かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

司書は専門職と呼べますかpart.2 -プロフェッショナルとは自分を安売りしないことだろ-


part.1はこちらから。


ネタ元:図書館学の門をたたく-職業としての司書

図書館で働くことは、立派に家族を養えるようなちゃんとした職業ではないのでしょうか?

だって同じ能力でも、賃金が低くても請け負う所があるんですし、そうならそちらに任せた方が役所にとっても嬉しいですし。

…やっぱりこういう現象が起こるのは、司書という仕事にそれほどの価値が認められていないからだと思います。

それこそ、そこらへんのコンビニの職員と変わらない。

なおのこと悪いのは、そんな低賃金でも供給の少ない司書の仕事ですから進んでやろうという人がいっぱいいることです。

コンビニで働くより好きな本に関わってお金もらう方が楽しいでしょうし

でもそうすると、低賃金化が止まらない。嘱託でも非常勤でも、という人がわんさかいるこの状態も問題なのでしょうね。


この話しを見て、若干方向性は違うけど「404 Blog Not Found:Web業界の底上げとか崇高な考えがあるなら、お前ら率先して金取ろうよ」を思い出した。
IT技術者と違って収益性の低い図書館員があんまり高額ふっかけるのは難しいかも知れないが。
しかし、「安くてもいいから働きたい!」っていう人らがたくさんいるのに金をかける奴もいないわな。


専門職である、ってことは「自分を安売りしない」ってことでもある。
本当に必要とされる能力ならちょっとくらい吹っかけたって買ってくれる人はいるはずだし、そうして高賃金を得るのが資本主義社会のあり方でもある。
そこら辺、まだしも学術情報流通関連の世界の方がまだはっきりしてる。
研究者がより高く評価してくれる機関にどんどん移ってくのは当然として、研究者以外の学術情報流通のプレイヤ(出版者・アシスタント・図書館員)も流動的に、高く買ってもらえるところにどんどん移ってく。
ライバル出版社に移ったりとか、オープンアクセス誌からNatureに移るとか。
優秀な人材を得るためには金が必要で、そうであるからこそ全体の賃金水準も引き上げられ・・・と*1


もっとも、そういうことが出来るのは学術情報流通がまだしも「成果」がはっきりしている(研究成果や企業の売り上げ等として)からで、公共分野でそういうモデルが成り立つのかはわからないけど。
それに上記みたいな制度を敷くためには一方で正規職員にも完全な実績主義(能力/責任が上がらないと年齢上がっても給料据え置く、とか)が導入されることが前提で、そうなると図書館職員全体の安定性は下がるだろうし、既得権益を得ている層からは反発も起こるだろうなー。


ま、誰もが諸手をあげて賛成する案なんて存在しないだろうし。
どっかを犠牲にするのを躊躇って全員で落ちるのがお望みならそれはそれでー。

*1:そのせいで雑誌が値上がりしてるんだとしたらアレだが・・・