『パブリッシュ・オア・ペリッシュ -科学者の発表倫理』
- 作者: 山崎茂明
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2007/11/20
- メディア: 単行本
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id:copyrightさんのところで見て「あとで読む」タグをつけてからはや半月以上。
先日、岡本さん(id:arg)が筑波に来た時に図書館情報学図書館を案内しようとしたら新着棚にあったのを発見したので即座に借りて来て、GW中に読了。
ちなみに表題は「発表するか、それとも死か」と言う研究者の業績主義をあらわす語・・・まあ、全く発表しないってなると研究者としてどうよ、ってのは当然だが、そんなレベルじゃ済まない過度のプレッシャーがかかっていることをあらわしている*1。
すでにid:leeswijzerさんや岡本さんの感想でも述べられているが、やはり全体を読んで感じたことは適切なオーサーシップの重要性。
実際には論文への貢献は何もしてない、あるいは謝辞に書けばいい程度の貢献しかしていない人も「ギフト・オーサーシップ」として共著者に入れられている場合があり、それらの共著者が不正発覚時に「自分は知らん」、「生データも見たことない」的な発言をのうのうとしていたりする、というのは、ありがちなのかも知れないが問題だよな。
著者の一人としてきちんと論文内容をチェックする機能が働いていれば不正行為の防止にもつながる、ってことでオーサーシップの適切な定義の例として紹介されているのが国際医学雑誌編集者員会による「生物医学雑誌への統一投稿規程」(2006年2月版)。
「論文著者は、下記の3項目をすべて満たさなければならない。
(1)研究の着想とデザイン、あるいはデータの収集、あるいはデータの分析と解釈、への本質的な貢献があり、
(2)論文の原稿執筆、あるいは重要な知的内容への批判的な改定をおこない、
(3)出版されるべき原稿への最終確認をおこなう。
(山崎茂明. "オーサーシップ-著者になるのは誰か". パブリッシュ・オア・ペリッシュ -科学者の発表倫理. 東京, みすず書房, 2007, p. 138、改行はmin2-flyによる)
これはかなりすっきりしててわかりやすい。
国や文化や領域によって慣行の違いは色々あると思うが、誰かを共著者にすべきか否か迷ったときの参考にはなるんじゃないかと思う。
・・・ま、それ以前に俺はちゃんと論文書けって話ですが・・・(汗)
ゴールデンウィークはいいね。
日中に用事がないのをいいことに日が暮れるまで寝て、それから朝まで作業するとはかどること、はかどること。
それも今夜で終わりだけれど・・・さ、不正してまでパブリッシュしなくてもペリッシュされない明るい未来を目指して、明日からもまたがんばろー。