かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

イベント告知:Open Access Week 2009 セミナー「Open Access “Friday & Night” 2009」


ちなみにオープンアクセスの定義として最もよく引用されるソースであるBudapest Open Access Initiativeによれば、Open Accessとは

(min2-flyによる適当訳:)
 インターネット上において、誰もが文献(著者が原稿料を受け取ることを考えないような文献。OAでは主に学術雑誌で発表した査読論文が対象となるが、プレプリント等も含まれる)を読み、ダウンロードし、コピーし、再配布し、印刷し、検索し、それらの論文のフルテキストにリンクを貼り、インデキシングのためにクロールし、データとしてソフトウェアに流し込み、その他あらゆる合法的な目的のために、インターネットにアクセスできることそれ自体を除く経済的、法的、技術的な障壁なく文献を利用できるようにすること

Budapest Open Access Initiative | Read the Budapest Open Access Initiative

と定義されています*1
昨今このオープンアクセスの実現を目指す運動が図書館界・学術界はじめ盛んに行われているわけですが、その一つとして去年は10/14を「オープンアクセスの日」とし、世界各地でOAに関するイベントが開催されていました。
日本ではSPARC-Japanの特別セミナーがあったり、Open Access Nightが開かれたり。


で、今年は「オープンアクセスの日」からグレードアップして、10/19-23を「オープンアクセス週間」と位置づけ、これまた世界各地で盛り上がろうと言う企画が進んでいるそうで。


すでに今年も10/20にSPARC-Japanでセミナーが開催されることは公表されていたりもしましたが*2


それとは別に、10/23(金)のオープンアクセス週間最終日に、「Open Access “Friday & Night” 2009」というイベントが開催されるとの告知が!
ってことで以下、案内文(転載)です。

Open Access Week 2009 セミナー「Open Access "Friday & Night" 2009」のご案内

【テーマ】

オープンアクセスの多様な可能性: e-Research, OpenCourseWare , Social Network



2009年10月19日〜23日は、オープンアクセスに関する認識と理解を深める「オープンアクセス週間 (Open Access Week)」として設定されることになりました。

これは2008年に「オープンアクセスの日 (Open Access Day)」として始まったものが、今年から「週間」に拡大されたものです。SPARC (the Scholarly Publishing & Academic Resources Coalition)、PLoS (The Public Library of Science)、Students for FreeCulture、OASIS (the Open Access Scholarly Information Sourcebook)、OAD (Open Access Directory)、eIFL.net(Electronic Information for Libraries)が参加しています。

日本においても、SPARC Japanによって2009年10月20日にOpen AccessWeek 2009 セミナーが開催されますが、オープンアクセスに関心を持つ有志により「オープンアクセスの多様な可能性:e-Research, OpenCourseWare,
Social Network」というテーマで、以下のような会を企画いたしました。

一部(Friday)では、学術雑誌論文のオープンアクセスだけではない、多様な研究・教育に関わる情報のオープンアクセスを含めて、ある種の問題意識を共有しながらも、なかなか同じ場所で話すことの少ない領域の方々からお話しいただき、オープンアクセスが持つ広がりと可能性を考えてみたいと思います。

二部(Night)では、ドリンクを片手に、オープンアクセスの広がりについて主催者・講演者・参加者の皆様と語り合い,交流を深めます。



【概要】



【プログラム】

【一部(Friday): 18:00〜20:00】Open Access Friday 2009
a. オープニング(18:00〜18:10)
坂東 慶太(My Open Archive, Managing Director)
b. セッション-1(18:10〜18:25)
「e-Researchとデータアーカイブ(仮)」
高久 雅生(独立行政法人物質・材料研究機構, 科学情報室 主任エンジニア)
c. セッション-2(18:30〜18:45)
「文書・データの保存と著作権(仮)」
調整中(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン)
d. セッション-3(18:50〜19:05)
OpenCourseWareとオープンアクセス(仮)」
山内 祐平(東京大学, 大学院 情報学環 准教授)
e. セッション-4(19:10〜19:25)
「e-Researchとオープンアクセス(仮)」
倉田 敬子(慶應義塾大学, 文学部 人文社会学科 図書館・情報学専攻 教授)
f. パネルディスカッション(19:30〜20:00)
「オープンアクセスの多様な可能性: e-Research, OpenCourseWare, Social Network」
モデレーター: 林 和弘(社団法人日本化学会, 学術情報部 課長)

【二部(Night): 20:00〜21:00】Open Access Night 2009



【申込方法】

こちらより必要事項を入力の上、お申し込み下さい。
http://spreadsheets.google.com/viewform?hl=en_GB&formkey=dDMtMkhPRVRzNFA4Rk9iTnRKR2UyZ1E6MA..

受付は先着順とし、定員のに到達次第終了とさせて頂きます。
(申込締切: 2009年10月15日(木)13:00)
登録頂いた個人情報は、セミナー受付けや前後の連絡以外に利用することはありません。

「受付票」を返送しますので、当日ご持参ください。



Open Access "Friday & Night" 2009 発起人】

倉田 敬子(慶應義塾大学, 文学部 人文社会学科 図書館・情報学専攻 教授)
林 和弘(社団法人日本化学会, 学術情報部 課長)
渡辺 智暁(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン, 理事)
生貝 直人(クリエイティブ・コモンズ・ジャパン, 理事)
坂東 慶太(My Open Archive, Managing Director)



【お問い合わせ先】

Open Access "Friday & Night" 2009 事務局
坂東 慶太(My Open Archive, Managing Director)

info@openaccessweek.jp
http://www.openaccessweek.jp/


『学術情報流通とオープンアクセス』*3を執筆された倉田先生、NIMS eSciDocで最近何かと話題の物質・材料研究機構の高久さん、MyOAの坂東さん・・・と聞き馴染んだお名前も多い一方、Open Course Wareの山内先生やクリエイティブ・コモンズ・ジャパン関係の方等、OAと関連しうるテーマとは知りつつそこまでこれまで絡みのなかった領域からも参加される方がいるということで、これはなかなか興味深いのではないかとかー。
特にOAとの絡みってことでは(冒頭に挙げたOAの定義を考えると)クリエイティブ・コモンンズ関係の方の参加が興味深いですね!


事前登録制(〆切 10/15 13:00)とのことですので、興味がおありの方はお早目の登録をー。
ちなみに(よく言ってますが)自分はちゃっかり既に申し込んでからこの告知を書いています(笑)

*1:だから「インターネット上で無料で論文を読めるようにすること」はBOAIの立場にのっとれば(それだけでは)オープンアクセスとは言わない。必要条件ではあるが十分条件ではない的な

*2:オープンアクセス出版の雄、BMCから講演者がいらっしゃるほか、あの「5号館のつぶやき」(http://shinka3.exblog.jp/)の栃内先生がいらっしゃると言うことでこちらも豪華!! 当然自分は申込済みです

*3:

学術情報流通とオープンアクセス

学術情報流通とオープンアクセス