かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

民主主義の○○としての図書館

図書館断想で、「民主主義の○○としての図書館」という言い回しに関して批判がされている。
自分も図書館と民主主義との関係性については疑問を持っている(図書館が民主主義の砦だっちゅうなら専制君主制下の図書館の存在をどう位置づけたらいいんじゃい)が、図書館を民主主義と結びつける考え方自体は割りと一般的というか、図書館学を勉強していると「どこで聞いたかは忘れたけどどっかで聞いたんだよなー」くらいの感じで自然に刷り込まれているもんじゃないだろうか?


で、そういう刷り込まれた知識の出展はたいていはここだろうと思って調べてみたら・・・はいはい、やっぱりありましたよ、「404」の中に民主主義についての記述が。


「図書館の自由の状況は、一国の民主主義の進展を図る重要な指標」ってところとかが直接的に「民主主義」って言葉を出しているところだが、そもそもが「知る自由」を保障するのが図書館である、って考え方自体が民主主義に基づいてるから「民主主義の砦としての図書館」みたいな言い回しが出てくるのかね。


まあそもそもが「民主主義下において、主権者である市民が政治行動において適切な判断を下すためには判断材料となる情報へのアクセスが保障されていなければならない」みたいな考え方の上にたって米国とかの公共図書館は発展してきたわけだから、図書館と民主主義を結びつける考え方自体は図書館員にとっては割りと真っ当なんだろう(「そもそも民主主義とはなんぞや?」ってところまでちゃんと考えていたかはまた別の話だが・・・)。


じゃあなんでそんな真っ当な考え方にmin2-flyがあまり賛成でないかというと、単純に図書館に政治性を持ち込みたくないから。
さっきも書いたが、「図書館=民主主義の砦」ってことになっちゃうと、専制君主制下やその他の政治体制下における図書館の立場はどうなるのか、と。
「民主主義の芽を守るための施設である」とかってことになると為政者からは目の敵にされそうだし、職員はなんかレジスタンスみたいになっちゃいそうだし。
あるいは民主主義がしかれている現在の日本においてだって、「民主主義の○○としての図書館」みたいなところから図書館について語り始めると、どうしたって最後は政治性の問題(しかもやや左翼よりな)になってくるわけで。
なにも図書館をそんな政治的な問題の場所にせんでもいいだろう、と。


なんも民主主義なんてご大層なもの持ち出さなくても「いろいろな情報にアクセスできた方がなにかと便利だしみんな幸せになれるよ」くらいのことでいいじゃん。
実際そうなんだし。
政治的な立場を旗幟鮮明にしちゃうと、あとでなんかあったら(政変とか? クーデター?)生き残れなくなるぞー、とか思ったり思わなかったり。


根が官僚的なだけかもしれないが・・・