かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

ついに筑波大にも電子ブックコレクションが入った・・・は、いいのだけれど・・・


「週5図書館生活、どうですか?」*1の影にすっかり隠れてしまっていましたが、先日ついに筑波大にもOCLC NetLibraryが入りました!


OCLC NetLibraryについては自分も先日行ってきたセミナーについての記事(OCLCセミナー 2008年 - かたつむりは電子図書館の夢をみるか)で言及しているのですが、最近ついに和書の電子化に取り組み始めたということでかなり期待の高まっていた電子書籍サービスの一つ。

すでに欧米では相当数の電子書籍が発行されていて、図書館でも普及している・・・と言うのはよく聞くところであるけれど、その中でもNetLibraryが本格的に和書の電子出版にも取り組みはじめる、という話。

2008年3月末には360タイトルを掲載予定、とのことでタイトルリストも配布されていた。

全文検索はもちろんのこと気になったところへのメモ機能等もあるとのことで、これが完全に普及したら資料汚損の問題は解決だね!*2。

難点は、書籍電子化にはいつもついて回る著作権問題・・・NetLibraryの場合、出版社の協力を得た電子書籍の「販売」モデル(購入タイトルが閲覧できるようになる)なのでGoogle Book Searchみたいな訴訟沙汰はないと思うけれど、図書館にはいつもついてまわる「複写」の問題があり・・・資料はページごとにPDF化されていて、全文一括ダウンロード/印刷等は出来ない(ページ単位でのみ可能)そうな。

全くもって仕方のないこととはいえ、電子ジャーナルとかに比べると使いにくい形態であることは間違いないよなあ・・・その点は今後に期待。

OCLCセミナー 2008年 - かたつむりは電子図書館の夢をみるか


で、早速『クラスター分析』と言う本をNet Libraryで読んでみようと思い、画面を開いたのですが・・・・・・・・・
ごめんなさい、俺がなめてましたorz
使いづらい。
正直、読む気がしないよこれ・・・。


やっぱ著作権問題回避のためとは言え、「ページごとにPDF化、一括ダウンロード/印刷不可」の使いにくさはネットの利点をつぶして有り余るものがあります。
全文続けてPDF化されている電子ジャーナルですら、ほとんどの研究者がディスプレイではなく印刷して読んでいると言われているような中で、Net Libraryの形式の使いにくさはちょっと酷いもんがある・・・せめて章ごと、とかだったらまだ読みやすいんだろうが、いちいちページをめくるたびにPDF開き直すってんじゃ重くてストレスフルこの上ない。
印刷しようだなんて思おうものならもう・・・


うーむ、やっぱ電子出版(webを介した)が国内で普及するにはNetLibraryではまだちょっと難しそうだなあ・・・いや、便利は便利なんだけどさ、紙の本に代わると言うよりは別用途(例えば特定のページがみたいのだが貸出中の本を見るときとか、本当に一部のページしかいらないときとか)のものとして、って感じなんだよね。
せめて章ごとの表示/DLが出来るとだいぶ状況が変わると思うんだが・・・