かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

「Managing Outsourcing in Library and information services」

Managing Outsourcing in Library and Information Services


しばらくずっと読んでたイギリスの図書館(あるいは情報サービス)アウトソーシングに関する本が、やっとこ読み終わった。
って言っても各章の「Summary」拾い読みしただけで、全文読んだのは内容が気になった第3章だけだったりするんだが。
そうでもしないと今の俺の英語読むスピードじゃあ、洋書の学術書読むには時間がかかり過ぎる。
まあそれでも最近は多少は慣れてきたけどさ。


内容は「Managing Outsourcing」っていうだけあって、図書館にアウトソーシングを導入する場合の導入や導入後に気を使うべき事項の手引書、といった感じ。
基本的にはアウトソーシング導入を進める立場にある人に向けて書かれた本だが(ゆえに「スタッフの反感を買わないためには〜」とか、「利用者、スタッフ、委託業者とのコミュニケーション戦略」なんてことについてもページが割いてある)、イギリスにおける図書館のアウトソーシングを巡る状況などについても要所要所で触れられている。


大学図書館アウトソーシングに特化した本ではないが、それだけにかえって館種を超えた図書館のアウトソーシング全般を巡る問題について考える契機とはなった。
研究に関するアイディアも2,3、閃いたし、苦労して読んだだけの価値はあったと言えるかな。


ちなみに全12章構成だが、そのうち4章はアウトソーシング契約をメイントピックとしている。
それ以外の8章でもことあるごとに契約について書かれていて、やはりアウトソーシングってのは契約をよく錬ることが重要なんだなー、とか再認識した。


日本でもアウトソーシング一般に関する手引きの類はたくさん出ているが、図書館に特化した本、ってのは見かけない。
「日本はまだそこまで進んでない」っていうことなんだろうか?
しかし大学図書館についても江戸川大学が全面委託したりといった例があって、一方で公共図書館については指定管理者制度を導入する館も多々出てきたことを考えると、そろそろこの手のマニュアル本が出てもよいのではないかと思う。


他のアウトソーシングでは見受けられない、図書館に特化した問題とかもあるんじゃないかと思われるし。
もっとも、現状ではアウトソーシング導入前にアウトソーシング一般について書かれたような手順をきちんと図書館が踏んでいるかどうかさえ怪しいところではあるが。


アメリカなんかでは大学図書館に特化したアウトソーシングの本なんかも出ているんだが、邦訳さらされていないしなあ・・・
いっそ、きちんと英語勉強しなおして、俺が訳すか?(笑)


一方では図書館のアウトソーシングを推し進めるような論文を書き、もう一方では海外の文献を邦訳してマニュアルとして売ることでがっぽがっぽと・・・


儲かるわけないか、日本のすべての図書館が買ったところで印税なんてたかが知れてるわけだし。
大人しく地道に研究しよーっと。
読まにゃならん洋書もまだまだあるわけだし。