DRF-Ookayama、2日目最初は機関リポジトリについての事例報告×4.
しかしこの事例報告、どこもかなり興味深いトピックが・・・
以下、参加メモです。
手抜きのすすめ:私立大学における機関リポジトリ運用(関東学院大学図書館・外崎みゆきさん)
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- 私立大学のリポジトリ運用:片手間「も」かけられない状況
- いかに手を抜くか、に情熱
- 私立大学のリポジトリ運用:片手間「も」かけられない状況
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- 2002年に電子図書館システム導入
- コンテンツ収集は早くから
- 2005.3にOAI-PMH提供機能、その後Junii、Junii+対応
- 2002年に電子図書館システム導入
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- 少ない専任数でいかに運用するか?
- 図書館外の労力を利用
- コンテンツ収集:トップダウン
- システム連携
- 少ない専任数でいかに運用するか?
人文・社会系コンテンツ収集の現状:学位論文とDP/WPを中心に(一橋大学附属図書館・高橋菜奈子さん)
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- DP=Discussion paper, WP=Working paper
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- 課程博士論文
- 研究科ごとによってばらばらな学位申請・授与体制
- 個別交渉⇒フローを集約⇒許諾体制構築
- 許諾の意思確認は出来るようになったが、登録OKの率は12-16%で増えていない。
- 課程博士論文
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- 論文博士
- 著者は可って言ってくれることが多いが出版済みのものが多く、出版社がダメっていうことが多い
- 出版済み⇒論文、だとOKしてくれるのは5/35
- 論文提出⇒出版、だったものは4/5でOKしてくれる出版社が多い
- 著者は可って言ってくれることが多いが出版済みのものが多く、出版社がダメっていうことが多い
- 論文博士
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- なぜ不可?
- 「出版したいから隠しておきたい」
- 「未熟だから隠しておきたい」
- なぜ不可?
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- WP/DP
- 雑誌論文掲載までの間の中間生産物
- 論文の形式をとる/読んでもらってコメントを貰って手直しする⇒どこかに提出する
- 研究者としては多くのコメントが欲しいはず!
- 公開後に差し替え/取り下げもある
- アーカイブには向かない・・・?
- 研究科・プロジェクトの助手と交渉
- 包括許諾または個別許諾
- 多くのWP/DPはすでに別のwebにファイルが上がっている・・・どういう関係に?
- RePEcデータ提供可:7件
- (min2-fly)RePEc連携は実にいい。特にWP/DPであれば大いに効果が望めるのではないかと思う。・・・もちろん英語なんだよね??
- WP/DP
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- RePEcデータ提供
- コンテンツ集めるだけじゃ面白くない⇒データ提供
- よく見られているDBにデータ提供⇒より多くの人が探しているのでは。
- 経済・商学ならばRePEcだろう。
- RePEcデータ提供
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- 質疑
- RePEcは日本語受け付けないよね? 日本語のはどうすんの?
- 日本語は受け付けないわけじゃなく、データとしては入るが検索できないだけ。なので何も考えないで送り込む。表示はされるはず。検索は出来ないのでそこは苦しいが、基本的にWP/DPのother titleに英語は入っているのでひっかかるのではないかと思う。
- 昔は英語以外受け付けないってことだったが・・・ローマ字を入れればとか思ったが。
- 学内ですでにRePEcに登録しているものはあって、そこはわざわざローマ字読みを手で入力していた。ただリポジトリにそのフィールドはないのでとりあえず今はother titleに英語があれば。
- 北大は?
- 先週くらいにRePEcと連携して、今は英文シリーズだけ送っている。送れば見れるなら和文も考えようかな。
- RePEcは日本語受け付けないよね? 日本語のはどうすんの?
- 質疑
発信と活用と:T2R2システムについて(東京工業大学附属図書館・渋谷真理子さん)
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- T2R2=Tokyo Tech Research Repositoryシステム
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- T2R2の特徴
- 研究者自身に登録を依頼・・・入力コスト軽減・登録データ活用が重要
- T2R2の特徴
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- コンテンツ収集
- 研究者情報システムからデータ移行/メタデータのみの登録を認めている
- コンテンツ収集
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- 学内他システムとの連携
- 特許データ
- 学位論文
- 学内他システムとの連携
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- min2-fly感想
- DspaceやE-printsが多い中で独自開発システムでいくってなかなかの勇気がいると思うんだが、そこら辺どうなんだろう。Dspaceはろくでもないシステムだが国内デファクトスタンダードの強み(ノウハウの蓄積・共有とか)はあるわけで・・・まあノウハウがいらない良いシステムであればそんなもん関係ないか(爆)
- 科研費申請自動生成機能やPDF本文からのメタデータ取得機能とかはヤバ過ぎるだろう。Tokyo Techの技術力があればそりゃあ既存システム使わんで独自路線取るのもわかるとは思っていたが、こんなに便利機能盛り込んでいたのか・・・単独のリポジトリを超えて研究活動のためのプラットフォームの一部になっているんだな、完全に。羨ましい。とてもとても羨ましい。
- min2-fly感想
- 全体質疑
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- RePEcについて、7個許可があったとのことだが希望しなかったところに理由はある?
- 返事がない。そこにアクションは全然できていないので詳しい理由はわからない。断られたわけではない(まだ返事がない)。
- RePEcについて、7個許可があったとのことだが希望しなかったところに理由はある?
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- 東工大へ。ReaDへのデータ送付について。
- ReaDへ研究者情報を送る。そこで業績部分をT2R2から引き出して合体させて送っている。
- ReaDへ送るのを図書館でやっている?
- 研究者情報システムの管理が平成16年の法人化以降図書館に移っている。今年の1月から研究情報部で研究支援管理室ができたので、しばらくは共同してやっていくところ。
- 研究者は一本の流れで出来る?
- そう。登録はひとつ、出口はたくさん。
- ReaDが先行していたわけだが、そっちに対応したシステムは捨ててこっちへ?
- 研究者情報システムはReaDに必要な項目はすべて抜かれる、そこの業績を入れるところを塞いでT2R2にしているので、確かに高い金かけて作ったシステムを一部封じてT2R2で新たにお金をかけている。
- 東工大へ。ReaDへのデータ送付について。
・・・なんだこの長さは・・・(苦笑)
えーっと、そんだけ力入ってメモってた、ってことでご了解いただければ幸いです。
自分の琴線に触れるような話が多かったもので・・・RePEcがどうとか便利な機能がどうとか。
とりあえずすべてのリポジトリについて気になるのは実際にアクセスがどうなっているか、ですね。
特色のある取組をしていればしているほど(OPAC連携、RePEc連携とか)それらの取組がどの程度ユーザに実際に利用されているのか、って点は気になります。
「結局Googleにクロールさえされればいいんでしょ?」って言われるとそれまでなわけですが、実はそうではなくてGoogle以上に強力なアクセス元足りうるものもあるんではないか・・・ということもあり(それこそRePEcとか)、是非ともログ分析の結果を! 教えてほしいと!
一方で聖路加や東工大のように、研究者/著者にとって便利なシステムを提供している場合にはダウンロードのログを見るというよりその機関の研究者ら、アップロードする側の行動の変化について是非フォローして合わせて発表していただければ、とも思ったり。
「こんな面白い取り組みをしているよ!/するよ!」と言うときには、実際にその取組がどんな効果を発揮したかを合わせて教えて貰えると魅力倍増ですし。
逆に効果がいま一つであるならば何を改善すればいいのか、ってところの発見にもつながるわけで・・・あああ、考えただけで興奮してきますね?!(ぇ)
さて、事例報告に続いてはDRFからの提案と話題提供、ということでちょっとかためのお話が。
では、続きをどうぞ。