と言うわけで以前から予告していた通り、10/14に開催されたSPARC-Japanセミナー2008(オープンアクセスデイ特別セミナー)にて、機関リポジトリのアクセスログの分析について発表してきました。
- 国際学術情報流通基盤整備事業 │ イベント情報 │ H20 │ SPARC Japanセミナー【Open Access Day特別セミナー】「日本における最適なオ-プンアクセスとは何か?」
- 早くも講演者の皆さんの発表資料もアップされています。自分だけ量が多いのは仕様です。
講演者のお一人であるid:keitabandoさん、「夜の部」の取り仕切り役であるid:simpleAさんはじめ、すでに多くの参加者の方がレビューや感想をアップされています。
- オープンアクセスの日もオープンアクセスな夜も大成功 - @keitabando のブログ
- Open Access Day & Night - simpleA
- SPARC Japan セミナー2008 【Open Access Day 特別セミナー】 - まさおのChangeLogメモ
- http://d.hatena.ne.jp/DIEtrich/20081014#p1
- 今日はオープンサクセスの日 - ココナッツの日記
- 坂東さんの講演を聴いてきた - 横浜逍遙亭
- SPARC Japan セミナー2008 「日本における最適なオープンアクセスとは何か?」参加記 - 発声練習
講演者の皆さん、参加者の皆さん、拙い発表をお聞きくださりありがとうございましたm(_ _)m
「突然声が大きい人が出てきて目が覚めた」とか「もっと大人しい発表をする人かと思った」などなど、声のでかさとテンションの高さに関してコメントをいただくことが多かったですが(汗)
すでに詳細なレポートも会場の雰囲気についても皆さんが書かれていて付け加えることがあまりない感じなのですが・・・
自分の感想としては様々な立場や考え方の人たちと意見を交わしたり(夜の部で)お酒を飲んだり質疑で一戦起こしたりする場を共有できて、とにかく楽しかったと言うことにつき、そんな場で発表する機会をいただけて大変光栄でした。
それはそれとして、会場でもオープンアクセス、さらには新しい時代の学術情報流通と科学的知識の在り方について激論が交わされ、ブログ上でも上に挙げさせていただいた各エントリで皆さんそれぞれのオープンアクセスやサイエンティフィック(およびサイエンス)コミュニケーションに関する考え方が述べられている現在もまた、非常にエキサイティングだな、と思ったり。
司会者の林さんが講演者・来場者について「ステークホルダー」という表現を使われていたのが実にしっくりするくらい、一方では忘れてはならない理想としての「科学的な知識は人類の共通財産」という考え方があり、他方で「誰が出版コストを負担するのか」という現実問題や、(今回は誰も言ってなかったけど)「そうは言っても(特に株式会社であるところの商業出版社は)儲け出さないといけないんだ!」という本音もあるはずで、「神話」としてのオープンアクセスの裏に(別に裏に隠れてないのもあるけど)ある有象無象の「利害関係」を考えると・・・わくわくしてくるね!*1
ちょろっと講演者のお一人の永井さんのお話の中でSpringer社によるオープンアクセス誌BioMed Central買収についてお話があったり、京大の森先生からは質疑の中で(これまでどちらかと言えばOAに親和性が高い分野として紹介されることの多かった気のする)数学分野でOA化による購読減⇒OA取りやめ(エンバーゴをつける)にする雑誌が出たことについて触れられたりしていたあたりも、オープンアクセスの問題が一筋縄ではいかないことを示しているようでもあり・・・他方でNIHパブリックアクセス方針の推進(反撃もあるけど)やなんかもあり、1年後には何がどうなっているかわからないこの分野。
それぞれの立場からオープンアクセスについて考えて、共通の理想を実現しつつも自分たちの利益を最大限に高めるために如何なる行動をするか・・・が、「ステークホルダー」としての私たちには必要なことなんじゃないかな、とかなんとか。
っていうかそうしないとOAに限らず激動のこの時代を生き抜けそうにありませんしね!(切実に)
そして最後に改めて、みなさん本当にありがとうございましたm(_ _)m
*1:ごめんなさい、基本的に混沌としていて油断できない状況は嫌いじゃないんです