かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

ブログ引っ越ししたよ

一つ前のエントリでそろそろ移行せな、と言って早速ですが、はてなダイアリーからはてなブログに引越しました。
タイトルは特になんも考えずにそのままで。いずれ「(はてなブログ版)」って書くのがかったるくなったら変えるかもです。
URLとかもまるで熟考せずに決めましたが、それを言ったらそもそものダイアリー版のタイトルだって適当に決めてるので、まあそんなもんかと。
その後10年、かたつむり呼ばわりされることになるとわかっていたら・・・いや、わかっててもたぶんあんなタイトルにしただろうな・・・

ダイアリー版の記事とはてなブックマークは全部こっちに移転した上で、ダイアリーの方はリダイレクト設定をしておきました。
ダイアリー見ようと思って急に無味乾燥なページに来た人は驚くかもですが・・・しかし前の畳のデザインもどうよ、って話だしなあ。
当面はデザインとかこのままデフォルト設定にしているかもです。

別に引っ越したからと言って更新頻度を上げようというわけでもなく、今後ももっぱら論文やら依頼原稿やらの執筆に追われてこっちは停滞しそうな気がしますが。
またなにか至急、まとまった内容を公開する必要に駆られたときとかに、ブログも更新していくかもです。

「粗悪学術誌掲載で博士号 8大学院、業績として認定」についての補足+元ネタ原稿について

「LRGに連載開始するにブログ再開するぜ!」と宣言してからはや1年と9ヶ月弱。
はてなダイアリーももうすぐ終わりですよって時期ですがまだブログへの移行も終わっていない体たらく。いずれちゃんとやります。
まあなんで更新停止してたって忙しかったからとしか言いようがなく、なんで忙しかったかと言えば子育てに励んでいた結果であるので、実に健全な事実なのではないでしょうか。
息子かわいいよ息子。

さてそんな状態なのになんでブログを久々に更新したかと言えば、以下の記事が一部界隈でちょっと話題になっているからです。

インターネット専用の学術誌に論文審査がずさんな粗悪学術誌「ハゲタカジャーナル」が増えている問題で、佐藤翔(しょう)同志社大准教授(図書館情報学)が医学博士論文106本を抽出調査したところ、7.5%に当たる8本にハゲタカ誌への論文掲載が業績として明記されていた。ほとんどの大学が「査読(内容チェック)付き学術誌への論文掲載」を博士号授与の要件としており、要件を満たすためハゲタカ誌を利用した可能性がある。 ...(以下、続く)


Twitter等では一部からやれ「パンドラの箱を開けた」だとか「なぎ払い始めた」とか言われたりもしていたのですが、自分としてはそこまでのつもりはなく、「そういやどんくらいあるんだべ」と思ってやってみたら結構あったな、という話。
また、一部コメント等で「なんで全文が見られるやつだけなんだ、全部やれよ!」とか指摘もいただいていましたが、だって審査結果の要旨のところに「どこの雑誌に投稿したやつが元ネタです」って書いてないのが多いんだもん(33のおっさんにだって「もん」とか言いたくなるときはある)。
じゃあ本文まで見られるやつに限定するしかないじゃないですか・・・それでも元ネタ書いてないやつも結構あって、それは書けや!って気もします。
「なんで本文見られるやつがそんな少ないんじゃ!」ってご意見は、おっしゃるとおりですね。
付け加えると、機関リポジトリにはアップされているはずなのに、リポジトリの問題なのか全文ダウンロードに異様に時間がかかって諦めたケースもあります(1分待ってダウンロードできなかったら見限ってます)
なお実作業はアルバイトの方に出しております。ありがたい話じゃ・・・
そしてかかってる費用は自腹(といっても研究費ですが)です。


「全文はどこですか!」というコメントもあったので、元ネタ原稿の全文は以下です。
いわゆる論文ではなく、連載記事というか、コラムみたいなやつですね。

掲載情報:情報の科学と技術 68(10), 511-512, 2018


ただ、オープンサイエンスに関する連載なのに上記はOA論文ではございません(汗)
そして弊社の(同志「社」なので弊社で良い)機関リポジトリは、基本、セルフアーカイブを認めない紀要リポジトリでございます。
どうしたもんかと思いましたが、ResearchGateなら全文アップロードできるので、そっちに上げておきました。
(掲載誌の著作権条項的に、最終版全文でも本誌DOI書いておけば公開OKなのです)


基本、書かれている事実は毎日新聞記事のとおりで、むしろ記者の鳥井さんがハゲタカOAで博士を出した大学にコメントもらっているぶん、記事の情報量は新聞の方が上ですが・・・。
一応、元調査にご興味お有りの向きは上記をどうぞ。


毎日新聞記事に補足を加えるなら、これは自分のお伝えの仕方の問題で、「4本は、研究費を交付する米国の政府機関から「公正さを欠き、虚偽がある」と提訴されたことがある出版社の学術誌に掲載されていた」となっていますが、これはちょっと事実と異なります。
確か米国政府機関に訴えられている会社の雑誌掲載は1本でした。
ただ、この4本は、疑わしさの度合いが高めの雑誌であった、というのは確かです。


また、その他の4本は、"Oncotarget"という雑誌に載ったものです(これは『情報の科学と技術』にも書いています・・・どこかのブックマークコメントで3本って間違って書いてましたごめんなさい(汗))
この雑誌は、去年まではWeb of Scienceに収録されていて、悪くないインパクトファクターもついていて、ハゲタカOA回避マニュアルなんかでもまあ問題がないって見てもいいんじゃない、という扱いになりそうなものだったのが、今年になって急にWeb of Scienceから落ち、インパクトファクターもなくなった・・・ばかりかMEDLINE(PubMedの元情報)からも落とされた、というものです。
前から有志のハゲタカOAリストには載っていたので、なにか疑わしい点はあったんでしょうが、それにしたってねえ・・・投稿者としてもこういうケースを回避するのは難しいのではないか、と思います。


なお、「別にハゲタカに載ったって審査会+教授会で学位審査ちゃんとやってれば問題ない」という意見もありますが、そうならそもそも査読論文n本、みたいな要件を課さなければいいし、課してない分野もいっぱいありますよね。
よそで査読を通ったことを要件にするというのは、一種の最低限の審査のアウトソーシングなのだろうと思いますが、ならば査読を通ったと言えないかも知れないハゲタカはやっぱ問題なわけです。
もちろん、「ハゲタカじゃないことを審査会+教授会で確認した!」ということならOKなわけですし、実際審査会ではしばしば掲載誌はOKなのか、という点も議論になるかと思います。
そこがちゃんと審査されてたかどうか、が、突っ込んで聞いてみたいところですが・・・


補足は以上。
最後にハゲタカOAにどう対処したらいいのか、ですが、個人的に大学等がホワイトリストを作ってしまう方式(「ここに載ればOK」)はあまり賛成できません。
投稿先選択の自由が阻害されるし、新興領域が不利になるし。
チェックリストを課してクリアした雑誌はOK、という方式だと、Oncotargetの例もあるので、どんなチェックリストなら機能するのかが問題に。


じゃあどうすんだ、といえば、雑誌の側で査読をやっていることを証明することがベターではないかと考えています。
具体的にどんな仕組みがあるかは以下の論文なんかを参考にしていただければ。
Publons導入+そのデータをいざとなったら出せるように査読者にOKもらっておく、とかが今ならいい線かなあ・・・。


なお、「オープンサイエンスのいま」ではこれまでに以下2本の記事も公開済みです。
1本目はJ-STAGE版もOAですが、2本目はやっぱりだめなので、これもResearchGateにも上げておきました。


今後もこんな感じでややゴシップよりの学術情報ネタを書いていければと思うのでよろしければ本誌もぜひよろしく!
・・・って宣伝はしてみたものの、そもそもこの連載、いつまでが期限なんだ・・・???

博士後期課程に進んでも人並みの人生も幸福も手に入る そう、図書館情報学ならね


実に約2年半にわたってブログの更新を停止してしまっていましたが・・・お久しぶりです、id:min2-flyです。
あまりにも久々すぎてはてな記法を完全に忘れています。
あと自分のブログ文体もだいぶ忘れました。
世間的にはもうはてなブログが全盛ですが当方は今後もはてなダイアリーでやっていきます。


なんで2年半もブログを放置していたかと言えば、一言でいえば大学教員になったからです。
なんで大学教員になるとブログの更新が止まりがちになるかというと、その理由はこちらに!

ライブラリー・リソース・ガイド(LRG) 第18号/2017年 冬号

ISBN 978-4-9085-1517-0
ISSN 2187-4115
発行日 2017年03月28日

◆巻頭言 「意思を持って雑誌をつくる」ということ[岡本真] p.002

◆特別寄稿 壮大なバイオグラフィーとしての大統領図書館[大原ケイ] p.005

◆特集 総理大臣資料はどこにある?[岡本真] p.041
◇「総理大臣資料」全調査 [岡本真] p.083

福田康夫内閣総理大臣 特別インタビュー 公文書の扱いとその国のかたち [インタビュアー:松岡資明] p.113

◆図書館エスノグラフィ 東京学芸大学学校図書館 運営専門委員会[猪谷千香] p.122

◆連載 かたつむりは電子図書館の夢をみるか LRG編 人並の人生も幸福も期待していなかった図書館情報学徒、10年後の実態[佐藤翔] p.130

アカデミック・リソース・ガイド株式会社 業務実績 定期報告 p.142
スタッフボイス p.147
次号予告 p.151
定期購読・バックナンバーのご案内 p.156


ということで株式会社アカデミック・リソース・ガイドの雑誌『ライブラリー・リソース・ガイド(LRG)』で新たに連載「かたつむりは電子図書館の夢をみるか LRG編」を持たせてもらうことになりました!(つまりこの記事はLRGのダイレクトにマーケティングです)
第1回では図書館情報学分野の教員の実態を赤裸々に紹介しつつ、ブログ更新が止まった理由にもっともらしい言い訳をしています。
連載記事を書いている当時は他にどんな記事が載るのか知らずにいたので、まさか福田元総理インタビューが載っている雑誌に紙ブログみたいな中身を掲載することになるとは思いもよりませんでした。
福田元総理インタビュー目当てで買った人にとっては完全に「なんだこいつ」じゃないのか。大丈夫か。


まあそんなわけで、更新停止の言い訳についてはLRGを買うか、お近くの図書館で(ない場合はリクエストして)読んでいただければ幸いです。
このLRG連載では今後も昔、ブログでやっていたような話を書いていくつもりでして、そして当ブログではそのLRGの告知をしたり書かなかった話をしたりすることでブログの更新もできるという一石二鳥を狙っていきたいと思います。


ところでその連載記事を書いている際に気付いたのですが、実はこのブログ、2007年の2月に開始したので、気づけば開設から10年が経過していました(最後の2年半は止まっていましたが)。
書き始めた学部3年生の頃から好き勝手に書いてきて、そのことは特に後悔も反省もしていないのですが、一つだけこれはいずれフォロー入れないとまずいな、と思っていた記事があり。
それがこいつです。


今読むとかなり辛いパワーワード連発なのであえて引用することはしませんが、「俺は研究者という夢を追ってドクターに進む以上、人並みの人生なんてはなから期待してないぜ!」的なことが書かれています。
当時、若手研究者の苦難というか、博士号取得者の就職難問題が世に知られ始めたおかげもあってか、このブログにしては珍しく100ブクマ以上していただいて、自分でも印象に残っていた記事でした。
これをなんとか成仏させんといかん、というのがLRG連載初回のもう一つのテーマです。


結論から言うと、博士後期課程に進んでも、人並みの人生も幸福も手に入ります。
ただし、図書館情報学分野に限れば、ですが。


まず自分自身について言えば、2013年に博士号を取得して、即、大学教員(テニュア)になり、ブログの更新停止している間に結婚もしたりしていて、その他詳細は連載初回に譲りますが、現状限りなく人並みに人生を過ごしています。
それじゃn=1なのでどうしようもない話ではありますが、(きちんとした数字はないものの)自分の在籍していた筑波大学図書館情報メディア研究科について言えば、博士(図書館情報学)取得者の5年後就職率は100%であると聞いたことがありますし、実際ドクターとった人はだいたいどっかに就職決めています(もちろん、最初は任期つきということも多いですが)。
どころか、博士号取得前でも先に教員職の就職が決まっていく、という話もしばしばです。
結婚している人も(相手がいれば)多いですし、任期の問題があるので完全に安定しているとは言い難いですが、機関/土地を選ばなければ、「俺、音楽で食っていくよ」とかいうのとは次元が違う状況ではあるのは間違いないです。
図書館情報学関連で博士課程を持っているところ自体少ないですが、他の大学出身の方もだいたい同様の状況です。


他分野に比べて博士号取得者が割りと安定している要因は、なんといっても全国の大学に司書課程が存在することです。
全国800弱の大学のうち、300-400150前後+短期大学50前後の合計200前後*1には司書課程があると目され(最新の統計が手元にないので正確な値はわかりませんが)、建前としては少なくとも2人の担当教員がそれぞれに置かれる必要があります。
それに対して、図書館情報学分野で博士号を出している大学はほぼ片手に収まる程度です。
そこから出てくる博士号取得者自体も本気で数えられる程度の人数で、結果、この分野は世にも稀な求人に対し博士号持ちの方が少ない、というような状況にあります。
一昔前なら、現職(図書館員)出身の方が学士号までで教員に、ということも少なくなかったようですが、現状だと最低でも修士、できれば博士号を求められる傾向が存在し、その結果、一部では「図書館員になるより図書館情報学の教員になるほうがなりやすいのでは」なんて囁く声もあるとかなんとか(さすがにそれは言いすぎだ、と思いますが。求められる資質が違う)。


「元より「博士後期に進む」って決めた時点で〜」エントリはそんな状況を知らずに書いたものであり、安定のない道に進む自分にちょっと酔っちゃってる状態でもあったので「結婚して、子ども作って、家を建てて幸福な家庭を築いて・・・っていうような、人並の人生とか人並の幸福を得たい人は博士後期には進むべきではない。」とか血迷ったことを書いてしまっているのですが、全然そんなことないので、図書館情報学研究の道に興味がある方は、そんなエントリに惑わされずに、ぜひ研究の道も検討してみていただければと思います*2
図書館情報学分野は常に人不足みたいなところがあるので本当お願いします。
あ、そういえば、博士後期課程はありませんが、修士号までなら最近、同志社大学にも図書館情報学コースが出来て、修了生も出始めているそうですよ!(ダイレクトにマーケティングその2)


そんなわけでひっさびさに書いた記事が専ら宣伝でしたが、今後もだいたい、LRG新号刊行のタイミングでちょくちょく更新していければと思います。
10年の節目は若干過ぎてしまいましたが、引き続き次の10年も、どうぞよろしくお願い致します。

*1:ブコメを受けて修正、id:shigak19さん、ご指摘ありがとうございますm(_ _)m

*2:もちろんそれで実際にちゃんと就職できるのかとかについては個人差とかタイミングとか運もあるところですので、逆にこのエントリに影響されて進んでみたが就職できなかった、どうしてくれる、みたいな話には責任取れないのでそこはあしからず

同志社大学大学院に図書館情報学コースが開設されます&村田晃嗣学長・長尾真先生をメインゲストにお招きしての講演会が開催されます!


前置きなしでいきなり本題から(なお以下、ステルスでもなんでもない広報記事です)。
同志社大学大学院、総合政策科学研究科総合政策科学専攻に、2015年度から図書館情報学コースが開設されます!!

本コースは,図書館員を中心とした情報関連専門家の再教育と,図書館情報学の研究者養成の両方を目的とするもので, 図書館情報学の理論や研究手法および図書館政策,図書館経営,各種メディア,情報サービス,情報システムなど広い範囲の専門的な内容を取り扱います。  必修科目のほとんどを夜間および土曜日に開講するほか,長期履修学生制度が設定されているなど,社会人の方にも学びやすい環境を有しております。


同志社大学に勤務すると決まって以来、事あるごとに自分は図書館情報学の大学院課程の不足、特に関西方面での不足を叫んできたわけですが、関東方面まで行かずとも「図書館情報学」と名乗るコースに行ける環境ができたことは素晴らしいことではないかと*1 *2


さらに驚くべきはその予定している非常勤の先生方(敬称略)!

井上 靖代 獨協大学教授 情報サービス研究?(児童サービス論)
逸村 裕 筑波大学教授・専攻長 図書館情報政策研究?(大学図書館)
岩崎 れい ノートルダム女子大学教授 図書館情報政策研究?(学校図書館)
桂 まに子 京都女子大学専任講師 情報サービス研究?(図書館サービス論)
小林 隆志 鳥取県立図書館 図書館情報政策研究?(公共図書館)
古賀 崇 天理大学准教授 図書館情報学研究(政府情報論)
前田 章夫 元大阪府立図書館 図書館情報政策研究?(公共図書館)
明定 義人 京都橘大学教授 図書館情報政策研究?(公共図書館)
中山 正樹 国立国会図書館専門調査員 図書館情報学研究(図書館システム・オープンデータ)
大向 一輝 国立情報学研究所准教授 図書館情報学研究(図書館システム・オープンデータ)
佐藤 卓己 京都大学准教授 図書館情報学特講?(情報メディア研究)
田窪 直規 近畿大学教授 図書館情報学研究(アーカイブズ学理論研究)
田村 俊作 慶應義塾大学教授・図書館長 図書館情報学特講?(基礎情報論)
常世田 良 立命館大学教授 図書館情報政策研究?(公共図書館)
内野 安彦 前塩尻市立図書館長 図書館情報政策研究?(公共図書館)
上田 修一 立教大学特任教授・慶應義塾大学名誉教授 図書館情報学特講?(図書館情報学研究)
山本 順一 桃山学院大学教授 図書館情報政策研究?(情報政策)
湯浅 俊彦 立命館大学教授 図書館情報メディア研究?(電子出版と図書館)
渡邊 隆弘 帝塚山学院大学教授 図書館情報メディア研究?(メタデータ管理)


関西にいながらにしてこの豪華講師陣の授業を受けられるとは・・・一部、自分が潜りたいです。割りとマジで。


また、これも情報公開当初に「社会人はどうなの? 受けられるの?」という質問を多数お寄せいただきましたが、むしろ時間割としては社会人の方の方が受けやすいかもしれない、夜間、土曜日、月曜日(公共向け)を多めに設定してあるという親切設計!
もちろん学部から直接進まれる方も、日中バイトを入れたり昼夜逆転したりしても授業を受けられる安心さです!


これまで図書館情報学に興味はあったけれども、遠方には行きにくくてなかなか進学は・・・と躊躇していた方には、ぜひこの機にあらためて進学ご検討いただければと思いますし、もちろん東や南の方からいらしていただける方も大歓迎です!


とまあ・・・自分が所属しているところの広報はどうしたってうさんくささが出ますね(汗)
うさんくさくない、きちんとした説明会は以下の要領で開催予定です。

  • 開 催 日

2014年12月13日(土) 10:30〜12:00

  • 開催場所

同志社大学 烏丸キャンパス 志高館 SK114教室
烏丸キャンパスへのアクセス / 烏丸キャンパスマップ

  • 参加申込

事前参加申し込みは行っておりません。どなたでも自由にお越しください

http://www.slis.doshisha.ac.jp/topics/


もちろん来られない、という方は直接自分までお尋ねいただいても結構ですし、別日程での質問の機会も用意されていますので、疑問点等じゃんじゃん聞いていただければと思います。
詳しくはぜひ、冒頭リンク先のWebサイトを御覧ください!


さらに加えて。
ちょっと先ですが来年1月10日には、本学学長・村田晃嗣先生と、前NDL館長にして元京大総長・長尾真先生をメインゲストにお迎えし、同志社大学ラーニング・コモンズの中心人物でもある井上真琴さん、NDL専門調査員・司書監でNDLサーチやデジタルアーカイブはじめ様々なサービスを手がけられてきている中山正樹さんをパネルディスカッションにお招きしたシンポジウムも開催します!

  • 同志社大学図書館司書課程主催講演会「見たことのない図書館」を考える

近年,図書館で行われるサービスは多様化しており,図書館の姿も大きく変わってきています。公共図書館ではビジネス支援を行うことが当たり前のようになり,大学図書館にはラーニングコモンズが設置されるところが増え続けています。また,場所としての図書館という概念も定着してきており,その閲覧室の配置やデザインも大きく変わってきました。今後,図書館はどのように変わっていくのでしょうか。本講演会では,前国立国会図書館長の長尾真氏を招き,本学学長の村田晃嗣と共に「今までに見た最高の図書館像」「見たことのない図書館像」の私見を語っていただくとともに,シンポジウムを開催して図書館の未来・将来を考えていきたいと思います。

*詳細はこちらをご覧ください。
http://www.slis.doshisha.ac.jp/20150110.pdf


「見たことのない図書館」というのは新たにできる大学院のポスターで採用しているキャッチフレーズでもあります。
これまた一司書課程の講演会としてはちょっとどうしたんだろうとい豪華な先生方をお招きして、縦横に「見たことのない図書館」について語っていただこうと!
こちらも事前申込み等不要ですので、ご興味おありの方は是非、ご参加ご検討いただければと思います。
・・・おう、そういえばこちらのシンポジウムもまた自分が司会か(汗)
皆さんのパワーに負けぬよう頑張りますっ。


そんなこんなで今後も引き続き、同志社大学図書館情報学系はいろいろ動き続けていく予定です。
このブログでも紹介していこうと思いますので、引き続きご注視いただければ幸いですm(_ _)m

*1:ただし当然、来たばかりの自分は何もしていないわけですが

*2:はてなブックマークのコメントで「大丈夫なのか?」的なご意見もしばしばいただきましたが、こと図書館情報学については他分野と違い、大学院としては信じがたいことに売り手市場・・・みたいな話はいずれ、大昔の自分のエントリに対するアンサーとして書こうと思います

さあお祭りだ! 10/21は「オープン世代」の研究とコミュニケーションの話で盛り上がろう!(第3回 SPARC Japan セミナー2014「オープン世代」のScience のご紹介)


最近、ブログ更新といえばなんらかの宣伝となりつつありますが(苦笑)
今回は自分も参加しているイベントの紹介です!

【概要】
セミナーでは,米SPARCによる今年のオープンアクセスウィークのテーマ「Generation Open(オープン世代)」に合わせ,日本国内における「オープン世代」の様々な取り組みを紹介する。 「オープン世代」は現在研究者になったばかりの,あるいはこれから研究者になろうという若手の世代であり,オープンを旨とするウェブ文化の中で育ってきた。一方で伝統的な学術コミュニケーションを担う立場に立ってきた学術機関とその図書館,学会は,従来オープンアクセス発信について取り組み,アウトリーチ活動を行ってきた。両者を結び付けることで,世界中で様々なアプローチで展開するオープンアクセスの潮流をさらに推し進め,学術機関やその図書館等が行っている発信の活動,リソースの共有・再利用等のサービスについて検討する契機としたい。

【参加対象者】
研究者,図書館員,学術出版職にある方々


SPARC Japanセミナーは最近、図書館員・研究者ら3人の企画員が毎回選ばれて、企画を立てたり講演者を決めるようになっているのですが。
実は今回、その3人の企画員の中に自分が入っていたのです。

その他のお2人は、大阪大学附属図書館の土手郁子さん*1と、近畿大学医学部の榎木英介先生*2
土出さんは大学図書館/オープンアクセス界隈では有名な方なのでご存知の方も多いかと。
榎木先生はその土出さんのご紹介で、今回企画員に入っていただきました。

で、実際に打ち合わせのためご本人にお会いするまで、まーったく気付いていなかったのですが。
この榎木先生って、あの『博士漂流時代』を書かれた榎木先生ではないですか!!!


博士漂流時代  「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)

博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)


DISCOVERサイエンスで長神さんや内田さんの本が出た時、一緒に買って読ませていただいていたのですが、全く自分がお会いしようという榎木先生と頭の中でつながっておらず。
しかしつながった瞬間からいっきに打ち合わせはハイテンションになり、以降そのテンションのままで突っ走っていった結果が今回のSPARC Japanセミナーなのです*3


そも、今回のSPARC Japanセミナーは、最近毎年10月終盤の週に世界的に開催されている「Open Access Week」(OA Week)の、日本での企画のうちの一つです。
アメリカのSPARCという団体が全体の音頭をとっていて、今年は"Generation Open"(「オープン世代」)が全体テーマ。
であれば、若手研究者の話をしようか、という話は最初から決まっていたのですが・・・で、SPARC Japanセミナーの定番としては海外から先端的なことやっている方をお招きしてなにかお話うかがって、という感じが多いのですが・・・


だがしかし、あえて今回のセミナーは「講演者は全員、日本人でいこう!」というのは、打ち合わせのごく最初に決まりました。
それも、みんなでお勉強しようとか、若手の研究者・院生にどうオープンアクセスを広めていこうかとか、そんな話じゃなしによう!そういう真面目でおとなしい話はぶっちゃけ年中やってるわけだし、OA Weekでしかも若手世代がテーマってんだから、そんなのもうお祭をやるしかないじゃないか!
OAを肴に日本のおもしろ楽しくパワフルな若手研究者を集めてこよう!
おもいっきり刺激的な話をした上で、「で、図書館関係でOAがどうこうって言ってる人々は、この世界についてこられるの? でもOAってこういう世界だよね?」って思いきり煽ろう!*4


そんな感じで一人盛り上がり、最初に考えて自分が書きなぐった企画案が以下のとおり。

SPARCによる今年のオープンアクセスウィークのテーマは「Generation Open(オープン世代)」である。
現在研究者になったばかりの、あるいはこれから研究者になろうという若者たちは、オープンを旨とするウェブ文化の中で育ってきた世代である。
以下のような営みが彼らにとってはある種、当然のこととして受け入れられている。

  • 不特定多数と日常的にオープンな対話を行うこと
  • コンテンツやサービスの再利用、マッシュアップと派生作品の連鎖(いわゆる「n次創作」)
  • 情報発信・コミュニケーション手段や各種技術の大衆化により、「作ってみた」ものを世に問うことの容易さ
  • クラウドソーシング/クラウドファンディング等、群衆の力を利用した問題解決

これらの習慣は音楽やサブカルチャーの世界にとどまらず、研究・学術の世界でも様々な試みが若手の中から生まれている。
そのような試みの例として、以下のようなものを挙げることができるだろう。

  • 個人によるOA誌の創刊
  • DIYバイオ 個人宅によるバイオ研究の実施
  • クラウドファンディングにより、個人の研究に対し複数の個人が出資する仕組みの構築
  • 動画サービス等を介した新たな研究の集いの場の実現
  • 従来の組織にとらわれない「野生の研究者」の台頭

これらは組織に所属し、大規模な予算の下ではじめて研究を行うことができる、ビッグ・サイエンスにとらわれない世代が台頭してきていることを示している。

もちろん、全ての若手研究者がこのような習慣を共有しているわけではなく、むしろ多くは従来型の枠組みの中でなんとか足場を確保しようともがいていると考えられる。
研究の世界は若者からは変えられない、組織の中で生きていくために若手研究者こそ既存のモデルに積極的に馴染もうとしなければならない、というのは多くの調査が示すところでもある。
しかしそのような若者たちですら、既存の研究コミュニティや学術コミュニケーションのあり方に疑問を感じ、「若手の会」を組織し領域横断的なつながりの中で改革を実現していこうとしている。


いずれの若者たちも既存の学術コミュニケーションに限界を感じ、新たな試みを始めようとしている点でオープンアクセスの強力な支持者、推進者となりうる人々である。
しかし、彼ら「オープン世代」の人々に、SPARC Japanに代表される日本の大学図書館・学術出版コミュニティはこれまで十分にリーチしてこれたといえるだろうか?


オープンアクセスウィークにあわせて開催される本セミナーは、国内における様々な「オープン世代」の試みを紹介し、ディスカッションを通じて彼ら同士の更なる交流を図るとともに、日本のオープンアクセスコミュニティと「オープン世代」をつなぐ、架け橋の場を構築する機会ともしたい。


それを土出さんがマイルドに直してくれたのが公式ページに載っている案内なのですが、まあ自分のブログなので煽った方を乗せておいて良いかと。
上記の案には、自分の勘違い(個人ではなく企業が出しているOA誌だったとか)や講演者の変更等もあったりしたのですが、とはいえ当初「お願いしちゃってみます?」と半ば「通らばリーチ」みたいな考えていた講演者の皆さんに、快くもお引き受けいただいたことで、思いがけず豪華なメンバーが当日はいらっしゃいます。
そもそも司会が榎木先生ってだけでも相当豪華なのですが・・・

生命科学は「生命とは何か」を問う学問領域であるが,この問いは古来芸術の主題でもあった。オープンソース化の流れ,構成的なアプローチ,社会的課題・文化的含意への隣接,これらを通じ,生命科学は一部でバイオメディア・アートなどと呼ばれる現代芸術における生命探究の試みと共振するようになっている。DIYバイオ,FabLab,バイオアートといったオープンソースの精神を重視する活動の交錯が模索されている現状と,その課題について議論してみたい。

metaPhorest(生命美学プラットフォーム)世話人早稲田大学理工学術院教授。微生物の体内時計や形づくりに関する実験生物学研究を行う傍ら,現代美術家として抽象的な切り絵や生物を用いた芸術表現(バイオメディア・アート)を精力的に発表してきた。生命に興味を持つアーティストを生命科学の研究室に招聘する生命美学プラットフォーム,metaPhorestを主宰し,国際的な評価を得ている。日本初の合成生物学・構成的生物学に関する「細胞を創る」研究会創立メンバー・社会文化ユニット世話人

初っ端からバイオメディアアート!!
そしてDIYバイオ!! バイオなのにDo It Yourselfですよ。SF感半端ない、けれど現実。
岩崎先生が主催されているmetaPhorestのサイト(http://metaphorest.net/)を見ても凄い・・・。
そこで盛り上げて、からの、

  • 講演2:"コンテンツとしてオープンに発表される研究活動について - ニコニコ学会βなどを通じて"

WebやSNS,投稿サイトなどが日常になる中で,研究活動の発表のかたちも大きく変わってきました。大学図書館に勤務する中で,学術論文に一般に伝わるような面白さや有用性が高いことを感じ,時事性に合わせてTwitter上で論文を紹介する「論文ったー」(@ronbuntter)を作りました。「論文ったー」は現在6000人以上からフォローされており,論文の面白さが広く受け入れられるものであることを感じました。知己の若い研究者たちの中には,自分の研究をブログやSNS,動画投稿サイトやUstreamなどでオープンに発表し,コメントなどをやりとりすることも日常となってきています。そうした活動は大学の研究者に限らず,学生や企業のエンジニア,プログラマー,芸術家,小説家,サラリーマン,主婦などさまざまな立場の人が参加しています。それらの記事や動画を見ている人々はどこにでもいる普通の人々です。現在のWebでは,研究はアニメや音楽と同じような,一つのコンテンツとして自然に受け入れられています。こうした研究活動を発表している人々をもっと広く知ってもらい,また増やしていくために,2011年よりニコニコ学会βというイベントの実行委員をしています。今回は大学図書館員の立場から動画投稿サイトなどでの研究活動のオープン化を見てきた一人として,ニコニコ学会βのこれまでの活動や自分の経験などをご紹介したいと思います。

011年まで国立大学法人山形大学図書館に勤務。2011年11月より現職。マンガや同人誌などの資料の管理を担当。ニコニコ学会β実行委員。myrmecoleonの名義でネット上で活動。2005年4月にブログ「Myrmecoleon in Paradoxical Library」開設,図書館・同人誌・ニコニコ動画Twitterなどについて研究し,発表している。大学図書館での仕事の傍ら,マッシュアップサービスとして「所蔵図書館マップ」「論文ったー」などを開発運用し,第2回CiNii ウェブAPIコンテストで優秀賞受賞。またコミックマーケットにて,同人誌図書館の分類法について検討した「ジャンルコードと分類法」シリーズ,ニコニコ動画上の動画や投稿者を統計的に分析した「ニコニコ動画統計データハンドブック」シリーズなどの同人誌を頒布。ASCII.jpにて「myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」」を連載中。2014年1月から6月まで「次元の壁をこえて‐初音ミク実体化への情熱 展‐」を企画・実施した。

id:myrmecoleonさんですよ!!
図書館と若手研究世界の架け橋になってくれそうな人って誰だろう、という話に真っ先に思いついたのがありらいおんことmyrmecoさんでしたが、ご本人も最先端なのさらに加速させた感は否めない。
ところで僕、このテンションで最後まで煽り文書いていくんですかね?

  • 講演3:"国内発の国際的総合科学学術誌Science Postprint, SPARCから始まりSPARCに至り…"

国際的総合科学学術誌Science Postprint(SPP)は,国内では珍しい学会以外の商用出版社が運営する査読付きのオープンアクセス学術誌である。「学会ができないことをやろう」をモットーとし,医学・生命科学環境学を中心に総合科学全般の研究分野の論文発表の場として2013年10月より論文出版を行なっている。査読編集委員は2013年5月から公募を開始し,現在は約600人が登録されている。論文投稿数は2014年9月時点で110報を超え,アクセプト率は26%となっている。SPPの企画は,2012年のSPARCセミナーを聴講したときに感銘を受け,プロジェクトとしてスタートした。2013年に出版を開始,そして2014年には1周年を迎え,SPARCで発表する機会をいただき,心より御礼を申し上げる。

  • 講演者:竹澤 慎一郎さん(ゼネラルヘルスケア株式会社)

2003年東京大学大学院博士号取得(農学)。JSTポスドクを経て,経営コンサルティング会社勤務。2006年に生命科学分野の研究者向け情報メディア会社を設立し,代表取締役副社長に就任。辞任後,2007年より現職(代表取締役)。

ここ、大事なところなので2回書きます。

SPPの企画は,2012年のSPARCセミナーを聴講したときに感銘を受け,プロジェクトとしてスタートした。2013年に出版を開始,そして2014年には1周年を迎え

SPARC Japanセミナーがきっかけだったなんて!!
日本発の非学会系OA誌って数が実に少ないんですが、SPJセミナーを契機に立ち上がり、論文出版に至っている、投稿もコンスタントにある発表の場ができているというのは、これは凄い話ですよ。
2012年のセミナーってちなみにどの回でしょうね・・・Binfieldさんが来日した"オープンアクセスメガジャーナルの興隆"*5回ですかね・・・当日ぜひ聞きたいところです。


  • 講演4:"「若手アカデミー」というプラットフォーム"

グローバル化し複雑になった現代社会において情報は氾濫し,その多様性は歴史的にも類を見ない状況になってきている。ガジェットは多様化してどこにいてもオンラインとなり,まさにユビキタスな時代となってきている。しかし一方でコミュニケーションの形態は断片化し,思考が深まらないという声も散見される。時代の流れは後戻りできない。まもなくネットネイティブ世代が学術の中心的役割を果たすようになる。来る次世代を踏まえてこれからの学術ネットワークやプラットフォームについて考えてみたい。

2008より奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科准教授。1993年上智大学卒業(心理学) ,1997年奈良先端科学技術大学院大学修士課程修了,2000年同バイオサイエンス科博士課程修了。その間,京都大学大阪大学,大阪バイオサイエンス研究所に勤務。神戸大学医学部,マックスプランク医学研究所にてPDフェロー。1年半の準備期間を経て,2011年より日本学術会議若手アカデミー委員会委員長に就任。

「なんか若手研究者の中でも特殊な経歴の人ばかりすぎまいか?」
「では、若手として積極的な活動はしつつ、キャリアパスとしてはいわゆるサイエンスの中で奮闘されている方というと?」というようなやり取りの中から、ぜひお願いしましょう、ということになった駒井先生。
でもブレーキになっていただく感じではないかも・・・? 若手たちがあつまる場のプラットフォーム/ネットワークとは?

  • 講演5:"アカデミア外における知のオープンアクセスがもたらす未来"

近年,急速にオープンアクセスの概念がアカデミアの中で広まりつつある。そしてアカデミアの外に目を向けると,生物学のジャンルではいわゆる「バイオハッカー」もその存在感を増しつつある。バイオハッカーたちの世界では,情報をオープンにし,知を共有するのが当たり前という風潮が強い。本発表では,このようなアカデミアのオルタナティブとなるような知的活動が,生物学や科学の前進にどのように寄与するのかを考察する。

2007北海道大学大学院地球環境科学科にて博士号取得。2008年から2010年まで,NASAエイムズ研究センターおよびNASA宇宙生物学研究所にてヨコヅナクマムシを用いた宇宙生物学研究を実施。2011年から2014年まで博士研究員としてパリ第5大学およびフランス国立衛生医学研究所に所属。2014年から訪問研究員として慶応大学SFC研究所にて研究活動に従事。

クマムシ博士([twitter:@horikawad])、SPARC Japanセミナーにご登壇。

講演内容だけ見てもわかりにくいかも知れませんが、あのクマムシ博士ですよ!

  • 最近のご著書


クマムシさん」[twitter:@kumamushisan]の可愛さにやられてクマムシ研究の世界を思わず応援したという方も多いはず。
どうしよう、当日までにクマムシさん買っちゃいそうな勢い・・・!(←あてられている


これ以上書くと偏りがひどいことになるのでこのあたりにしておきますが、いや、このセミナーは絶対に「行き」ですよ。
この豪華メンバーが、学術コミュニケーションに関しそれぞれの活動や考えを報告いただき、しかもそのあとなんとディスカッションまでしていただける!
図書館、学術関係者はもちろんのこと、今回の登壇者の皆さんは学術とそれ以外の世界の垣根も乗り越えていくことに意識的だったり、意識するまでもなく乗り越えている方々ばかりで、ふだん全然SPARC Japanセミナーとか興味のない方にもぜひお越しいただきたい!
研究の世界ってこんなに面白いことになってるんだよ、というのは、それこそニコニコ学会とか色々な場で知る機会はあるわけですが、それをもっと広げていって、もっともっと垣根が下がれば、きっと世界はもっと面白くなる。
そんな研究と社会の明るい姿を描ける場に、今年のOpen Access Week特別セミナーはなります!
ふだん思いつめた感じで雑誌価格の高騰とか投稿料誰が支払うんだとかの話しているみなさんも、この日は楽しそうな未来の話をしましょうぜ!

*1:土出 郁子 - 研究者 - researchmap

*2:榎木英介 - 研究者 - researchmap

*3:あ、最新の著書、 

嘘と絶望の生命科学 (文春新書 986)

嘘と絶望の生命科学 (文春新書 986)

 も素晴らしいですよ!

*4:煽ろう、と思っているのは自分だけで他の企画員の皆さんはたぶんそんなことは考えていないはずです(汗)

*5:国際学術情報流通基盤整備事業 │ イベント情報 │ H23 │ 2011年度第5回「OAメガジャーナルの興隆」

「人文社会系の学協会誌はほとんど秘境。紀要に載った方がネット上では目立つくらい」(【宣伝】『DHjp No.4 オープンアクセスの時代』に寄稿しました!)


・・・久々の更新すぎてはてな記法をかなり忘れている(汗)
以前から更新頻度が減ってはいたこのブログですが、今回は実に4ヶ月ぶりの更新だそうで。
その間、何も書いていないわけではなく、『月刊DRF*1の隔月連載があったり、カレントアウェアネス-Eに記事書いてたり*2、『図書館雑誌』にOA政策について書いてたり、その他いろいろ書いてはいるのですが・・・*3
書く媒体が多様化したのでブログを書く必然性が落ちる現象。
おかげでブログ時の文体まで忘れている(大汗)


そんな放置されがちなブログを久々に更新したのは、タイトルのとおり宣伝のためです(笑)
8/12に発売された勉誠出版のムック、『DHjp No.4 オープンアクセスの時代』に、「ビジビリティの王国、人文社会系学術雑誌という秘境」と題して、人文社会系のオープンアクセスに関する話を寄稿しました!

DHjp No.4 オープンアクセスの時代

DHjp No.4 オープンアクセスの時代


(たしか)「初めてAmazonで買える本に原稿が載った!』・・・と喜んでいたのですが、2014年8月16日現在、Amazonからの購入は品切れ中です(汗)
とはいえマーケットプレイスからは勉誠出版さんから直接買えますし、どうせ直接買うなら以下の出版者サイトからも買えます。


もともとDHjpはデジタル・ヒューマニティーズ関係はもちろん、学術出版・電子図書館系の話題に興味がある人ならぜひフォローしていくべき面白い企画なのですが、今回はその中でも自分の専門のオープンアクセス特集ということで、どの原稿も大変おもしろく、刺激的です。
一部では「執筆者ほぼ友達じゃねーか!」みたいなツッコミも見られますが・・・そしてたしかに直接の面識がない人を探す方が難しい気もするラインナップですが、それはまあ、テーマがテーマだけに書き手も限られよう、ということで。


ちなみに自分の原稿の中身はタイトルのとおりで、自然科学・工学系の雑誌はどんどこ電子ジャーナル化し、各大学の発行する紀要論文も機関リポジトリでどかどか電子的に見られるようになっている中で、人文社会系(特に人文系)の学会誌だけ電子化が進まないもんだから、ビジビリティ(どれくらい目立っているか)がひどいことになっている、という話を、いろいろデータも引っ張りつつ論じるものです。
このあたり、現在の研究テーマの一つでもあるのですが、原稿の中身はけっこう煽った感じになっていたり。
以下の論文でとりあげた、「けっこうな数の学生はCiNii検索してみて、ネットで手に入る論文と紙しかない論文出てきたら、図書館行かないでネットで済ますよ?」という話題なんかもからめています。


だいぶ煽った感じですが、「煽るばっかでなく解決策にも言及しては・・・」というようなご提案もあり、末尾では「たぶんこうする必要がある」というような話もしています。
その中身については・・・ぜひ現物を購入いただきたい、ということで*4
繰り返しになりますがどの原稿も面白いので買うといいと思いますし、なんならバックナンバーも、同じく勉誠出版のムックである『書物学』も購入されると良いと思います【宣伝】。


さて次の投稿は・・・また本とか出たらかなあ・・・(遠い目)*5

*1:http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?%E6%9C%88%E5%88%8ADRF

*2:E1593 - Altmetricsに関するNISOプロジェクト第1期のまとめ | カレントアウェアネス・ポータル

*3:あ、あと週に1回程度の頻度で、バイト(?)でカレントアウェアネス-Rに記事書いてるのも大きいかも。最新ニュース関連はそっちに書けてしまうという

*4:OA研究者なのにそれで良いのかと言われれば、研究成果そのものではないし、原稿料を貰っている、研究者以外の人にも読んでもらう目的で書かれた本に載った原稿なので、BOAI的な意味でこれはOAの対象じゃねえ、と原理主義的なことを主張したい

*5:なお「id:min2-flyがいたはずで、イベントでかちゃかちゃ手も動かしてたのにブログになってねーぞ!」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、高確率で別媒体で記事になっています

ロボットが博士号を取る日。あるいは、既にもうとっている可能性も?(シリーズ:かたつむりとオープンアクセスの日常)


最近、イベント記録の更新ばかりになっている当ブログですが、今回は久々にイベントレポートでも告知でもない記事です。
と言っても一から書いたわけではなく、月刊DRFで去年からやっている連載企画「かたつむりとオープンアクセスの日常」からの転載。

月刊DRF 学術情報流通の現在と未来をかんがえる雑誌です.

リポジトリの今がわかる
月刊DRF = Digital Repository Federation Monthly - No.1 (2010.2)-. - 札幌 : デジタルリポジトリ連合

月刊DRFはデジタルリポジトリ連合(DRF)が毎月刊行している、機関リポジトリ関連を中心にオープンアクセスや学術情報流通関連のネタを取り上げるデジタル誌です。
いい記事が載っている・・・一方で毎回、PDFファイルのアップのみでビジビリティにいささか難ありでもあり。
自分も書いた記事(毎回かなりキャッチーめ)が読まれているのかリアクションがわからなかったのと、いい加減こっちのブログの更新頻度が落ちすぎなので(苦笑)、今回から月刊DRFに書いた内容をこっちにも載せることにさせてもらいました。
興味がおありの方は、自分と隔月交代で連載されている栗山先生の記事も毎回面白いですし、もちろんメイン記事も有用なものばかりなので、ぜひ本誌も読んでみて下さい!


ってことで以下、今月号の自分の連載から。
月刊DRF向けってことで文体とかいろいろいつものノリとは違いますが・・・いや、むしろイベント記録ブログになる前のここのノリに近い??



ロボットが博士号を取る日・・・あるいは、既にもう?

STAP細胞理化学研究所小保方晴子さんらをめぐるニュースが連日、メディアを賑わせています。
不正行為の全容は調査中ですが*1、小保方さんが早稲田大学に提出していた博士論文の中身の大部分も他所から無断転載したものの切り貼りらしいと報じられており、事態は日本の学位審査への不信にもつながる様相を見せています*2

このニュースを聞いて自分が真っ先に思いついたのは、「これならもしかすると機械的に生成した論文でも学位審査を通せるのではないか?」ということでした。
コンピュータ科学分野にはSCIgen*3という、文法的には問題がなく、使われている単語もそれっぽいものの、中身はまったくちんぷんかんぷんな「論文っぽいもの」を自動生成するソフトウェアがあります。
一定分量のそれらしい文章があれば審査を通るのならば、SCIgen同様の手法で学位審査をパスできるのではないか。
NIIは「ロボットは東大に入れるか」という、人工知能に入試問題を解かせるプロジェクを行っていますが、もしかすれば東大入試を突破するより先にロボットが博士号を取得する未来すらありえるかも知れない。
そんな冗談まで思い浮かびます。


しかし、もしかするとこれは冗談で済まないかも知れません。
それも未来ではなく、現在まさに起こっている可能性もあります。
機械生成論文は、学術の世界に予想以上に侵入しているようなのです。


2014年2月、Nature NewsにSpringerとIEEEの商用プラットフォームから、あわせて120本以上の「ちんぷんかんぷんな」論文が削除された、という記事が掲載されました*4
これらの論文はフランスのコンピュータ科学者、Cyril Labbé氏によって発見されたものでした。
Labbé氏はSCIgenで生成された論文を発見する技術を開発しており、その技術によって今回の論文群を発見したとのことです。
これらのSCIgen生成論文は、「査読を行う」と明記している国際会議のチェックをかいくぐり、有料データベースに収録されるような会議プロシーディングの中にまで入り込んでいました。


SCIgenで作った論文が通過してしまうような、ずさんな査読しかやっていないところがあるというのは、2009年にOA雑誌に機械生成した論文を送ったP. Davis氏の実験でも既に知られていました*5 *6
そもそもSCIgen自体、同じようにずさんなチェックしかしていない国際会議にいたずらをしける目的でMITの学生ら(当時)が開発したもので、でたらめな論文を送りつける、というのはずさんな査読体制(というか、査読があると言っているが実はやっていないこと)を告発するための常套手段です。
機械生成したものではありませんが、Science誌が2013年に、同様のでたらめ論文をOA雑誌に送りつける実験を行っていた(そして半数以上が採録された)ことも記憶に新しいでしょう*7


今回発覚した事件がこれらの先行事例と異なるのは、「でたらめな論文が載った」と告発したのは、投稿者ではなく第三者であったことです。
Labbé氏の調査がなければ、機械生成論文は今もそれらの著者による学術論文としてデータベース等に掲載され続けていたでしょう。
もしかすると、業績数にカウントされることもあったかも知れません。
ずさんな査読しかないような国際会議に論文を出しても大した業績とは認められないかもしれませんが、ないよりはあった方が良いですし、とにかく何か業績がいるというときにはずさんであっても、いやずさんな査読しかないからこそ(どんな適当でも載るからこそ)、研究者に重宝される場面があるとも考えられます。
どうせ適当な論文でいいなら、機械生成で楽をしようというという者も出てくるでしょう。
最近ではずさんな査読と言えば、コストをかけずに掲載料収入を得ることを目的とする「ハゲタカOA出版社」のイメージが強く、研究者は「食い物にされる側」という印象もありました。
しかし今回の件は、研究者の側にもハゲタカに食い物にされるというよりは、そのずさんさの恩恵に預かり手軽に業績を増やす、共犯者がいる可能性を示唆しています。


もっとも、以上はあくまで推測の話。
実際の機械生成論文の投稿意図は不明です。
機械生成論文の著者として名前をあげられた人も「身に覚えがない」としており、単なるイタズラの可能性もあれば、主催者側がそれらしい投稿数があったように見せかけるために、機械生成論文で水増しした可能性もありえます。
ただいずれにしても機械生成論文を素通りさせるずさんな査読があること、それを素通りした論文が学術情報流通の世界に中に入ってきてしまっていることは確かです。


学位審査も同僚による研究内容の審査という点では一種の査読と言えますが、冒頭の事件を思えば、そこでもまた「ずさんな査読」が行われていることが危惧されます。
Labbé氏はSCIgen生成論文を判定するためのツールも無料公開していますが*8、いずれこの判定にひっかかる「博士論文」が見つからないとも限りません。もしかすると、ロボットは既に博士号を持っているかもしれないのです*9



転載以上。
ちょっと補足すると、世紀の発見を捏造する/改ざんによりそう見せかける、というのは、バレた場合のリスクもありますし、高確率でバレることでもあるので、アウトライアーみたいなものとして、対策はもちろん必要でしょうがそれに引きずられすぎるのもほどほどに、と思いますが。
今回明らかになったSCIgen生成論文群は、おそらくは大して注目されていない(失礼)国際会議の予稿に掲載され、大して読まれることもなかったのであまり問題になることもなく。
そういった目立たないところで、でたらめな論文がわさわさ生成されていた、と。
学位論文も、今ではオンライン公開が原則義務化されましたが、それ以前はよほど注目される方のものでない限り、なかなかアクセスしにくいこともあり、一連の騒ぎのようなことがない限り発覚しないできたわけです。
こっちはかなり広範にわたって同じようなことが起こっていそうで、国際的な対策が必要そうな・・・。


さらに根源には競争の激化と業績生産の圧力、それに伴う時間の不足というのがありそうで(チェックに時間かけてられない⇒ずさんになる、ずさんなことがわかる⇒適当なものを出す)・・・とか、SCIgen生成論文の多くが中国の研究者が書いたことになっていたのはどう捉えるのかとか、ここからさらにいろいろ考え広げていけそうなのですが、そのあたりは後日別原稿にまとめる予定なので書いたらまたブログで告知したいと思います。