第4回DRFワークショップ「日本の機関リポジトリとそのテーマ2008」 (2)テーマ別ディスカッション(図書館総合展1/10未満レビュー? その5)
ずいぶんと間が空いてしまいましたが・・・(苦笑)
前回に引き続き、図書館総合展2日目、DRF4についての参加レポートです。
- DRF4のページ(当日の発表資料が見られます)
今回は第2部、テーマ別ディスカッションについて。
ここではまず4人の演者の方々がそれぞれの扱うテーマについて提案発表を行われたのち、参加者はその4テーマのいずれか好きなものを自分で選んでディスカッションに参加する・・・という形式がとられました。
ってことで、まずは4テーマそれぞれのご発表についてから。
テーマ紹介&問題提起
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- NDLTD(Networked Digital Library of Theses and Dissertations)+日本固有の情報(URI以外の所在、出版情報、報告番号、授与年月日)
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- メタデータを作る「外部アダプタ」の共有?
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- 質疑
- 学位論文の出版情報はどこから入手するの?
- アイディアはないが、論文著者に聞いているとそういう事例があった。いい考えがあればお聞きしたい。
- 学位論文の出版情報はどこから入手するの?
- 質疑
- 2.「デジタル時代の文献デリバリー:ILLはどうなる? IRはどうする?」(北海道大学附属図書館、杉田さん)
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- (min2-fly注)ILL(Inter Library Loan)=図書館間相互貸借のこと。ある図書館にない資料について、利用者から需要があった場合によその図書館から借りて提供するシステム。現物貸借(図書等のそのものを貸す)と文献複写(雑誌論文や図書の一部をコピーしたものを利用者に渡す)を一緒くたにしてこう呼ぶこともあり、基本的に当日のテーマの対象は現物貸借よりは複写。
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- リンチの定義から
- (機関リポジトリは)サービスである
- 機関内部の構成員に文献公開の場を与えるもの
- Full Textが対象
- 所属研究者の著作を公開
- リンチの定義から
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- ではどうやって研究者の賛同を得るか?
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- 質疑
- ILLは大学の中で需要が賄えなかったものが外に出てくる。ここでまかなえるようになれば。
- 質疑
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- (人材育成を担う)コミュニティとコミュニケーションの醸成
- これをどうやるか/誰がするかをディスカッション・提言したい
- (人材育成を担う)コミュニティとコミュニケーションの醸成
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- SCPJの活動を通じての話
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- 相互理解(出版、学協会、研究者、図書館の)を図る場としたい
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- 質疑
- 海外からだと利用者行動の研究もあり、論文単位の利用もある。そういうときにこの話が重要。
- 質疑
で、以下参加者はこの4つのテーマのどれかを選んでそれぞれディスカッションに参加、と。
ちなみに自分は「デジタル時代の文献デリバリー:ILLはどうなる? IRはどうする?」に参加しました・・・文献複写はねー、筑波大は何かと他所様のお世話にばっかなっているからねー*1。
このテーマのディスカッションについては下記のリンク先でまとめが公開されています。
ILLと機関リポジトリを結びつける方策についての議論が色々交わされていますが、個人的に面白いなあと思うのは「毎年、NIIが(NACSIS-ILL*2の)人気文献ランキングを公開して、そこに出てくるものを機関リポジトリ担当者が登録していくようにしては・・・」という話。
NACSIS-ILLの人気タイトルランキングについては既にREFORM*3報告書等でも公開されているので過去分についてはそれを見ていけば、って話なんだけど、速報版みたいなのはNIIで毎年公開してくれた方が面白いかも知れない、とかなんとか。
上位何タイトルまで出すか、そのうちどれだけが機関リポジトリ担当者がアクション起こせばリポジトリに入れられるものなのか、って懸念はあるけども・・・まあ、やるだけやってみてどうにもならんかったらまた考えよう、って言う感じでも良いのではとか。
別に機関リポジトリに絞らなくても、需要の多い国内誌にそのことを伝えたら学会側で電子化検討する際の材料にもなろうし。
利用者としてはそっちで手に入っても結局電子的に入手できるなら同じなわけだしねー。
で、テーマ別ディスカッションの後はショートコミュニケーション(短い事例発表)とディスカッションの結果をまとめた「横浜宣言」の部となるわけですが・・・それはまた次に。
せめて総合展終わって1ヶ月が経たない間にはレビューを終えたいぞ、とかなんとか(苦笑)