京都行前に片付けられなかった作業を色々やっていたらあっという間に12月も2日目を過ぎていたという・・・さすが師走、疾走感が半端ない・・・
ってことで、実質2日前の話ですが、京都国際マンガミュージアム行ってきました。
京都国際マンガミュージアムの説明は以下を参照
- 京都国際マンガミュージアム(公式ホームページ)
- まさに夢の図書館!! 京都国際マンガミュージアムに行ってきました(レポート)
- http://d.hatena.ne.jp/nogamin/20070416/1176712381(レポート)
ちなみに京都国際マンガミュージアムは筑波大・情報学群でやってる現代GPとも連携協力していくそうです(すぐいけるページには書いてないけど)。
場所は市営地下鉄烏丸御池駅・2番出口を出て右側に向かって徒歩すぐ。
いきなり90度別方向に向かって歩いたmin2-flyは20分くらいかかったけど。
元は小学校だった、と言う建物には入ってすぐのところに無料のロッカーもあります。
min2-flyは烏丸御池駅の300円のコインロッカーに荷物預けちゃってからそれを知ったけど。
正にふんだりけったり。
細かいレビューは上のリンク先を参考してもらうとして、思ったことをちらほらと。
まず面白いのは展示の方法。
元は小学校だったという建物の廊下にあたる部分の壁面にでっかい本棚が据え付けてあって、そこに1階は少年漫画、2階は少女漫画、3階は青年漫画が並べてある。
で、1階のホールにあたる部分とか、2階の各教室とかに展示や各コーナーが点在。
1階なら今までの京都国際ミュージアムの歩みについてのパネルとか、モンキーパンチなど有名な漫画家の手の石膏像とか。
2階だと雑誌「COM」にまつわる展示とか、あと韓国やドイツなど海外のマンガの展示とかもある。
展示場所と展示場所をつなぐ廊下に漫画の棚が配されているわけで、移動も全然退屈しないっていうかむしろ移動のたびに捕まりそうになる。
展示品の中にも手にとって読めるものが多いので、本気でじっくり見ようと思ったら何か月かかるかわからない感じ。
読み切れないほどの漫画があるってどんだけ贅沢な話だよ、と。
マジで子どものころの夢が実現したみたいだ。
展示の内容自体も面白い、と言うか興味深い。
「秋竜山通信」漫画展とか挙げればきりがないのだが、一番衝撃的だったのは韓国の漫画の現状に関する展示。
詳しいことはちゃんとは覚えていないのだが・・・なんか、韓国の漫画、それも紙媒体での流通はそうとう衰えてしまっていて、学習漫画みたいな奴しかミリオンになったりはしないんだとか(理由はメディア規制とアジア経済危機のダブルパンチ)。
で、紙が衰える一方で電子メディアでの漫画流通が流行っていて・・・日本の状況からはちょっと創造出来ないが、漫画は紙ではなくPCで読む方が一般的になっているらしい。
ということで実際にネットで公開されている電子コミックが色々と紹介されていた。
『新暗行御史』とかがあるから勝手に韓国って漫画産業盛んなんだろう、とか思ってたのだが、現実は全然違うのであるな・・・まあ電子コミックの方は日本でもけっこう読まれてはいる気もするが、出版コミックを凌駕するってことはあり得ないもんなあ・・・
あともう一つ、面白くかつ興味深かったのはピックアップコーナー「のらくろと戦前・戦後のマンガ」。
復刻版の「のらくろ」シリーズなどがまとめて展示してあって、『のらくろ上等兵』を実際に読んできた。
普通に面白く読める内容の間に、のらくろの友達たちが決死隊として自爆するシーンなんかが当り前のように挿入されていて、そこに戦前・戦中が強く感じられる。
のらくろが土人の海賊団を殲滅する話なんかもなかなか・・・今なら「作中に差別表現がありますが・・・」の注は必須だろうなー、とか。
でも面白いんだよなあ・・・っつーかなんでのらくろはヘマは見逃して貰えて成功は評価して貰えるんだ・・・のらくろが起こした問題をのらくろが収めたことで昇進につながるってどんだけ上官に恵まれてるんだよ。
そんなこんなで、展示見たり棚に置かれた漫画を読んだりしている間にあっという間に予定の時間をオーバーしてしまい、全部は見れないまま今回は帰途につくことに。
ちなみに『のらくろ上等兵』のほかに読んだ漫画は、『P.A』(プライベートアクトレス)の特別編と『絶対彼氏。』と『鉄鍋のジャン』の1〜3巻。
普通に全部マンガ喫茶で読めそうな漫画だけど、この空気の中で読むからこそ味があると主張したい。
なんかマンガ喫茶とかネットカフェって基本的には「時間を潰す場所」な気がするんだよな。
喫茶店だから子供もほいほい入れないし、そんなに解放感があるわけでもないし。
対して京都国際マンガミュージアムは、積極的に時間を使いに行く場所のような気がする。
子供の頃に本気でいつかやってやろうと思っていた、漫画だけの図書館、がマジで実現した感じ。
それと展示がうまく組み合わされているからいくらでも時間を使えそうな空間になっている。
図書館ではなくミュージアムだからこそ、なのかも知れないが・・・運営もとの京都精華大学の情報館も、一般的な大学図書館とは様相を異にするところだし、なんかここら辺に「場所としての図書館」の存在意義につながる何かがありそうな気もする・・・
空間・時間の演出法とか。
電子化ばりばり推進派の自分でも切り捨てられないものの実例を見てきたような気分。
・・・ま、実際に館内にいるときはそんな小難しいことを考えていたわけでもなんでもなく、真剣に漫画に熱中してただけだったりするのだけれど。
京都市民マジ羨ましい・・・
現代GPも、せっかく連携するならデータ提供とかだけでなく学生1回あそこに連れて行ってみたらいいよ。
深夜バスをうまく使えばつくばから往復1万2千円くらいで行けるし。
0泊3日くらいかかるけど。