かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

ライブパフォーマーにはなれない僕(ら?)のプレゼンテーション


ARGの岡本さんの口頭発表に関するエントリを読んで、そういや自分、前に「卒業研究に大切なこと」を書いた時に「プレゼンは格好いい他人のまねをする」ことと「Power Pointのリハーサル機能に注意」としか言ってなかったことを思い出したので今更だけど補完エントリ。
そろそろ卒論の着手発表とかの時期でもあることだし*1
基本的に口頭発表する上で重要なことは上記の岡本さんのところで言われているし、他にも「4年生の卒研発表を見学してきて感じたこと - yuyarinの日記」や「卒研発表を経験して気づいた、研究姿勢・プレゼン・質疑応答のコツまとめ - ミームの死骸を待ちながら」に丁寧にまとめてあるので今さら付け加えることはあんまりないと言えばないんだけれど・・・
他であまり言及されていなかったので、今回はMS Power Pointにおけるリハーサル機能とかについて。


さて、岡本さんのところでも言われているし、他のお二方のところでも言及されていることだが、プレゼンテーションをする上で重要なことの一つは時間を守ることと練習を重ねることである。
もちろん、人によっては異論もあるかも知れない。
例えばうちの研究科の、面白いプレゼンテーションをすることで知られる某先生は「緊張感がなくなるからぎりぎりまでスライドを練って一発勝負でやる方が好き」と言っていたし、研究会とかでよくご一緒する先生もやはりぎりぎりまでスライドを作ってたりするが発表になれば非常に滑らかな、要領を得たプレゼンテーションをされている。
ただ、それは人前で発表したり議論する経験・訓練を他人の数倍、積んできた先生たちだから出来ることで*2、プロの演奏家が初見の譜面でも演奏できたり、アドリブで格好いいパフォーマンスを入れられるようなものなのではないかと思う。
ゆるぎない下地があるからこそ出来るのであって、誰にでも出来るようなことではない。
「ある一つの曲を練習して演奏できるようになる努力」と、「どんな曲でもぶっつけ本番で上手に演奏できるようになる努力」のどちらが大変かなんて自明だ*3
後者の場合、プレゼンテーションそのものの地力が求められるわけで、そんなの一朝一夕で身に付くわけがない。
「プレゼンテーションをすること」そのものの基礎トレが十分以上に行われていてはじめて「ある一つのプレゼンテーション」について練習なしのぶっつけ本番でも要領を得たプレゼンを、しかも時間内に終わらせることのできる域に達するわけで・・・卒研や修士レベルでいきなりその域になろう、と言うのは、地道に目の前のプレゼン練習をするよりもずっと大きな努力/労力を有することで、現実にはなかなかなし得ない(そしてプレゼンがうまくいかない)ことなのではないかと思う。
いや実際、いくら要点まとめたスライドがあるとは言っても、その場で間々をつなぐ言葉を一つ一つ選んで、時間内に終わるようにシナリオを組み立てて人前に立つプレッシャーに立ち向かいながら発表するとか、冷静に自動再生みたいな感じである。考えて大変過ぎるだろ。
少なくとも今の自分には無理。


そんなわけで「楽をするための努力は惜しまない」自分は発表のときは(去年の卒研着手発表以来)Power Pointのリハーサル機能を使ってタイミング記憶させて、自動再生でプレゼンをしている。
以前のエントリの方でも書いたが、MS Power Pointで「リハーサル」機能を使うとスライド1枚1枚の切り替え時間を測ってくれて、かつリハーサル終了時にそのタイミングを記憶させれば次から勝手に自動再生でスライドを切り替えてくれるようになる。
過去、自分が見てきた範囲だとどっちかというと予期せぬタイミングで自動再生はじまっちゃって慌てる人の方が多かったが、知ってて使えば割かし便利な機能である*4
あとは持ち時間が10分なら10分、20分なら20分で終わるように口頭原稿作って、文言や間の取り方の微調整を繰り返しながら持ち時間ぴったりで再生が終わるようなタイミングを覚えさせて、自分自身もそのタイミングから外れないように(若干、早口になるくらいならいいが早すぎるとスライド切り替えの間が空くので×。まあ自分で切り替えればいいんだが、せっかく自動再生なのに手出すの格好悪いじゃん。遅いのはスライドに置いて行かれるので論外)練習を繰り返せば、ライブパフォーマーには未だなれない自分のような人間でも、とりあえずなんとか格好のつくプレゼンにはなる。


たまに原稿作ってることとか自動再生使ってることを「よく準備してて凄い」とか言われることもあるが、そうしないと上手く出来ないからやっているのであってなくて済むならそれでいい、という気もする。
特に原稿については完全に覚えて見ないでしゃべれるようになれた方がいいとは思うのだが、これまたまだその域には達せていない。
自分の場合基本、時間めいっぱい使うようなプレゼンになることが多いので、暗記でやろうとすると思いだすのにかかるタイムラグが厳しかったり、同義語であっても文字数が多い方を使っちゃうと一瞬でタイミングがずれる、ってこともあったり。
だから原稿は本当に「それを読んでいればいい」レベルになるし、それも無理ないスピードで読めるように削ったり言葉変えたりしているので、最終的には原稿とスライドのファイルさえあれば、別に自分じゃなくてもほとんど同じプレゼンテーションが出来るだろう、って言うような感じになっている。
その上で(卒研発表や学会発表のときは)5回も10回も通し練習を繰り返した状態で発表してたんだから、気分はほとんど中学の文化祭の劇みたいな感じ。
あんまり格好良くはないかもしれないが・・・研究内容を多くの人に理解してもらうという目的を達するために、現在の自分に出来る限りのパフォーマンスを出そうと思ったら、未だ地力の足りない自分はこんな感じに落ち着いた。*5


つまるところは練習するのも読み原稿作るのもタイミング計るのも、「その方が簡単だし楽なんだ」というところ。
一発勝負の度胸も実力もない自分みたいな人間にとっては特に。
持ち時間大幅オーバーとか超怖いしね。
修論発表会でそんなことになろうものならどんな目に合うか・・・考えただけで((((;゜Д゜)))


ま、自分はしばらく人前で発表する機会ないからその恐怖ともしばし無縁でいられるのだけれどー。
・・・無縁で、いられる、よな・・・・・・・・・???


*1:分野によっては一部終わっているだろうけれど

*2:もちろん中には天賦の才で出来ちゃう人もいるんだろうが

*3:もちろん曲にもよるかも知れないが・・・

*4:実際には自動再生してくれるもっと便利なプレゼンツールがあるのかも知れないし、PPTでももっと上手くやる機能がある気がするが、今の自分にはとりあえずここが限界。あと自分のPC持ち込んだり出来ない大人数の発表では、Power Point2003以外は使えないことも良くあるのでとりあえずPPTが無難かな、とか

*5:そこで安住する気はもちろんないが。出来れば、自動再生なのに原稿見ないで歩きながらプレゼンしたり出来るレベルにはなりたい。