「カタロガーとレファレンス・ライブラリアン」("American Library" 1995.1より)
下の記事と同じく、昔の文献を漁っていたら「集中・分担目録時代の整理業務の位相」(志保田務. 図書館界. 1995. vol.47, no.3, p.112-121)の中で、"American Library"誌に掲載されたカタロガー(目録係)とレファレンス・ライブラリアンに関するジョークが載っていた。面白いから転記。
538人のカタロガーに聞きました。
カタロガーが嫌いなもの(Best8)
- カタロガーの間違いを辱めるレファレンス・ライブラリアン
- LCSH(米国議会図書館件名標目表)の不合理さをカタロガーの責任にするレファレンス・ライブラリアン
- レファレンス・ライブラリアンに依頼された用件で己の才能を磨滅すること
- 総て本の整理は、急いで!と考えているレファレンス・ライブラリアン
- 目録を知らないレファレンス・ライブラリアンがするカタロガーの仕事の批判
- カタロガーをレファレンス・ライブラリアンの支援スタッフと見ているレファレンス・ライブラリアン
- 目録する前にカタロガー室から本を借りてゆくレファレンス・ライブラリアン
- (レファレンス・ライブラリアンと無関係なので省略)
カタロガーの個人的な楽しみ(Best4)
- 職員の冷蔵庫からレファレンス・ライブラリアンの昼食を頂戴する
- 嫌なレファレンス・ライブラリアンの管轄の本の配列を故意に乱す
- (レファレンス・ライブラリアンと無関係なので省略)
- レファレンス・ライブラリアンを困らせるため英語よりMARC(機械可読目録)語を喋る
仲悪いなあ、カタロガーとレファレンス・ライブラリアン(笑)
ちなみにここでいうレファレンス・ライブラリアンはレファレンスだけじゃなくて貸出サービスとかも担当している人です。
より広く整理係VS閲覧係の構図だと思ってもOK。
いやあ・・・しかし、面白い以上になんだかしみじみしてしまった。
昔は図書館の中ではかなり大きな勢力を誇ってたんだよなあ、カタロガー。
「図書館雑誌」に掲載された小林真理の「花はどこへ行った」(図書館雑誌.2002, vol.96, no.8, p.508)あたりでその後の日本のカタロガーの落日っぷりは語られているが・・・いやいやいや。
今なお、いるところにはいる(確実にTRCとNDLにはいる)んだろうが、小規模の図書館でカタロガーが冷蔵庫からレファレンス係の昼食をパクる、なんて光景はもう見ることできないんだろうなあ・・・
・・・あ、そういや最高裁判所図書館はいまだに職員が全部オリジナル・カタロギングしてたな。
あそこの冷蔵庫は職員全体で2つだったし、もしかするとまだあるところにはあるかもな、カタロガーがレファレンス係の食料を奪う光景。
あそこはカード体目録も未だに使っていたし、OPACの公開も去年だしで、国会図書館の支部兼、国内最大の法律図書館とは思えない化石のような場所であった(いや、外見は立派なんだけどね?)。
今思うとあそこに実習行けたのは良かったのかも知れないな。
今の段階で最新の設備とかなら、10年もすればどこ行っても見かけられるようになるだろうが、カード体目録を印刷したり検索する経験なんてそのうちどこでも出来なくなるだろうし。
・・・別に一生しなくてもよかった気もするが・・・