かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

知の越境、そしてすばらしきムダ知識へ:第二部「そして、すばらしきムダ知識へ」(第十回Wikiばな)


第一部の更新*1から一晩が経ってしまいましたが(汗)、遅ればせながら引き続き第二部「そして、すばらしきムダ知識へ」編です。
個別エントリにわけたので繰り返しますが、メモの内容はmin2-flyが聞きとれた/理解できた/書きとれた範囲のものなので、その点ご了承願います。
特に今回は「理解できた/書きとれた」部分にかなり難があるのでその点、請御容赦。


ではまずはライトニングトークから!



第二部:そして、すばらしきムダ知識へ

ライトニングトーク

私的「好奇心という名の自動車」論(svslab)

  • 突然だが、どのカーレースが好き?
    • 400m直線、楕円周回、サーキット、ラリー
    • 科学をカーレースに例えるとどれだろう??・・・サーキット、ラリーと答える人が多い
    • 好きなカーレースは好きな異性のタイプ、好きな科学は結婚相手に求めるもの・・・というのはうそ
  • 内田さんの本で:
    • アクセルペダルが科学への興味加速、ブレーキは減退させるものという例え
    • それ本当? 科学ってドラッグレース(直線のみ)?
  • 私ならこう考える
    • 最初は惰性で動き、やばいものにぶつかろうとするとブレーキを踏むのでは?
    • 「疑う心」は実はブレーキでは?
  • Normanの3層モデル・・・
    • 行動レベルがアクセル=好奇心、ブレーキ=「疑う心」
    • 最初の入力で「つまらん」と思われるとブレーキかけても意味がない
  • アクセルを踏みたい、というところでつまずいている人が多いのでは?

明日使えないムダ知識(標葉隆馬さん)

  • スライドはあえてなし
  • はじめてWikiばなに参加した。きっかけはtwitterでパネリストの2人と話していたこと
  • ふだんは京都にいるので遊びながら
  • 発表タイトルに誤植がある
    • 「知」の上にヤマイダレが必要
    • 性に関する人文系っぽい話題。スライドをやるとR18になるのでない。
  • いきなりだが・・・オナニー、という単語をご存じだろう。
    • しかし語源を知っている人は少ない(会場にはいない)
    • 語源は旧約聖書、創世記。そのオナンが語源
    • ではオナンは何をしたのか?
      • 奥さんがいたが、もともとはオナンさんのお兄さんの奥さん。当時、ユダヤではお兄さんが早死にしたら奥さんを弟が娶る制度があった
      • 結婚戦略は社会学的に面白い
        • このとき、子供はお兄さんの子供扱いになる。相続権も移る。
        • ので、オナンは子供を作りたくない・・・ので、子だねを地面に流す。そして神様によって死んでしまう
    • 単語だけだと卑猥なこといいやがって、みたいだが、背景は社会的・制度的、あるいは個人の情念があった
      • ヤマイダレの知識にも背景がある
  • 今日のような話はWikipediaにも書かれている
    • 検索している人もいるだろうが、けっこう書かれている
    • 知的にヤマイダレなことを書く、ということ。興味を持った人はいかがわしい方向でなく、インテリジェントに使って欲しい
    • ちなみに合コンで使ったこともあるが相手を選ぶネタ

科学としての言語学高橋征義さん)

ごめんなさい、会場を移動しないといけなかったのでちゃんとメモが取れていません(汗)
  • 日本語研究はどうだった?
    • 1950年、金田一春彦の「国語動詞の一分類」
    • 〜テイル、デイル等の助動詞について
    • いろいろ議論はあるが難しい・・・
      • 金田一は4つに分類するといいのでは、と言いだす
ごめんなさい、早くてメモれないです(汗)

情報から知識へ:編集/キュレーション/共有(岡本忍さん)

  • 自己紹介:生物学をやっていた
    • 6年前から越境して、情報生物学、情報デザイン等をやっている
  • 情報過多の時代
    • ググると554,000件。情報過多
    • ネタが人と被ったり
  • そこでキュレーション/キュレーター
    • 一例:雑誌編集
      • 坂田さん・・・目白で小道具屋等を経営
      • 今までの骨董屋と違う。よくわからん道具を美しい、という審美眼でいろんな影響を与える
    • これを本と言う形式に押し込めるには編集者が要る
      • 芸術/建築/ライフスタイル等、編集によって雑誌が違う
      • 編集者がキュレーター。
  • 2番目:本屋
    • ABC、松丸本舗etc...:色々な視点で本を並べる
      • 並べ方自体に文脈
      • ヴィレッジヴァンアードは並べ方自体をフrナンチャイズ
      • 本屋の店主がキュレーター
  • 情報、知識をキュレーションすることで再利用に向けてシェアすることが大事
    • biologyでもbio curatorというのが出ている
    • 再利用する形でまとめて使うことが大事

AMBACシステム:その歴史と真実(SHIMADAさん)

  • 自己紹介
    • Ruby on Railsのエンジニア
    • WikiばなではRailsなのにデスマっている人だが、払しょくしたい。でもデスマってる
  • Wiki関連では・・・
    • 昔、パラグラフ指向Wikiというのをやっていた
  • 本題:AMBACシステムについて
    • ガンダムの裏設定の一つ
    • アクティブマスバランスオートコントロール、自動姿勢制御
    • 出典:『ガンダムセンチュリー』(1981、みのり書房、最初の版は10万円以上のプレミア)
    • ガンダムのSFを考証する
    • ロボットが宇宙戦闘することを説明するのがAMBAC
      • 腕の先を100Gで移動させることで素早く回転できる
    • 物理学的に考察すると・・・
      • よくわからないが、外から力を加えないと移動できない
      • それを2ちゃんねるで探すと真面目に議論がある
        • もはや宗教
      • Wikipediaは?
        • やはりページがある
        • 「フィクションです」という2007年にあったコメントが、2008年にコメントアウトされていた
  • 考証
    • 人間は上手く腕を使って運動しているが、腕の振り始めには足が地面に踏ん張っている
    • 宇宙には踏ん張る地面がない・・・
    • 科学的な視点を身につけよう

アンチ女子力Hacks:身近な人からプライバシーを守る方法。(横田真俊さん)

  • 前の方々と同じで、内田さんから出ろよ、と言われて出ている
  • 自己紹介
  • 女子力hacksとは?
    • 大好きな彼を落とすためのITハックス
    • 彼の秘蔵画像の検索の仕方とか
    • 携帯を置きっぱなしにするとずっと見られたり
    • 誰が実践するのか?
      • ベネッセの調査では、夫の携帯を内緒で見る妻は6割。調査によって7〜8割になったりも
      • 主婦の6割以上は実践している。メジャーなhacks
  • もちろん本来は犯罪だが、男子の皆さんはやらないだろう
    • 自分の身を守るには・・・回線セキュリティを家でも実践しよう
    • 席を立つときは携帯ロック、PCにはセキュリティ、指紋認証(パスワードは後ろから除かれる)
    • 共有PCやブラウザは使わない
    • 携帯のシークレットモード。ロックをかけると「なんでかけるの?」と聞かれる。シークレットモードもばれる
    • iPhoneのパスワードもばれる
  • 見られることを前提に生活しましょう!

専門知は意外と使われる?!(佐藤翔(min2-fly))

  • 自分の発表の記録はさすがに取れないなあ(笑)
    • あとでスライドはMyOpen Archiveあたりにアップします

存在しなかったプロトコル:ウェブの無駄知識(山田さん)

  • 科学コミュニケーションが今日のテーマだが・・・
    • そのテーマだと外せないのは『存在しなかった惑星』
  • 水星の内側にはもう1つ惑星があるのでは、という科学的な予言があった
    • 結局、それはニュートンの世界観ではわからない
    • アインシュタインの説が出てくるまでわからなかった
    • 世界観が変わると必要だったはずのものがなくてもいい、ということに
  • プロトコルでも同じことが
    • 1990年代末に世界観の衝突と転換
    • 昔々、とあるIETFのIPP WG
く、詳しい話がメモれない速度に・・・ごめんなさい(汗)
  • 結局、どういう話?
    • ソフトウェア世界観とネットワーク世界観の対立
    • 結末はどちらも間違い、webの世界ではURIの方、メソッドではなくURIで保護する方向に

大学生Wikiとの正しい付き合い方(三津石智巳さん)

  • min2-flyの後輩だが、特別な関係ではない
  • ARGのインターンでもある。実はARGはアルコールリソースガイド
  • 研究テーマとしてpingpongプロジェクト等にも関与
  • Wikiにも仮説、実行、検証プロセス
    • 真っ白いフィールドに記法に乗っ取り書くところが困難
    • リテラシ体得には人のWikiをコピペして書き変えさせる、というのがいい
    • 個人ページを作らせて、そこを実験環境として、人の個人ページをコピペして書き変えさせる
    • 日記は毎日、誰がが楽しいことを書くところ。日記があれば毎日、みんなが見に行く
    • 他己紹介Wikiの特徴である編集される痛みに慣れられる
  • Wikiも生態系?
    • まずは人のページを見る観察、それからコピペ&書き変えの訓練でWiki文化に入り、実験するとリテラシーがつくのでは?
    • 大学生らしい話をすると新入生歓迎委員会でこのプログラムを実行
    • 3年後まで同じWikiが使われている
    • でも使えるかを疑うことからはじめよう

ムダ知識との出会いを求めて:ふわっと関連検索(高久雅生さん)

  • CiNiiに収録された大量の論文データベース
    • 専門的な内容も多く無駄知識の宝庫
    • しかし検索窓一つで論文データベースを検索しきるのはふつうの人には困難
  • そこでふわっと関連検索
    • URLを貼りつけると検索に行く。例えばWikiばなのサイトのURLで探すと特徴的なキーワードを切り出して来る
    • Wikiを使った学生の情報共有についての研究報告なども発見できる
    • 昭和基地内の情報共有についての事例報告もある。紀要論文がそれで発見できる
  • web上ではコンテンツマッチ型の技術は溢れているが、論文を対象としたものが普及していない
    • Amazonのお任せなんかとも近いが、こういったものを開発してAPIも提供、ガジェット風に埋め込む機能も作っている

恋愛になんて役立たない性の話(菅野康太さん)

  • 学部時代にはセロトニン神経についてやっていた
    • 院に入ってサイエンスコミュニケーションの話をやるようになり、性について扱う
    • 「恋愛の専門家、性の伝道師」などと呼ばれるが恋愛の役には立たない
  • 遺伝子とは概念
    • DNAのある部分を指して遺伝子という
    • 調節因子の代表格が性ホルモン
  • 性ホルモンについて
    • それによって遺伝子の使われ方が変わるってスゴクね?
    • 遺伝子レベルから変わる、と聞くと異性を理解する気になりませんか?
      • 優しい気持ちになってモテるかも知れませんね

クロージング(shinoさん)

  • 今回の発表者は今月、すごい活発に活動している。その紹介を。
第8回ARGカフェ&フェスト@那覇 2010 6/19(土)
  • 岡本さん:ARGカフェを今度は沖縄でやる。3泊しても5万円以内で沖縄には行けるので、是非来週、沖縄へ! FM那覇さんと協力でコミュニティFMでも流すかも!
パターン祭り2010「AsianPLoP2010の報告と展望」 2010 6/19(土)
サイエンスかカフェにいがた『物語としてのチェス、科学のインフォメーション:来し方の局面を彩った本をチェスになぞらえる、サイエンストーク』 2010 6/25(金)
  • 長神さん:サイエンスカフェ新潟。6/25に僕と内田さんでやる、メインが内田さんで僕はツアコン。沖縄も安いけど新潟はもっと安い。懇親会に参加しても帰れる。是非。
『キミはエンゲルバートを知っているか』次世代メディアセンナー The Future of Digital Contents 第三回 2010 6/28(月)
  • 江渡さん:エンゲルバートを知らない人、是非来て。エンゲルバートはマウスやGUI、集団でコンピュータを考えをまとめる道具として使う、それをネットワークつなげて共同でやるとか考えた人。その影響でアラン・ケイがPCを考えた。PCの祖父と言える。豪華ゲストでやるので、このページにアクセスしてみて。
    • shinoさん:私と江渡さんでやっている企画
『DBSJソーシャルコンピューティングシンポジウム』 2010 6/30(水)
  • 江渡さん:こっちは僕もよくわかっていないが、いわゆる学術のシンポジウムなので楽しい話ではなくwikiを研究対象としている研究者が集まってwikiソーシャルメディアを研究に取り込むにはどうしたらいいか話し合うイベント。ぜひご覧ください。
最後に
  • shinoさん:次のwikiばなについてはこれが終わってから動きたい。
  • shinoさん:wikiばなはブログに感想を書くまでがwikiばな。是非書いて。内容的な〆は皆さんがそこに書かれるだろうから私からは示さない。懇親会で「ばな」をして欲しいので、ぜひ参加を。



ライトニングトークは以上で、その後は懇親会に流れ込み・・・準備参加者の集合が12時で、20時くらいまでやっていたので計8時間の長丁場でしたー。
第二部の感想としては・・・ライトニングトークはなんかやる局面も見ることも増えてきましたが、銅鑼がならされるのは初めて見た・・・しかもチャイナ服着てるし(笑)


また、Twitterでは以前からお付き合いがあったのですが、標葉隆馬さんに実際にお会いして色々とお話しできたのはとても嬉しかったです。
標葉さん、ありがとうございました。


第一部・二部を通しての感想は・・・やー、やっぱネットと電源が使える会場は有り難いですねー(え、そこ?)
リアルタイムブログ更新なんてのもネットがあってこそなので。
それをライトニングトークで紹介したらすぐ確認できるってのも。


さて、2日続けてのイベントレポートもこれまで・・・なわけですが、宣言通り自分のLTをwebにアップもしないと、ですね。
ってことでここ最近、更新頻度の低下が(主に自分に)嘆かれていた当ブログですが、実に稀な連続更新はもう少し続きます。
・・・とりあえず今は寝ますが・・・*2