すでに一部でレポートも上がっていますが、2009年度1回目のSPARC-Japanセミナーに行ってきました!
- SPARC-Japanのページ
- 美どりさんによるレポート((2)まで)
- SPARC Japanセミナー2009第1回:レポ(1)まずは会場の雰囲気 | 稼ぐ図書館をつくる!と思いましたができませんでした
- SPARC Japanセミナー2009第1回:レポ(2)そもそもSPARCって? | 稼ぐ図書館をつくる!と思いましたができませんでした
SPARCとは、Scholarly Publishing and Academic Resources Coalition の略。直訳すると学術出版と研究資源の連合、SPARC Japanは日本の学術研究の成果を海外にいかに発信していくかという課題に取り組んでいる事業です。
SPARC Japanセミナー2009第1回:レポ(2)そもそもSPARCって? | 稼ぐ図書館をつくる!と思いましたができませんでした
毎回、開催が楽しみなこのSPARC-Japanのセミナーですが、今回も昨年の第2回ARGカフェでもライトニングトークをされ*1、昨年/今年と「情報管理」誌にも寄稿されている*2、たぶん最近の図書館界隈でもっとも有名なサイエンスコミュニケータである長神風二さんと。
物質・材料研究機構の研究者で、専門のテーマだけでなくご自身の体験や執筆スタイルに基づいてセレンディピティについてやセルフアーカイビングのすすめなどの論文も発表されている、かつそれを物材研のリポジトリにフィードバックもされている轟眞市先生*3というお二人の講師を迎え・・・いやあ、それは行くしかないだろう的な布陣です。
というわけで以下、いつものように参加メモです。
前置きしておきますが長いです! 内容たっぷりかつ自分にまとめる腕がないので!
それでも全然皆さんのお話を書き切れてはいないので、自分がうまく理解できていない部分、聞きとれていない部分、書き切れていない部分は例のごとく多々あると思います。請御容赦。
もし誤りなど、お気づきの点がありましたらコメント欄等にてお教えいただければ幸いですm(_ _)m
禁欲的な図書館に想うこと:サイエンスコミュニケーターからのメッセージ(長神風二さん、 東北大学脳科学グルーバルCOE特任准教授)
- 自分のことを研究者とは思っていない。6〜7年前からは実務家として、サイエンスコミュニケーターとして活動している。
- 過去1年間に・・・科学館、博物館、美術館、図書館、日本科学未来館に行ったことのある人は?(その場で挙手を募る)
- 日本科学未来館<科学館<博物館<美術館<図書館
- 今日話したいことは「jealousy」。図書館に嫉妬している。
- 文学館には勝てるかな?
- サイエンスコミュニケーション!
- 「科学コミュニケーション」は前はscientific communicationだったが最近はscience communicationで・・・と混乱するのでサイエンスコミュニケーションに統一する
- やっているのは科学広報、サイエンスライティング、一般対象イベント
- 具体的には・・・「アースストーリー」という映像の作成/サイエンスカフェ/脳関係の企画展/世界宇宙飛行士会議etc…
- 脳展を例示(たぶんあとでスライド公開されるはずなのでそちらを参照。えらいことになっている(汗))
- 基本:「難しい研究成果を社会に向けて、「わかりやすく伝える」」⇔それだけじゃない!
- 「対話を通じて、何のための科学かを根本から考え直し、社会との共有を図る」
- 「科学技術創造立国」・・・科学技術基本法の提案自由。同法は全会一致可決。国民の総意?
- 科学技術創造立国の凋落・・・「科学技術の発展は人を幸せにしないイメージ」が広がる?
- 人々の声によって楔を打ち込む=コミュニケーション
- 人々(一般市民、研究者・研究関係者込みで)の声を吸い上げて形にするシステム全部ひっくるめてサイエンスコミュニケーション
- Science communicationとScientific communication
- 図書館と科学館の対比
- 図書館:1億人が知っている/誰もがどこにあってどう使うか知っている⇔科学館:とんでもないところにあったりする
- 図書館:年に何度も使う人が珍しくない
- 図書館:呼んでないのに人が来る⇔サイエンス:どう人を呼ぶか頭をひねっているのに・・・
- 内閣府が科学技術に関する意見募集
- なぜ図書館は協力を求められない?
- わざわざアンケートを取らなくたって検索の履歴やレファレンスの履歴から「普通」の人が本当に知りたいと思ったことのデータベースがある
- サイエンスコミュニケーションの世界ではわざわざアンケートとらなきゃいけないし、対象も科学館に来るマニアックな人
- 図書館にあるデータを使わせて貰えるなら使わない手はない
- サイエンスコミュニケーションが図書館に期待すること
- 1.一般市民の要望、想い、要求を形にする場になれないのか?
- 2.異なる知の体系を整合させるノウハウを一般化して提示してほしい
- レファレンスはある体系の要求を別の体系にすり合わせる作業。そのノウハウは垂涎の的
- 3.学術から社会への直接的な情報発信(特に日本語)の場としてリポジトリを機能させられないか?
- 4.サイエンスコミュニケーションの現場として連携?
- 公共智と成果のハブ=図書館?
- ハブとして機能するためのイベント
- 書籍を中心にした特集展示
- 「参考書ないの?」と聞かれることはよくあるが図書についてはサイエンスコミュニケーターは図書館員に絶対かなわない。そこで協力を
- 古くなった研究情報に注釈をつけるなどの連携?
- パスファインダー
- 公共智と成果のハブ=図書館?
- 5.統計の専門家として、研究のベンチサイドコンサルテーションができないか?
- 研究現場との関わり:論文がウェブで取れれば大学図書館はいらない?
- アーカイビングの意義を言わずにわかってくれるのは轟先生くらい??
- 評価指標についてのコンサルテーション?
- 研究現場との関わり:論文がウェブで取れれば大学図書館はいらない?
- 6.社会技術/社会実装開発支援等の研究プログラムに参画できないか?
- サイエンスショップ、コミュニティベースドリサーチなどとの接近の可能性は?
- 7.知的財産制度や研究システムまで俯瞰したビッグビジョンを描けないか?
- 今後、研究データが単体で流通するとか出てくる
- 自分で実験はしなくてもデータに基づいてレビューができたりするかも?
- 図書館と科学館の対比
- もう一度、サイエンスコミュニケーション
- 研究者1人の興味と1億人の興味を隙間なくシームレスに埋める仕事
- 「科学のためor社会のため」?
- 「何のために?」に答える尺度に多様性を求めてもいい
- 「安全」とか「綺麗」とか
- 科学VS社会の二項対立ではない、共にある科学を
- だからこそ図書館に期待
休憩。
だからセルフアーカイブングはやめられない!(轟眞市さん、物質・材料研究機構 光材料センター 主幹研究員)
- 自己紹介
- 光ファイバの研究者。最近はOAジャーナルに成果を出すように。
- 研究生活を題材にした読み物を執筆。それもなるべくセルフアーカイブ。
- こういうことをするのは恩返し?
- TEXnician, Rubyst, Debian GNU/Linux user
- フリーソフトウェアの恩恵。
- ソフトは作れないが書いたものについての恩返しをしたい?
- 動機:一言でいえばセレンディピティ
- セレンディピティ:当てにしていないものを偶然にうまく発見する才能
- ファイバー工学だけでなくもっといろいろな人に知ってほしい。
- 例1:お試し撮影が世界初
- 光ヒューズが飛ぶ瞬間を毎秒30コマでとったポスターを見た業者・・・「毎秒25万コマ撮れるカメラでやってみましょう!」
- やるならもっと面白いのやろうぜ・・・ファイバヒューズ(光で光ファイバーが壊れ続ける現象)を撮ってみよう
- 1日カメラ借りてやったけどうまくいかない。あきらめきれないからもう1回だけ、ってお願いして国際会議の〆切後論文に投稿、採択される。
- 例2:禅の境地で査読突破
- カメラの手柄だけじゃ恥。なんでそうなるんだ?
- 発見したことを論文投稿したら1/100秒の精度の実験が必要なデータを要求される
- 水の心で実験して成功、論文投稿
- この偶然は誰がもたらした・・・?
- 天/己/人それぞれの寄与率は?
- 己の采配は己で頑張れ。
- 人の采配は・・・廊下のポスター⇒飛び込み営業。人を動かすようなプレゼンテーションを行うことで人が動く
- 天の采配・・・天は自らたすくるものをたすく
- 手を動かし、人を動かすプレゼンをしていれば天も味方に?
- セレンディピティ:当てにしていないものを偶然にうまく発見する才能
- 効果
- YouTubeの底力
- 原著論文の和訳
- ブログで実験ノートをつける論文を執筆
- 海外ブロガーからガンガン取り上げられる。06年第1四半期の当該雑誌ダウンロード数11位に
- 英語でも日本人読まないだろう、と思って和訳してホームページで公開
- 日本人ブロガーからも反応
- Wikipedia日本語版からも引用⇒さらにブログに
- 材料科学のための論文が言語学にまで広がる
- 著作権的にはやばかったらしい。以後は気をつけている
- 当該論文はなぜか今でも閲覧されている。月間ベースでも2桁。
- (提案)E-ジャーナルに付録を添付可能にしてほしい
- 翻訳や和文抄録を添付できる
- PLoS ONEに投稿した論文には和訳を付録につけている
- 母国語に翻訳すると若い読者、ブログ、Wikipediaを呼び寄せる
- ブログで実験ノートをつける論文を執筆
- 新規読者の開拓
- 敷居を低くすれば意外なところから反響が拾える!
- 提案
総合討論
- 茨城大・矢内さん:長神先生に。図書館の中では愚痴ばかりだが、よそからみたら恵まれているということは帰ったらみんなに言いたい。質問だが、市民提案型研究の窓口という話は地方大学の図書館にとって可能性があると思うが・・・市民から「こういうことをやってほしい」と言われても、研究者って自発性に基づいてやってる人が多いから市民に言われても嬉しくないんじゃないか? 自発性とリクエストの関係を研究者はどう考える??
- 長神さん:市民型研究に限らず、競走的研究資金のうちトップダウン型は課題研究。「この課題を解決するための提案を」みたいな。大きな課題に向かって解決する研究課題はあるので、現状の研究資金も全て自発性に任されているわけではない。ピンポイントで「わたしのお肌を・・・」とか言われてもどうにもならないが、そうでなければ研究が何かに結びつくかもというのはモチベーションになる。そこをつなぐヒューマンリソースを図書館の方ができるかが・・・それは今すぐは難しいかも。研究に近い立場のコーディネータ/コミュニケータの共同も必要になるかも。また提案されたものがすべて出来るわけではなく、いくつかピックアップしてやることになる。たとえば大阪の中を流れる川の魚が食べられるか、とかは実際に研究にもなっている。
- 大阪大・前田さん:轟先生に。YouTubeや和文誌を活用されていて、機関リポジトリへの期待として付加価値のことをいろいろ言われていたが・・・先生にとっては機関リポジトリはなくてもいいんじゃない?
- 轟先生:私はいらないけど他の研究者が自発的に使うようになるにはそういう飴が必要なのでは、と。
- 前田さん:轟先生の目から見て機関リポジトリでないと駄目ってことはある?
- 前田さん:業績リストは登録率が低いし、本部でやっててリポジトリでやろうとすると喧嘩になったりも・・・。(それはそれとして)セルフアーカイブを実践している研究者の方がいるのは心強い。
- 前田さん:長神さんへ。他の研究者から反対を受けることは?
- 長神さん:ある。下手をすると仲間内での評価が下がるとか。どうしてかはわからないが、よくわからない伝統で一般向けの本を書くと評価が下がる業界とかもある。ここ最近変わってきてはいるがまだ多い。減ってはいるが地域性・業界性で。東京より仙台の方が強かったり、医学系の一部では強かったり。あるいは理学と工学だと外に必ずクライアントのいる工学と理学の論理は違うし、天文学がサイエンスコミュニケーションに熱心なのはそもそも役に立たないところがどう意義を出すかとかも関係。
- 前田さん:ぜひ一般向けを書くと評価が下がる、というのを打破してほしい。あと東北大の今の部長は禁欲的のきの字もないから話しかけてみて。
- 長神さん:あとリポジトリについて言えば本部とはけんかして、大変だろうけど。あと東北大の医学部では研究業績の登録率と光熱水費が連動している。
- 前田さん:一度大喧嘩したら大阪大のリポジトリは他より2〜3年遅れてしまった。
- 日本動物学会・永井さん(司会):轟先生へ。各大学のリポジトリで何がアクセスが多いかは違うと思うが、日本語文献が多いと思う。それは日本語を読む人が多いから。一方で研究評価の問題があり、日本語で書いたものが評価に反映されるならまた違うことになるはず。一般市民向けのものだって評価してもいいはずだが日本では議論にならない。日本語文献をデポジットすることの意味を。
- 永井さん:それが評価になるかは?
- 轟先生:難しい。うち(NIMS)はIFを掛け算するような評価だし・・・自分がどういう風に生きていきたいかという問題。既存の組織でのし上がりたければ既存の枠組みでやるしかないし、荒野の中でやっていくなら自分のやり方でやるしかない。
- 長神さん:たとえば東北大の脳科学の研究で最も有名な研究者は研究所内では評価されていない。論文書かないから。でも社会的にはインパクトがある。彼はピアレビューの評価では出てこないが、彼のプロジェクトの効果は出ている。批判するのは簡単だが、それは違う軸。彼が脳神経学の権威かと言えばそれは全く違うが、学術の世界の軸以外の軸、軸の多様化も大事だが、それを大学の人事や給与にどう反映するかはまた全然別の話。大学は場と肩書きを与えて講義を課したりするが講義もまた評価にならないし・・・答えはまだないが、この国全体で作っていかないと研究のスペクトラムが狭いものになるしそういうものを作る時期にあると思う。
- 永井さん:学術出版社にとっても難しい。いい論文をかくと"Natureに載せたい"と言われてしまう。いくつかの研究機構ではIFを掛け算して評価している。日本はまだ現実にはそう。図書館員のプロとしてのキャリアが今後、学術情報の中では活かせる場があるだろうと私自身も思う。
- 日本化学会・林さん:轟先生に。先生のような方は今後、増える? 先生のようにセルフアーカイブをするのは当たり前になるのか? 門下生、同僚の中ではどう? 異分野やより若い人は? 増え続ける、それともどこかで飽和する?
- 林さん:TEXが浸透しているところなら成立する?
- 轟先生:8月末にTEXのユーザ会があるので聞いてみる。
- 林さん:どういう風に、これからの研究者の情報収集と論文執筆がどうなっているかを見ていきたいので・・・
- 轟先生:どんな職業でも育てて貰った人の背中を見て育つ。なかなか否定的な気分になってしまうが、いろいろなところで話したら増えるかも?
- 林さん:長神さんへ。いい意味でのアジテーションだと思う。私自身も図書館総合点でのパネリストとして図書館の方々が機関リポジトリで情報発信するようになったら、いい意味でライブラリアンから離れるんじゃないかと言った。長神さんはご提案されたのはライブラリアンがライブラリアンから脱却すること? ライブラリアンの枠の中? もうひとつ、欧米にはサブジェクト・ライブラリアンが多いとされるがそれはサイエンス・コミュニケータになる?
- サブジェク・トライブラリアンについてはよくわからない。サイエンス・コミュニケーションをともに担う可能性がある人として図書館にいる方を思っている。だからってサイエンス・コミュニケータだと思っているわけじゃなくて、名前はどうでもいい。「図書館員」よりは「ライブラリアン」かなと思う。必ずしも蓄積された本以外にも、情報をどうデザインするかという話になる。先ほど永井さんも言っていたが、目的をどこに置くかというときに自己防衛はいいが組織防衛はいけない。〜大学の生き残りをかけちゃいけない。ミッションを全うできないなら死ねばいい。図書館員も、図書館を守るためには戦わないでほしい。この国の、コミュニティの、学術の良好な流通を守るために戦うのはいいが〜図書館を守るために戦うのは馬鹿馬鹿しい。
- 筑波大・佐藤(自分):轟先生へ。セルフアーカイブしたらネガコメつかない? あったら凹まない?
- 轟先生:今のところはない。あったら凹むだろうが、人格攻撃はフェアじゃないし、中身についてなら議論すればいい。
- 林さん:轟先生へ。新しいサイエンスが生まれるような兆候はある?
- 東大の方:私より下の世代は物心ついたときからケータイ電話とか使ってる。そういった人たちの中でサイエンスコミュニケーションについては今の大学生・院生に種をまいておけばいいと思う。機関リポジトリがweb上のデータベースとかとリンクしているんだよ、っていうのをもっと学生に知らせる機会と言うのは。そういったことは全国各地でやってるの? 研究者から社会への橋渡しと言うことで・・・
- 永井さん:オープンアクセスであれば科学は加速するだろう、というのは理想として・・・と話し出すと長くなるが・・・機関リポジトリはなかなか難しい。研究者は研究をして業績を出すのが第一義にあって、なかなかそうはならない。もう一度、「機関リポジトリはなにか」と言う話を次世代に話し続けないといけないと思う。図書館の方は論文を集めようとしてもなかなか先生がうんとは言わないし、学会の方もわかってない。小さなことを積み重ねていくしかないかなあ、と思っていて、長神さん一人で全部やれというわけにもいかないし。
- NII・杉田さん:轟先生へ。エンバーゴが15日というのにものすごく感動したのだが、轟先生が使われているジャーナルはどれもポリシーが明らかに聞こえた。そうではないところもたくさんあって一番苦労している。先生の分野では明らかなようだが・・・
- 轟先生:エンバーゴについては轟先生がプッシュして聞いているだけで、明文化しているわけではない。査読付きのジャーナルだとまだまだなところがある。
- 長神さん:分野広報と機関広報の問題があって、医学系研究科の広報をやっていると「〜の〜を解明しました」と言う、本当は「〜の〜の一部を解明しました」なのに。それであとから別の大学からまた「〜を解明しました」みたいに発表される。そんなことになるのは分野としての広報がこの国にないから。
長神さんの"「何のために?」に答える尺度に多様性を求めてもいい"というところはずきゅんと来る感じが。
それに限らず長神さんのご発表は「やった、言ってくれた!!」的なところが多くて図書館の中の人でもなくかと言ってまるで縁がないわけでもなく・・・な自分には大変心強いものがあります。
轟先生のセルフアーカイブの動機としてのセレンディピティとか、敷居を下げれば意外なところからも反響を得られるというお話もまさに・・・この点は長神さんの「機関リポジトリを市民がアクセス可能な研究資源提供」というところともからみますが。
昨年のDRFで自分も発表しましたが*4、今回轟先生が例に挙げられていたブログやWikiepdia、Slashdotの他にも、「教えてgoo」はじめとする質問応答サイトやTwitter、果ては「ニコニコ動画」と連動しているサービス「ニコニコ大百科」*5から機関リポジトリにリンクが貼られているなんて例も実際に見たことがあり・・・
「アクセス」という敷居が下がるだけでもそれだけ利用され得るなら、言語の敷居も下がればさらに思いもよらないような反響も出てくるんじゃないかっていうのは強く思うところです*6。
あるいは、リンクを入れたDRFの発表では実際に京都大学で学生の協力を得て行われた研究の成果が、機関リポジトリで誰でも閲覧可能になっていたことで別の学生の恋の(というか恋人に関する)悩みの解決に寄与した、という話で・・・"疫学研究のように多くの住民の協力を得たものが、成果は「Lancet」とかだと・・・?"というところにも絡んでくるかな、とか(京大の例は紀要の話ではあるんですが)。
その他、とにかく今自分がやってる研究テーマに直球で関連するお話が多く、刺激的なセミナーでした。
すでに次回以降の予定についても公開されていますが*7・・・今後も楽しみですね!
・・・って他人事みたいに言ってますが第4回では自分も再び発表する側に回るわけで(汗)
今回の長神さんと轟先生のプレゼンにまるで適う気がしないわけですが・・・(大汗)
*1:第2回 ARGカフェ参加体験記(図書館総合展1/10未満レビュー? その2) - かたつむりは電子図書館の夢をみるか
*2:サイエンスコミュニケーションと 図書館, http://dx.doi.org/10.1241/johokanri.52.77
*3:轟先生のウェブページ(日本語)はhttp://www.geocities.jp/tokyo_1406/node4.html, セルフアーカイビングページはhttp://www.geocities.jp/tokyo_1406/node5.html
*4:http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?plugin=attach&refer=DRF4&openfile=3-1sato.pdf
*6:もちろん、質疑中にした通りそれが必ずしも正のフィードバックだけとも限らないとは思うんですが・・・自分で質問しておいてなんですが、正のフィードバックの魅力は負の怖さに勝る、とも個人的には思ったり。でなきゃブログなんて。
*7:PDF注意:http://www.nii.ac.jp/sparc/event/2009/pdf/SPARC_JapanSeminar2009_schedule.pdf