていて、いずれは全書店、中小書店も対象に。そうなればアクセス制限をかけないwebサイトになると思う。XML仕様の情報になるので、それを取ったりDB化すれば近刊が見えるようになる可能性がある。
- それから、NDLがJapan MARCを発行直後にオープンにすると言っている。分類番号はないというのが批判されているが、これだけネットワークに詳しい図書館員がいるのだからNDL MARC作っちゃえば立派なMARCができると思う。他に雑誌協会でも2011年1月から、8誌程度で紙と同日の電子配信、外国語・障害者対応可能な電子雑誌の配信実証実験をやろうとしている。後ろでテキストを持っている、ということを目指すはず。そうしたこともうまく皆さんの取組みで使えるのではないか。
- 最後に、今年度中にNDLが本の全文検索と一部表示を実現する実証実験を出版者の立候補制でやる。どこまで応募するかはわからないが、来年度以降それが続くのかはわからないが、年度内はNDL内で検索できるもの。その次の段階で考えているのはネットワーク上で、Google Book SearchのNDL版を作りたい、という取組みをやっている。ポット出版もやっている。これは日本の主要な出版者も入るだろうし、実現すべく取組みが進んでいる。色々、皆さんの取組みに使えるネタが増えると思う。ぜひ、出版業界のオープンな取り組みにも注目してほしい。
- 岡本さん:図書館と出版社業界のインフラ、橋に我々がなれればと思う。
- Q:ベンダー。Code4Libに参加して、どういう形で関われるかを考えていた。個人での参加ということもあるが、私自身図書館職員ではないので、結果に対しての公開、発表の場はない。間接的にお付き合いのある図書館さんとやっていくのはいいが、会社の仕事との両立が難しい。そういう中でどういう参加をしていけばいいのかのアドバイス、あるいはアメリカ等でベンダーも入っているならどうかかわっているのか教えて欲しい。
- 高久さん:私自身もアメリカでの状況を完全には把握できていないが、アメリカでの現状で日本とかなり違うのは、アメリカは図書館がエンジニアを雇って、システムを開発している。状況はだいぶ違うのかと思う。システムの更新でも図書館員自らがデータを抽出し移行作業を進めると言うような報告もあがっている。幸いにして、あるいは不幸にしてか微妙だが、日本国内ではそのような状況は生まれていない。ベンダーそのものがCode4Libの活動に参加することもあるわけで、データ形式の提言事業等でもあるのではないか。
- 林さん:イスラエルにあるEx-libris、あるいはほかのベンダも、APIや仕様を可能な範囲でopenにして、ユーザがカスタマイズできる範囲はベンダが応援する、実際にベンダ主催のコンテスト的なものも開催されている。そうは言ってもベンダの掌の上ではあるが、ベンダに一定の仕様公開や自由度を与えてもらってユーザが使う、というような・・・そういう形でのユーザサポートも当然あるだろうし、APIなり仕様公開をして、というのもあるのでは。
- 岡本さん:あとはCamp等のイベントで成果発表をしていただいてもいいだろうし、社名で問題がある場合にはサポーターとして発表して貰えれば。
パネル討論:「日本の図書館をヤバくする:ライブラリアンへのメッセージ」(丸山さん、岡本さん、米田さん、阪口さん、高久さん、常川さん)
- 岡本さん:パネル討論と言っても積極的に会場の突っ込み歓迎。なるべく来場者と意見をシェアしたいので、パネリストは140文字で回答するような意気込みで
- 岡本さん:まず「日本の図書館をヤバくする」というメッセージ、この「ヤバくする」ってどういうイメージなのか>丸山さん
- 丸山さん:これはリゾート業界の方が「日本の観光をヤバくする」といっている。ある意味、日本の図書館は既にヤバい状態。委託や指定管理等。そんな中で、図書館って本来どうあるべきかと考えると、本だけでなくあらゆるメディアを対象とするものと考えると、「図書館」ということで本と言うイメージが強いが、ICTでそれを破れないか。そういうものを活用できる人がたくさん出てくることで、世界的にも「日本図書館ってヤバい」と思ってもらえたら。
- 岡本さん:これが我々のビジョンだが、設立総会だからって温かく見守る必要はない。「寝言いってんな」と思うような方もいるかとは思うが、会場の方でお感じになられた点があれば。
- 会場:いつも丸山さんがおっしゃる通りのことを現場で感じている。私はICT技術をどんどん教えて、風穴をあける必要があるのではないかと思う。
- 岡本さん:会場は図書関係が多いかと思うが、コンピュータ分野の大向さん*12に、ご覧になっていて思うところを、率直に。
- 大向さん:文句を言うつもりはないが、仕様書の話はimpressive。僕もCiNiiは僕がcodingしているわけではなくて、仕様書のパワーは凄い。書いたことは実現するし、書いていないことはひっくり返すにはパワーが要る。それが民間と公共の違いで、仕様書のパワーはやってみると凄く思う。じゃあ、どういう・・・仕様書だけに関わらないが、それを書くのにどんな知識がいるとか、検索はどんな仕組みで動いているから1アクセス/秒じゃだめとか色々ある。知らないでコンピュータならなんでもできると思うのも、知らないから全然書かないのも問題。いろんな事業に関連するとは思うが、今までずっとシステムに強くない人が担当しているから良くないと言われる、それに対抗するコミュニティを作って、たまたま出来たっていうのではなく誰でも、っていう風に話を持っていけるといいのではないかと思う。
- 岡本さん:このテーマで話をする以上、岡崎市の話は踏み込まざるを得ないだろう。先にバックグラウンドを確認したいが、岡崎市立の図書館で機械的にアクセスした人が逮捕された事件を知らない人は…いない、と。朝日新聞も報道したしご存じだろうとは思う。この話題をメンバーに聞きたい。私自身は悲劇だと思うが、我々は何が出来るのか? 問題は多いが、これによって図書館バッシングの流れになると困るということもある。何かしないといけないわけだが、何ができる? まずは同じ立場にいらっしゃる米田さん。
- 米田さん:情報発信という意味では、岡崎の件は最初は「どうよ」って思っていたが、今起こってもおかしくない問題。仕様と言うレベルでも考えていかないといけない。技術的なところをどこまで我々が知っているかといえば、悲しいかな、ベンダーの諸々のシステムが、公共ではパッケージになっていてブラックボックス。仕様をいくら書いても、最終的にはパッケージとカスタマイズの整合があわなかったりもして、最初は大丈夫と言っていたのが駄目と言われたりもする。1館が仕様書を書いてシステムを入れても繰り返しになる。提言事業でそこら辺を、ここまでいけるということを出していければいい。そういったところで考えていきたいとは思う。
- 常川さん:端的に言えばAPIのような開発者向けの対策をすることが重要。一緒に扱ってしまうと、大量のアクセスが来たときに、開発者向けの切り分けで対処ができないと、提供しないと危険なのではないか。システムやプログラムのことを勉強しているが、Twitterのようなサービスでもちょっとでも停滞したらAPIを止める。開発者用の窓口を用意すれば制御しやすくなるし、開発者は必ず登録しなければいけないので約束をするとか、そういうことは善良な開発者なら守ってくれるだろう。ちゃんとメッセージを出すことが大事なのではないか。それを無視する人は使用させないようにする必要はあるし、そこは分けていかないと。
- 会場・ユビキタスネットワーク研究所の方:岡崎市の事例は図書館側の知識不足で、1足跳びで警察に相談してしまった。研修事業でアタックが起きたときの相談をやってはどうか。
- 丸山さん:現場の図書館の指定管理者をしているので、いつ自分が岡崎の館長のような立場になるかと考えてしまう。公共図書館でアクセスログをきちんと見て分析しているようなところはあまりない。図書館の利用に関するマーケティングデータをどう取るか、ということで勉強しないといけないことがあるのに、それを業者任せにしてしまった。岡崎はそれが悲しい形で表出してしまった。Code4Lib JAPANの研修では今の図書館サービスで使われているWebとその中での課題についても扱いたい。図書館にICTが入ったことで起こりうる問題、可能性にもアグレッシブにチャレンジしたい。
- 会場・カーリル開発者の方:岡崎市の件はカーリルとしては身近な問題。カーリルやる上で岡崎市とも三菱とも事件前からやり取りしていて、その中で印象的だったのは、「みんなこんなに問題になっているが、いろんな図書館に改修であいさつに回ると、カーリルが思うほどうちのシステムを使っている図書館は関心がない」という。そういうところでCode4Lib JAPANに期待できないかと考えている。Code4Libはできることがいっぱいあると思って協力もしたい、期待している。
- 会場・佐藤(min2-fly):今の話しの流れだと、こっちを見向きもしない図書館員にどう活動の端緒を作るか、みたいな話も必要かと思うのだが・・・(自分の質問なので正確なメモはないよ!)
- 高久さん:新しいサービスを実際にやってみる、とか
- 丸山さん:出来る人はいるけど図書館としてできなかったり。首長さんや教育委員会に働きかける、とか。
- 会場・図書館員の方:コンテンツの方面について。観光資料の提供など。
- 丸山さん:9/24-25にWSを行う、テーマはdigital archive. もちろんホームページとしてもできるし、それをarchiveとしても提供する。ネット上のサービスをどう図書館に取り組むか、ということをやっていきたい。Digital archiveを図書館が作ろうとすると予算とかの話が出てくるが、Flickerなら年間2,400円でも容量無制限。個人では使っても図書館で使っていなかったりするが、図書館でこういうこともできる、みたいなのをやりたい。図書館のwebにGoogle mapを埋め込むようなことも技術的にはできる。Path finderも他にも。公のサービスでやるには乗り越える壁がいくつもある、それが眠っているライブラリアンとも呼べるわけだが、その後ろ盾になっていきたい。そういう中で事例や知識を共有するのが活動の中心にもなる。技術だけでなく、技術をどう取組みに活かすのかというところも忘れずにいきたい。
- 常川さん:提言事業でもコンテンツについては扱っていきたい。コンテンツを作っている方はたくさんいるが、利用者に届かない。APIで、近くの図書館から観光資料を取りだすアプリが出来たりすれば、観光資料の提供が大きなサービスともなるかも。今あるサービスのパイプ役と言うか。先ほどのJangleもそういうパイプ役を担うもの。書籍だけでなく観光資料や何かも使えるシステム。そういうパイプを作る、そこに新たなサービスを行うような提言事業も行いたい。
- 米田さん:個々の図書館がコンテンツをdigitalで出してもシステムに依存したり構造化されていない、という問題はある。各館が要求仕様書をしっかり書いてシステムを作っても次に続くかわからないとか、入れても情報デザインに隠れるとか。1館ずつが仕様書を書くものを超えないといけない。パッケージも、安いのはいいが、個々のページが個性豊かでもOPACは一律。そういうのがおかしいんだ、ということを提言していければいいのかと思う。
- 会場・大学図書館の方:Code4Lib JAPANでコンサル事業等は今後考えていく? 研修等をやれば図書館員もやるようになるだろうが、中には自分たちで気づけない部分もあるだろう。幅広い目線で見てこられた方がコンサルとして事業やコンテンツの提言をしたり、仕様書についても「ここが抜けてる」などを指摘できる事業も展開の一つとしてありそうだが。
- 阪口さん:来てもらって研修したり提言だけでなく、実際に各館の事情に応じて相談にのることもあるかと思う。会員向けにコンシェルジュサービスを行うとか、アイディアの段階だが出ている。コンサルというほどではなくても相談にのることは我々としても可能と言うか、そういう視野を入れた方がいいかとは思う。ただ、気になるのは、仕様書についてはやっている最中に外に見せて大丈夫か、という問題はある。私なんかは大学で大きなシステムを入れるとなると、海外メーカも参入できるようにと、導入説明・意見収集・仕様書案作成・意見収集・最終確定、みたいなことをするが、小さいところだといきなり仕様書が出たりもする。そういうところはうまくやっていかないといけないかと思う。
- 岡本さん:口コミマーケティング協議会、と言う活動もしていて、そこでは相談事業もやっている。例えばブログの口コミマーケティングでどこまでが倫理的にOKか、という的にちょっとした悩みを相談に持ち込んでいただいて、持ち込んでいただいた企業は賛助会員になってもらう。ちょっとした事前相談ができれば、それを一言相談できていれば、岡崎のようなことはなかったと思う。まずは初期相談ができる場でありたいし、逆にそこで受けた相談をもとに「〜の会社に相談してみては?」みたいなアドバイスもできれば産業全体の活性化もできる。そういうことになれば、みんなで日本の図書館をヤバくすることができるのではないか。
- 岡本さん:こちらからの指名で、マエダさんに。以前から大学図書館で活動されてきているが、我々の活動はどう思う?
- 会場・マエダさん:ハードな、技術屋同士のコミュニケーションを期待していたので少し驚いたが、テクニカルCampがあるようなので良かった。その気になれば誰でも作れると思うので、そういうところをもっとやれば。
- 岡本さん:Geekな人も大切だが、一方で図書関係のGeekはみんな知り合いみたいな村のようなものだし、それだけだと啓発の問題、広がっていかないので両方を見ていきたい。同時にどっちつかずにもなりうるわけだが、最後、丸山さんから。
- 丸山さん:アメリカでCode4Libが誕生した背景には普通の図書館はFacebookやMySpaceをやっていたり、Second Lifeで何かやったりと、広がっている中でさらにとがったGeekの集団として生まれたのだと思う。日本はまだ普通の図書館がサービスとしてブログをやるところにはなっていないが、1人1人はちょっとやればできる。その後押しをし、活動しやすい場を作ることが今の段階ではいるかと思う。Geek向けの研修も企画しているが、本当に日本の図書館員って凄いな、というような場を提供できればと思う。今回のlift-offというのはスペースシャトルが宇宙に行くときに使う言葉だが、公共・大学・学校・専門図書館やMLA連携の中でどうなっていくか、そういうところで僕たちの活動がICTをテーマにしながら広がる母体として、Code4Lib JAPANがアメリカとはちょっと違った展開としてできるかと思う。最初なのですそ野を広くすることと、とがった連中の面白さを伝えたい。
- 江草さん:アメリカのCode4Libに参加して、日本のGeekな層に活発なコミュニケーションができるほどのコミュニティがあるとは言えない。面識はあってもお話したりする関係にはなれていない。自分をGeekと思っている、あるいはほかの人から見たらGeekだけど「私なんて・・・」という人は日本にはたくさんいる。そういう人が集まって話をするコミュニティははっきり言ってない。気軽に話が出来る人もいるが、孤立している人もいる。すそ野を広げると同時に、できるけど孤立している人も含めて気軽に話をできるようなコミュニティができたらいいな、というのが希望。そう持っていきたい。
- 高久さん:〆。派遣事業に近い観点で、昨年のCode4Lib Conferenceで印象に残ったのは、日本のlibrary geekも捨てたものではない。我々だっていいサービスができている面はある。アメリカに学びに行くのではなく、アメリカの人に教え、何かを持ち帰り切磋琢磨しお互いにプラスの方向に行きたい。次の図書館サービスを作るのは私たち、というところで〆たい。
メモ以上。
全体を通じて、幾度も話題になっていましたが、本家Code4Libが図書館系geekの集まりであるのに対し、Code4Lib Japanはそれだけでなく研修・提言事業も手掛けていく、という点が大きな違いであるのかと思います。
質疑・ディスカッションもどちらかと言えば後者の機能への注目が大きいですし、自分からの質問もそちらよりなわけですが・・・一方で、それらの事業を手掛ける意味でも、あるいは江草さんがおっしゃるように実際はいるはずである図書館系geekを孤立させない意味でも、geekのコミュニティ作りと他の各事業を如何に並行させていくバランスが重要そうです。
と、なんか他人事のように書いてますが、とりあえず自分はこのエントリをアップし終わったらCode4Lib Japanへの参加を申し込もうと思います*13。
理由は色々ありますが、一番はやはりLibrahack事件のことがあり*14。
1つには、Lift Off中でも言及がありましたが、事件発生当初から、なにかシステム関連のトラブルがあったときに、いきなり警察に行くのではなく図書館員・図書館系の方々比較的気軽に相談できる場があればいいな、と思っていたことがあり。
大学図書館で盛んな機関リポジトリ等の取り組みにおいてはデジタルリポジトリ連合=DRF*15がそのような機能を果たしているのを見ていたこともあって、大学図書館に限らず、かつ特定のトピックに限らず、広くそのような役割を果たせるものがないか・・・ということを考えていて。
Code4Lib Japanはそれを果たすものになり得るだろう、という期待があります。
他にはもちろん自分がシステム系のことを聞ける場が欲しい、ってなこともありますが(笑)
9月の情報創造館でのWSは地理的に参加が難しいですが、総合展初日1発目のフォーラムはなんとか参加できそうかな・・・
*1:ちなみにアップが遅れたのは、8/28はその後に友人との飲み会が、29-30には研究室の合宿があったためです
*2:詳細まとめは数多ありますが、図書館系の方によるまとめとしてはともんけんウィークリー: Librahack事件と図書館の責任などがまとまっているかと。他はid:otsune氏のはてなブックマーク(はてなブックマーク - otsuneのブックマーク)を#librahackで検索すると関連情報がまとめて入手できそうです
*3:もともとは高久さん/江草さんの米国Code4Libへの参加がきっかけの集まりなのでLibrahack事件に直接対するものではないわけですが
*7:ACADEMIC RESOURCE GUIDE (ARG) - ブログ版
*8:株式会社カルチャー・ジャパン|JCC| 本の保管/図書館総合展
*9:スズキ建設工業株式会社|建築一式工事|給排水衛生|消火設備|冷暖房設備|設計施工|建築リース工事|兵庫県明石市
*10:http://nagasaki.ypu.jp/~nagasaki/
*13:もっとも自分はgeekでもなんでもない、プログラムとか研究用に使うものしか書かない人間ですが
*14:ただ、これは個人的な見解ですが、Librahack事件における岡崎市立図書館の対応の最大の問題は、図書館の存在意義そのものである利用者をまず疑ってかかってしまったことと、経緯が判明してもなお利用者が悪いとする態度を改めようとしないことである、と考えています。このような態度がある限り、図書館員がいくらICTに強くなったところで別の形で利用者との間で不幸な衝突を起こす可能性は残り続けるでしょう。その件については機会があれば、いずれまた別エントリで
*15:http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?Digital%20Repository%20Federation