かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

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「人類は衰退しました」

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の”調停官”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なのだろうとこの職を選んだわたしは、さっそく妖精さんたちに挨拶に出向いたのですが……。田中ロミオ、新境地に挑む作家デビュー作。


ガガガ文庫は手を出すつもりなかったんだけど、なんかこいつだけは妙に評判になっていたのでついつい買ってしまった。
田中ロミオの手がけたゲームはまったくやったことないんだけどね。
あと買ってから知ったけどこの人、筑波大出身なんだね(Wikipedia調べ)。


感想としては、どっかで誰かも言ってたけど富士見ミステリーの「食卓にビールを!」とかに近いような感じ。
まったりというか、主人公が出来事に対して危機感やらなんやらを全然感じてないっぽい。
異種族とのコミュニケーションという高度な緊張感を伴うことを、感性と思いつきだけでやっちゃってる感じが割と好き。
2話目のラストとか、考えようによってはかなり凄いことになっちゃってるのに、「まあいいんじゃない」みたいに済まされちゃうあたりも。
こんなにまったりした衰退の仕方が出来たらいいよね。
悲壮感とかそういうものまでひっくるめて「まあ衰退しちゃってるんで」みたいな。


続編にも期待したい・・・ところだけど、あんまり長く続くと容易にマンネリ化しそうな話でもあるので、まあ適度なところまで続けて欲しい。
まったりした話って4コマ漫画だといつまで続けても許されるけど、小説だと限界があるのはなんでだろうね。