- 作者: 田中克彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/06/20
- メディア: 新書
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「ことばと国家」の田中克彦の新刊。
1カ月強かけてだらだら読んでたのだが、今日読了した。
言語学話は読んだり聞いてる分にはとんでもなく面白いなー。
自分でやるかはまた別にして。
自然語と人工語の話、エスペラント語の簡単な紹介、エスペラント語への批判、アジアにおけるエスペラント語、そして終章へ・・・という感じで話が進められて行くのだが、個人的には第四章「アジアのエスペラント」の、日本人に関する部分が相当面白かった。
「え、こんな人までエスペラント支持者やエスペランチスト*1だったの?!」と思うような人の名前がずらっと。
中でも、
の名前が並んだあたりでは思わず「『北神伝奇』かよ?!」と叫びたくなった。
いやまあ、大塚英志が当時の日本のキーパーソンを抽出してて、かつそのキーパーソンにエスペラントが普及してたから、ってことなんだろうが・・・
ん? でもじゃあやっぱ重要人物にエスペラント普及してるんじゃん。すげえなエスペラント語。
「世界語」たらんと言う夢があるよね。
国連で誰もがエスペラント語を使うことになれば、英語やフランス語のアドバンテージ/ディスアドバンテージなんか気にしなくていいのに、みたいな(って言ってるそばから俺もカタカナ英語を使っている件・・・)
そうは言っても今現在の学術研究界じゃ英語が出来ないとどうしようもない状態はどうにでもできないと思うし、必然的に英語が母語の人が有利な状況はそう簡単には覆せそうにもないわけだが・・・
そのうち、機会があったらちょっと手を出してみようかなー。
そう思わせるだけの魅力があった、新書「エスペラント」。
田中克彦はもう70歳超えてるそうだが、まだまだ頑張ってほしいと思う。