かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

記録媒体はバクテリア/これならかもされる心配もない・・・って問題か?


こんなニュースがありました。
Expired


バクテリアの遺伝子の配列(TCAGの組み合わせ)を利用して、目的の情報を保存しようという話。
成功すると、そのバクテリアが絶滅しない限り情報が保存されることになる。
問題点は突然変異されると情報がクラッシュする可能性があること。
上手くいけば数億年単位で情報を保存することが可能になるかも知れないとか。
すでにいくつかの例文は実際にバクテリアに挿入することに成功したらしい。


いやあ・・・なんつーか、気の長い話であるなあ・・・
「突然変異されるとクラッシュするかも」ってあたりに妙なほのぼの感を覚えるのは俺だけだろうか。
たまたま超重要な情報を挿入したバクテリアが、突然変異してエマージングな病原体になっちゃったらどうするんだろう、とか、興味は尽きない。


あと万が一にも(失礼だが)この技術が一般化して、長期間保存したい情報をバクテリアに保存するような時代が訪れた場合、図書館はどう対応したもんか。
ネット上の情報のアーカイブですら揉めてるのに、今度の相手はバクテリアですよ。
目に見えないってあたりでは共通だが。


突然変異のリスクを無視するなら、むしろそこら辺中の空気中にふわふわ情報が漂ってるわけだから、アーカイブとかはあんまり考えなくてもいい・・・のか?
いや駄目か。
そこら辺中漂ってるバクテリアなんてとんでもない数にのぼるわけだが、その中から目当ての情報を持ったバクテリアを検索する技術を開発しなくちゃいけないし、そもそもいつも都合よく目当てのバクテリアがいるとも限らん。
かと言ってよくいるバクテリアにばっか情報保存してたらどのバクテリアにどの情報あるのかわからんくなるのでこれもダメだろう。


と、なるとやっぱ図書館的な施設で、情報を挿入されたバクテリアを保存しておいて、利用者の求めに応じて外に出すようなことになるんだろうか。
万一の時のバックアップ用にするにしても、とりあえずメタデータつけて保存はしないといけないんだろうな。
国立国会図書館の地底要塞のような地下のさらに底あたりに、バクテリア保管用の施設が増設されたり。
バクテリアがなるべく突然変異しないように常に一定の環境が維持されていて、職員は(外から変な微生物持ってこないように)常にWHOでレベル4のウィルス扱ってる施設ばりに厳重なチェックを抜けてから入室することに。
もちろん、コレクション形成論みたいなメディアに関する授業では、もっとも長期間保存ができる媒体として紙やマイクロフィッシュに代わって「バクテリア」が位置づけられて、その扱い方とかも授業で習うことに・・・


・・・駄目だ。
どんだけ真剣に考えてもシュールな絵にしかならんw
どこの「もやしもん」だ、みたいな光景が繰り広げられるんだよな、きっと。
むしろ「もやしもん」の作者のこの件に関する見解が聞きたい。
菌連合がまた反乱起こそうとしたりするんじゃないだろうか(爆)


現実って割とファンタジーだよなあ。
SFCの人々には是非がんばってもらいたいもんだ。
ついでだから数億年後まで人類が生きられるような研究もしてもらえると助かる。