かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

はてなブックマークコメントと本の書き込みはちょっと似ている


最近受けている大学院の授業の課題で、苅谷剛彦先生の「知的複眼思考法」を読みなおしています。

これ、学群*1一年の頃の授業で買ってたんだけど、当時はなんか「東大の先生」ってだけで変な反発心を持ったらしく、全然ちゃんと読んでなかったんだよね(滝汗)
3年ぶりに読み返してみるとすげえ共感できること(っていうかそろそろ院に進もうかという4年生だとむしろ身につけているのが常態化していること)が書いてあって、うひぃ、恥ずかしい・・・
3年前の自分の頭をトンカチで殴ってやりたい衝動にかられますな。
まあ、3年後にこのエントリ読んだらたぶん同じこと思うんだろうけど。
ずっとそうであり続けたいもんだ。
恥多き人生でした。でもそのことを恥じるつもりはありません。


閑話休題


読み返した、って言ってもまだ序章と第1章「創造的読書で思考力を鍛える」までしか読んでないのだけど、この第1章の中で「著者とかかわりながら読書するコツ」として、いくつかの視点を持って本に書き込みをすることが薦められている。
以下、該当部分抜粋。

そのヒントとして、こんなフレーズを書き込みの例に1冊の本を読んでみるとよいだろう。

  • 「なるほど」
  • 「ここは鋭い」
  • 「納得がいかない」
  • 「どこか無理があるな」
  • 「その意見に賛成だ」
  • 「その意見に反対。自分の考えとは違うな」
  • 「著者の意見は不明確(あるいは、あいまい)だ」
  • 「同じような例を知っている」
  • 「自分の身の回りの例だとどんなことかな」
  • 「例外はないか」

(以下、色々書いてあるが手が疲れてきたので略)
苅谷剛彦『知的複眼思考法』p.84〜85より抜粋)

全般的に(元が1996年出版の本なだけあって)「webが進展した今と比べるとどうだろう?」って考えながら読むとかなり楽しいのだが、その中でもこの書き込みに関するところはビビッと来るものがある。
思わず「それなんてブクマコメント?」って書きこんじゃったもん。
『知的複眼思考法』に*2


実際、上にあげられた例に該当するようなブクマコメントって多いよね。
共感する部分をコメント中に引用してたりとか、無理があるところの指摘とか、身の回りの例あるいは関連する自分の知識の記入とか。
もちろん字数が限られていることとか、特定の個所だけにブクマは出来ないとか、本とwebサイトやブログエントリでは長さが違うとか、いろいろ相違点もあるわけだけど、本質的にはやっぱり似ている気がする。
もっとも大きな違いはブクマコメントは「書き込み」が共有されることかな?
でも図書館の本に書き込みする場合とは違って他人に迷惑かかることはそんなにはない(disとかネットイナゴとか問題視する人もいるけど)し、むしろ最近だと気になったエントリについてはどんなブクマコメがついているかも気になって、読むと案の上いいこと書いてあったりするので、この点は本への書き込みに対する利点、ともとれそうだ。
ってことはブックマークコメントへのスター付与は秀逸な書き込みへの賛辞か?
落書きとかだと確かにそういうの良く見るしなー。


逆に考えれば、図書館の本への書き込みも「この本への書き込みを見る」を開いたときにだけ見えるようにできればむしろ面白くなるのかも知れない。
電子ブックが進展しまくれば可能か?
あとは・・・特殊な光をあてた時にだけ反応するインクで書くとか?
いや、でも紙が劣化するしそういうわけにも・・・

*1:普通の大学の学部

*2:まあ自分の本だから汚しても問題ないべ