かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

「ナポレオン-獅子の時代-」





以下、ネタばれ満載につき注意。







遮蔽物の一切存在しない橋の上。
対岸にはオーストリア軍の大砲。
一瞬でひき肉と化した味方を見て足をとめるフランス軍
一人の生き残りが、軍旗を手にし、這いつくばって、それでも前に進むのを見たナポレオンに「天啓」が訪れる。


「人はいつか死ぬ」
「生命は軽い」


立ち止まる自軍をかき分け、最前線に躍り出るナポレオン。
「俺が見本を見せてやる」
「生命を捨てれば簡単だ」


「今日を生き延びたら、俺は100万の生命などへとも思わん!」


ナポレオン・ボナパルト、生涯最長の30秒が始まる




天啓。
まさに天啓。


長谷川ナポレオンの真髄ここに極まれり。
今にして思えば以前、会戦時に最前列を突っ走る指揮官を見てナポレオンが「自分にできるか?」って自問してたのもこれの伏線だったのか。
それにしたって状況が違う。
あっちはまだ死なない可能性も高い会戦。
こっちは敵の砲列の前を、それも遮蔽物なしで突っ走る必死確実の状況。
そんな中、直立姿勢で、自ら最前列を突っ走る司令官。


ありえない。
しびれそう。


そしてポカンとする部下たちの中で、ひとりまっ先にナポレオンにつき従うランヌ
最近のこいつ格好良すぎ。
そもそもヴィクトルが軍旗もって前進してるのもランヌがぶん殴りまくったせいだし・・・


長谷川哲也はヤバすぎる。
まさに長谷川マジック
ああもう、今日をもって俺の中での「ナポレオン」重要度がMAXランクまで上昇。
はやくコミックスに収録されないかな、この話。
へうげもの」の本能寺ばりに単独のエピソードとしては大好きだこの回・・・!