かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

大学院にいることのメリットを金銭的に考えてみる(あるいは「かたつむり〜」は皆さんのおかげです)


新学期早々更新停止気味だったのは新学期補正で忙しさが2倍増しくらいだからです(苦笑)
昼はチューター、夜は研究、合間にニコニコ動画
なんという三重生活・・・(一部明らかに余計です)。


さて、新学期というのは何かと忙しいのに加えて何かともの要りな時期でもあります。
特に大学院生であるところの自分にとって大きいのは学費の振込み。
これを忘れると掲示板に名前を貼り出されて恥ずかしいばかりか色々とあれなので、この時期は注意しないといけませんね。


で。
学費の振込みで思い出したのが、以前ちょっとTwitter上で話していた「大学に入ることのメリット」を、金銭的に考えてみようと言う話。
分野によってはそもそも大学の実験機材を使わないと出来ないこととか大学生・大学院生という立場がないと触れせてもらえないデータも多いわけですが、とりあえずそれは置いておいて。
普段、日常的に自分が使用している物品・消耗品・ソフトウェアや各種ライセンスをもし普通に購入して使うとしたらどれくらいかかるか・・・ってところから、自分が大学にいるために払っている金額と大学にいることで享受できている環境(=リターン)の差について考えてみよう・・・とかなんとか。
もちろん実際には大学の研究費ではなく先生が外部から獲得してきた研究費で購入しているものも多いわけですが、とりあえず今はそこは置いておく方向で(それだって自分がそもそも大学生/大学院生じゃなきゃ使えないわけですし)。


それでは試算開始!
なお支払いとしての入学金や各種の長期間使用するであろう物品については、自分が博士まで進んだ場合の年数である5年で割って金額を計算します。

支払編

  • 1.授業料:年額267,900円
    • 本来は半期で上記価格だが、自分は昨年度授業料半額免除を2期連続で受けたため半額で計算。今年度取れるかは未定。
  • 2.入学金:282,000円/5年=56,400円。
    • 博士前期⇒博士後期はストレートで進学すると入学金かからないので、博士前期入学時価格で計算。
  • 合計:324,300円

だいたい自分は1年間大学にいるためにこれくらいの金額を払っている、と。
「授業料」の名目で払いつつ去年で必要単位ほとんど取ったので今年はゼミ以外授業を取らないというのはこれ如何に。

リターン編

  • 1.ハードウェア
    • 占有ノートPC:約400,000円/5年=80,000円
    • 占有デスクトップ:約100,000円/5年=20,000円
    • 占有ディスプレイ:約200,000円/5年=40,000円
    • 占有外付けHDD:約12,500円/5年=25,00円
  • 合計:142,500円
  • ノートPCとディスプレイがかなり高額。どっちも自分の研究生活の命なのでこれは譲れない。
  • 2.ソフトウェア
    • MS Office Enterprise:約72,000円*2(PC2台分)/5=28,800円
    • SPSS:189,000円/5=37,800円
  • 合計:66,600円
  • OfficeはOneNote使いなのでEnterpriseじゃないと困る。個別で買ってもいいのかもだけど。ところでライセンスって2個ついてくるんだっけ? それだともう少し安い。
  • SPSSもないと死ぬ。Rでやれって話だけども。ちなみに大学に入らない場合はアカデミックライセンスで買えないのでレギュラー価格で計算(電子ジャーナルとかも同じく)。
  • 3.消耗費
  • 紙代とか考えだすときりがないので保留。とりあえず一番かかってそうなプリント代だけ。
  • 4.図書・雑誌
    • 図書:和書月1冊くらい*1,500円くらい*12+洋書年2冊くらい*10,000円=38,000円
    • Journal of Academic Librarianship:14,700円(個人購読)
    • Serials Review:14,700円(個人購読)
    • JASIST:14,000円(レギュラー会員費)
    • Scientometrics:14,000円?(個人購読価格不明につき他に揃えてみた)
  • 合計:954,00円
  • 図書については和書1冊1,500円の見積もりは安いかも知れないし、古書で買えばもっと安いかもしれない。
  • 洋書はもっと読んでいるような気もする。とにかく奴らは高い。自腹で買う気はとてもおきない。
  • 雑誌は実際には他にも論文単位で読んでいるのは多数あるが、とりあえずRSSリーダーで購読していた電子ジャーナルがこんだけ。
  • 半年に1回くらい読みたい記事が載っているScienceだのNatureだのをカウントしだすとえらいことになりそうだが・・・
  • リターン総合計:315,660円
  • 差し引き:8,640円


これで「つまり8,640円分、大学に払っている金額で損しているんだよ・・・!」と言うのは超早計。
なぜならここではJournal Citation ReportとWeb of Scienceの費用を計算できていないから!
どっちもトムソン・ロイター社が出しているデータベースと引用索引なわけだけど・・・これを個人購読した場合、いくらかかるのかは調べてもわかりませんでした。
っていうか個人購読できるんだろうかこういうデータベースって。
金額いくらくらいになるんだろう?
なんか軽く上記の総合計金額ふっ飛ばしそうな気がするが・・・
でもどっちも自分にとってはなくてはならないツールだしなあ。


さらに図書・雑誌のところで書いたように実際には他にも拾い読みしている論文がたくさんあるし(そいつらをpay per viewで払ったら・・・って考えただけでもやはり上記総合計金額ふっ飛ばしかねない)、学会等で発表する際の補助金とか、雑誌に投稿する際の別刷り代とか、ここで覚えきれていないようなこまごました費用を換算すれば、おおよそ大学に払っている分はペイできている・・・どころかお釣りがきていると考えられそう(仮に昨年と同程度に学会で発表して、その分の補助を得られると確実にペイ確定)。
言いかえれば、実際の授業にかかる分や先生方が自分を指導するためにかかる分の費用(実際にはそれこそが大学にいることの一番の意味)の分はまるまる儲けということに!
これだから大学院生はやめられませんな!(修了時にはやめるけど。・・・修了できれば(汗))



・・・って、自分が得した分の費用が国とか外部資金とかその他もろもろから出ているだけなわけですが(大汗)
自分がこのブログでJCR使って記事書いたり電子ジャーナル読んで面白かった話書いたりしているのもそこら辺のお金に支えられているわけで・・・「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」は(やや遠まわしだけど)国民の皆様のおかげをもって存在しております。
費やしていただいている分が社会に還元で来ているかは甚だ怪しい所ですが(汗)


き、近年の「近年」数えるのだって大事だよね?!
とりあえずついたブクマ分は社会に還元しているってことで!(本当か)

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2009-04-13 3:11a.m追記
プリント代1桁ずれていたのを修正しました(汗)
11,600円です。
111,600円だったらまずいです(大汗)