かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

第56回日本図書館情報学会研究大会・「半分」レビュー:1日目


先日のエントリでの宣言通り、今週末は日本図書館情報学会研究大会のために帝塚山大学に行っていました。

今回は関西方面での開催と言うことで、関東在住で参加できない方もたくさんいたのではないかと思いなるべく詳細にレビューをアップしたい・・・ところですが、今回の研究大会の発表は二部会に分かれて行われており(汗)
体が一つしかない自分としては、自分が聞いた「半分」分のレビューしかアップできないわけで・・・残り半分はどなたか参加されていた方がアップしてくださるといいなあ、とかなんとか。


では、以下自分が発表を聞きつつ取っていたメモです。
なお、あくまで以下のレビューは「min2-flyが聞いて理解できてまとめた内容」であり、各ご発表の正確な/公式の記録でもなんでもないことをあらかじめお断りしておきます。
間違った解釈や聞き取りミスもあると思うので、このブログの内容に基づいて各ご発表を引用されたり・・・ということはご遠慮いただければ幸いです。
読んで気になった発表があれば研究大会の要綱を取り寄せられたり、著者の方に直接ご連絡をとってみていただければー。
(逆に書かれている内容に問題があると思われた場合は、まずはmin2-flyの誤りの方を疑って下さい/発表者の方からの「これは違う!」というご指摘はコメント欄またはメールにてお知らせいただければ幸いです(アドレスは右上リンク先のプロフィールにあります))。


ではあらためて、初日(11/15)の「半分」レビューです。
なお発表者名は"+"がついている人が実際の発表ご担当の方、質疑は

    • 質問
      • 回答

の形式になっています。



前半・第二部会

自然科学分野における学術研究領域間の引用関係:雑誌を対象とした引用調査より(天野晃さん+、児玉閲さん、小野寺夏生さん)

  • 目的、背景、方法など
    • 自然科学誌を対象に、領域間の引用関係を明らかにする
    • JCR2004, CD-ROM版に入っている自然科学誌(5962誌)を対象とする
    • 引用-被引用関係を被引用ベクトルを用いてクラスター分析
      • (min2-flyコメント)クラスタリングの詳細は聞いても自分にはよくわからないよ!
  • 結果
    • 小分野は21に分けられる
    • 被引用/引用比…上位3位は生化学・生理学、臨床医学2(内科?)、数理工学/下位3位は動植物学、分析化学、地球科学
      • 生化学・医学強い
      • 生化学は…医学以外からの引用が多い/よその分野の引用も多い
    • 医学・生理学はつながりが強い
    • 生化学・生理学/数理工学はよそに一方的に影響を与えているっぽい
  • 補足
    • 医学4分野よりも生化学・生理学の方が医学系を引用している、と言うのはちょっと意外な結果だった。基礎の方が影響を受けているというのは面白い。
  • 主な質疑
    • 雑誌の分野と論文の分野の食い違いの考慮は?
      • 一点目:そういう問題はあるが分野の粒度を大きくすれば緩和されるのでは?

抄録索引誌の所蔵データにみる学術情報探索手段の変容(栗山正光さん+)

  • 目的、背景、方法
    • 抄録索引誌・・・電子環境下で使命を終えたと考えられる
    • 具体的にどれくらい使われているか、もう終わってしまったのかは数字としては把握しにくい・・・所蔵状況を見れば読み取れるのではないか?
    • 所蔵館数を指標として経年変化を見る
  • 結果
    • 全体としてはなだらかに山型を描く・・・1980年代をピークに抄録索引誌の所蔵は減っている
      • 自然科学と人文社会学では自然の方が1980年代前半をピークに急降下、人社は1990年代入ってから減る
      • 洋雑誌に限ると人社は1990年代に入るまで増えている
      • 和雑誌は人社に『雑誌記事索引』累積版や本体の刊行中止の影響が大きく出ている
      • 理系の方が電子媒体へのシフトが早い?
  • 質疑
    • 大雑把な言い方をすれば抄録索引誌は80年代ピークでその後減っている。オンラインDBのためということになるはずだが、オンラインのデータは98年度分からしか見られてないと言うことで、その間のものはない?
      • 見つけられていない。CD-ROM等も一時的。
    • 大学図書館が冊子の抄録索引誌を購読中止する理由はどう考えている?
      • インターネットの普及による研究者行動の変化。
  • コメント
    • 紙の抄録索引誌とかほとんど伝承上の存在です・・・
    • DBも全文リンクないと使う気起きないよなあ。しかしネット普及より明らかに早くから減っているのは、やっぱりインターネット前のオンラインDBとかか。

論文の被引用数に影響する要因に関する統計学的研究(小野寺夏生さん+、ほか12名)

  • 目的、背景、方法
    • 論文の引用数を研究の影響度を示す指標として用いるのは妥当
    • しかし研究の質や内容以外の多くの要因が引用数には影響する
    • 各要因の影響を分離し、どの要因の寄与が大きいかを明確化
    • 複数分野について、同じ分野、同一雑誌、同一年の原著論文の中での変化を見る(重回帰分析で)
  • 結果
    • 全分野で影響するのはPrice指数、次は引用数、長さ等
    • どの分野にも共通して選択される変数が存在・・・分野共通モデル化が可能
    • Price指数の影響は新しい
    • 著者数はどの分野でもそれほど相関しない
      • 全体でみると著者数が多いと引用されそうに思えるが、分野を分けると全然違う・・・消化器系など、引用が多くて著者数も多いところがあるからその影響がある?
      • 分野の影響と著者数の影響が過去の研究ではごっちゃになっていたのでは。
  • 質疑
    • 分野の取り方の妥当性は?
      • 大きな分野の取り方は妥当と思うが、小分野はメンバー内で選んだので選び方には問題あるかも。ただ消化器病学の件については臨床一般にこういう傾向はありそう。
    • 最終的な結論としてPrice指数がほとんどのものに有効と言うのはわかったが、それと他は関わるの?
      • Price指数は他の変数とは相関はほとんどない。
  • コメント
    • Price指数かあ・・・ふーむ??  面白いからいろいろ見てみるか。
    • Price指数って要は時流に乗ってるものかそうでないかってことか? あんま古臭いテーマはやるなってことか・・・いや、そうじゃなくてそこらの影響を考慮しろってことか・・・ふむふむふむ。面白い。

JCR収録誌に見るreference数の動向分析(児玉閲さん+、小野寺夏生さん)

  • 目的、背景、方法
    • 学術雑誌のreference(引用、以下ref)数は増加傾向にあるとの先行研究
      • 広く学術全般に当てはまるかは断言できない
    • できるだけ多くの主題分野の集合として、自然科学分野の全論文・記事のref増加傾向を多角的に調べる
    • JCR1998-2006に継続収録されている雑誌(誌名も変わっていないもの)について分析
    • reviewもarticleもすべて含めて調査する
      • ref増加の推移、増加要因の内訳、reviewの影響、引用年齢の変化、分野別の貢献を見る
  • 結果
    • ref増加
      • refは常に前年より増加する傾向がある(全体/継続誌どっちも)
    • ref増加要因
      • 論文数の増加?
      • 論文あたりのref数の増加?
      • 3年ごとに区切ると、1998-2000と2001-2003のref増は論文当たりのref数が大きいが、2001-2003と2004-2006では論文数の増加の影響が非常に強い
    • reviewの影響
      • review増加の貢献は全体の20%以下、ref数が増えるのはresearch articleのref数が増えているから
    • 引用年齢の変化
      • 引用年齢=refした論文の出版年- refされた論文の出版年
      • 少しずつだが古い年齢の論文の引用が増えている
    • 主題分野の貢献
      • 主題は天野さんの発表における21分野を使用
      • 分野のサイズの影響がある??
    • 分野サイズを無視すると化学や生化学・生理学、物性物理学とかのref数増加が大きい
    • 分野サイズを考慮すると、環境・地球科学系でref/論文数、化学・工学系で論文数の増加が大きい
  • 質疑
    • 分散は見なくていいの?
      • (min2-flyコメント:それは確かに気になる!)
      • 今回はそこまで見てなかった
    • そこら辺ちゃんと調べないとちゃんとした現実が見えない。分布とは言わずとも分散くらいは。
    • 研究の意義は? 目的はわかるが・・・
      • マクロ的な分析を一つの目標とした。ある一つの分野だけで見ても他分野が考慮されない。ある分野を見るにしても引用関係にある他分野は色々あるので、大きな単位でのref増加の傾向を見たい。
    • 引用の要因分析を行うのに使えるかと思うが・・・その先の展開があるの? 明らかにすること自体に関心?
      • IFの動向を視野に入れている。IFの場合は1-2年前の引用となるが、ref数の増加がどうなるかとか。
    • refが増える理由で思い当たるところは? 昔のが発見しやすくなった? 否が応でも引用しないといけないのが増えた? 言い訳? 何か思い当るところはある?
      • そこまでは見れていないが・・・主題別で化学・工学で論文数がやたら増加している分野とかがある。ちゃんと調べないとわからないが、途上国の論文生産増加とかの影響はあるかも。
  • コメント
    • めちゃめちゃ面白い!(レビュー長いのはそのせい)  個人的に気になっていたところでもあるので特に!
    • 意義はいろいろありそう。
    • ref/pが増えていくのは科学研究が積み重なっていくから増えていくって話もありそうでは? 古くから続いている分野とか。計量書誌学でロトカから紐解かないといけない、的な。
      • しかしそれだと今後どうなってしまうんだろう・・・(汗)



後半・第一部会

日本の大学図書館におけるILL需給状況の変化とその諸要因:NACSIS-ILLログデータ(2007)の分析を中心に(小山憲司さん+、ほか5名)

  • 前置き
    • REFORMのこれまでの成果についての話
  • 目的、背景、方法
    • REFORMのデータに2007年度のデータを加えたらどうなるか
    • 2007年度和雑誌の複写件数が減少に転じたのはなぜか?
  • 結果
    • 2007年度の複写依頼は100万件を切った
    • 洋雑誌の複写依頼はピーク時の2/3まで減少
    • 和雑誌も2006-2007年度ではじめて減少(ただし今後も続くかはわからない)
    • 複写依頼が増える要因はいくつも考えられるが、減る理由は・・・電子化の影響?
    • 雑誌単位で集計すると、
      • (複写依頼の)純粋増加タイトルは約7,000、減少は約9,000
      • それぞれの上位300誌の電子化有無を見る
        • 減少タイトルは電子ありが早いうちから減少を見せている
        • 増加タイトルは電子なしがかなり増えている
    • メタデータが流通すると需要が喚起される
      • CiNii収録誌について、収録論文と未収録論文では前者の依頼は多いが後者は全然ない。
  • 質疑
    • メタデータ流通で需要が喚起される例でCiNiiが出ていたが、その場で有料で購入できるのにILLに行くのは大学図書館を無料で情報を入手する手段として使っている?
      • 大学図書館でも料金請求は利用者にかかる。教員は校費かもしれないが無料ではないのにILLへ向かう。理由は色々あると思うが詳しくは見ていない。
    • エンドユーザのところでどのくらい文献利用があるかをとらえる方法は? そこがわかればここでの議論がはっきりする。
      • エンドユ−ザがどのくらい利用しているかはこのデータでは分からない。ILLは館内で充足されたものは見られない。研究者の情報行動を見て突き合わせることも考えているが、どういう形で補足するかは今後の課題。
  • コメント
    • いよいよ和文も複写依頼減ったぜ! やっほい!
    • でも和文はまだ減ったばかりで次にどうなるかわからないってのは確かに。
    • 電子ジャーナルプラットフォームのログ分析と突き合わせると文献需要がかなり正確に見えるか? それでも紙媒体の実態が見えないが・・・Science Directのログとかくれればなあ(苦笑)

読書行為の次元(國本千裕さん+、ほか5名)

  • 目的、背景、方法
    • 読書に対する世間の関心は高まっているが、既存調査は「何を読むか」や「(児童・学生への)教育・指導」に関心
      • 成人の読書量調査が少ない
      • 読書とは何かを問わない
      • 読書のとらえ方が一面的で書籍や新聞雑誌に限られる
    • 読書を多面的な行為ととらえ、読書をどのようにとらえている(考えている)か(次元)を明らかにする
    • 読書が好きな人29名(平均年齢29.3歳)にFGIを実施、得られた発言データを分析
  • 結果
    • 読書行為には5つの次元
      • 対象、行動、背景・目的、作用、場所
      • 最も注目されている次元は「対象」
        • 電子媒体を「読書」としない傾向がある
        • 文字も絵も「読書」と捉える
        • 読む内容が「評価できれば」「読書」とする
      • 「行動」については「能動的に一生懸命読めば」「読書」
      • 「目的」・・・「何かに迫られて読む場合は」「読書ではない」
      • 「作用」・・・「読んだ結果何かを得れば」「読書」
      • 「場所」・・・人によっても場所によってもまちまちだが「通勤電車で読むのは読書っぽくない」というような人もいる
    • 読書と言うのは複雑な次元を持った行為?
    • 単に「ものを読む」行為でなく前後の文脈を含む
  • 質疑
    • 梅棹忠夫が「行動のための読書」ということを言っていた。「迫られて仕方なく」を読書とみなさない、というのは「登山のガイドブックを読む」とかも迫られてはいるわけだが、自分の興味・関心や好奇心を満たすためにやっている。そういうのは?
      • 登山時に義務感があるか、楽しみがあるかで語り口が違う感じはする。目的・背景についても強弱とか何かほかにないかとかも検討したい。
    • 読書好きの人ってどうやって判別したの?
      • 公募をかけた。自己申告。客観的な評価ではない。
    • 「読書好きだっていいたい自己顕示欲の強い人」?
      • (会場笑)
    • 調査方法自体に多次元的なものが含まれている。多次元的になることは調査方法の最初で予見されたのでは?
      • そもそも立場としては多面的なものではないかという立場を取っているので、それを明らかに出来る手法を取っているのは確か。
    • 次元間の関係とか見るの?
      • 見たい。たとえばマンガでも内容によって読書とみなす/みなさないとか、今後見ていければいいなと思う。
    • 読書好きな人の読書行為の次元であって、読書を趣味としない人の次元と一致するの? どう考える?
      • 読書が好きじゃない人も混ざっていれば良かったが、FGI手法なので読書が嫌いな人は…
    • 「嫌い」ではない。趣味じゃないが読む人もいる。
      • なぜ読書好きを選んだかと言えば読書をするだろうと思ったから。
    • 読書を趣味じゃない人の次元とかに広げる必要はない?
      • 今後の検討課題としたい。
  • コメント
    • 「なんだって読書でいいじゃねーか」とは思うが、確かに自分もRSSでブログ流し読んでいるのは「読書」とは思わないし、流し読みは読書だと思わないわ。あと課題があるときの読書とかもあんまり読書と言いたくはない感じはある。
    • 読書が趣味じゃない人についての指摘は確かに。別に好きじゃなくても本を読むことはある。読書好きの読書観は偏っている可能性が高いので要注意かと。

LIS教育の質的保証に関する国際動向(宮原志津子さん+、三輪眞紀子さん)

  • 目的、背景、方法
    • 留学生の増加、教育のグローバル化、外国で職を求める人の増加
    • 専門職の雇用機会の国際化が進む
      • 教育の質保証が国際的に必要?
      • アメリカではフィリピンのいくつかの大学の学位をALA認定としている(!)・・・各人のキャリアに大きなインパクト⇔日本では研究がない
    • 国境を越えた学位や資格の等価・互換性について先行研究を調査
  • 結果
    • 北米のアクレディテーション制度
      • LIS分野で唯一認可されているのはALA
      • いくつかの国では北米外でもALA認定されているところもある
      • 国外認定での学位についてはALAも北米図書館も積極的に受け入れる体制はない
    • ヨーロッパの相互認証制度
      • ボローニャ・プロセス
      • ヨーロッパは政府による認証が多い
      • 高等教育の学位の等価性についての体制は整いだしている(まだ一部)
    • 東南アジア
      • LISのアクレディテーションはない
      • 作ろうとする動きはある
      • 問題はたくさんある(東南アジアに限らず新興・途上国はどこも問題山積み)
    • IFLAでの取り組みなど
  • 質疑
    • 「質的な等価性」ってのはLISに限らず色々あると思うが、ふつうはどのようなことを観点に測るの? 方法はあるの?
      • 専門職の領域ではいろいろ進んでいると思うが他の分野はよくわからない。LISに限れば、Masterとディプロマの等価性とかは・・・アメリカとカナダではセメスターの違いなど期間によることが提示されている。
    • 他領域の専門家教育で参考になるような領域はある?
    • 国際団体としてIFLAのようなLIS限定でなく、UNESCOのような国際機関で学位の等価性とかやってないの?
      • 他領域の互換性については探る動きはあるが細かい部分はわからない。
      • 今回は時間の関係でIFLAだけやったが、UNESCOは1970年代にアフリカをフィールドとして互換性を図る動きはあったが、80年代半ばにとん挫してその後動きはない。
    • 勉強されているのはわかるが、日本にひきつけて考えると今回の図書館法改正に伴う新たな動きや日本のLIS大学院の現状や専門職のマーケットを考えたときに、論理的な美意識を満足させるような議論がどこまで通用するか? アメリカならALAがあるが日本の図書館教育は図書館を1日に減らそうかと言うような体たらく。同じ分野なら通用する仕組みを作る余地があるの?
      • 基本的なテーマが東南アジアなので日本の状況についてはこれからの検討課題。今回の発表はフィリピンやシンガポールでやってきて考えたこと。今後、日本でどうできるかということを考えていきたい。
  • コメント
    • 日本の図書館情報学修士号はALA認定のMLSレベルと言えるかね? 言えなくないかね?
    • そういうところを整備しろって話でもあるのか。出来るのか?
    • 実際に認証のある北米における、認証を受けた連中の仕事のレベルの高低とか誰か比較してないかな? してるだろうなー、きっと。

米国における公共法律図書館概念の成立(岡田孝子さん+)

  • 目的、背景、方法
    • 公共法律図書館・・・辞書の定義はない/法律図書館の市民向けサービスについてここでは扱う
      • 裁判所付属図書館を中心とする法律専門図書館
      • 法曹を第一の利用者とする
      • 一般市民に対して本人訴訟支援を行う
    • 文献調査を中心とする/インタビュー・メールでの問い合わせも実施
  • 結果
    • 公共法律図書館概念の成立には3段階がある
      • 1.市民開放/2.市民向けのサービスを積極的に行うようになる(本人訴訟)/3.名称が定着する
    • 第1段階・・・19世紀末
    • 第2段階・・・「貧困との闘い」(1970年代)⇒法律扶助⇒衰退⇒本人訴訟が増える⇒図書館に支援要請
    • 第3段階・・・「公共法律図書館概念」の成立:本人訴訟支援活動の定着
  • 質疑
    • 現在の(公共法律図書館の)利用者層は?
    • 「概念の成立」あるいは「呼ばれるようになった」というのは関係者が呼んだり関係者内で概念が出来たことはわかるが、関係者以外ではどうなのか? 概念の範囲は一般も含む?
      • 現在の本人訴訟を目的とした利用者層は、現在も中流層中心は一緒。また、高所得者層も離婚や親権の問題については費用節約のために公共法律図書館(本人訴訟)を良く使うようになってきているという話もある。
      • 概念については専門家の中で一般的に使われている。ただ、そこの活動と働く人は法曹とつながりがあるので、そういう人々が用語を使っているため法曹関係者の間でも一般化していると言えると思う。
    • 法律専門図書館を支えるのはロー・ライブラリアンを要請したり採用する仕組みはあるの?
      • 採用について、オープンに、裁判所付属図書館の職員を募集すると言う形で行われる。現在の一般的な募集の様子だと、法務博士を持っていて、図書館情報学収支を持っている人を募集するのが一般的。歴史的にはMLSのみであとからっていうのもあった。要請について特別なプログラムはない。あとはOJT。一人職場の場合はOJTを行うのが困難と言う話もある。
    • 本人訴訟が大きな契機と言うが、本人訴訟の形態は少額訴訟とか多重債務とかかなり限定されていると思う。相続とか家族法の関係だとか、少額紛争で使われたり
      • 本人訴訟の分野は限られるのはそのとおり。本人訴訟の利用者もほとんどは家裁的な利用
  • コメント
    • 法律図書館系は弱いのですよ。最高裁判所図書館に実習行ったくせに。いやだからこそか。
    • めちゃめちゃ古い文献まで見てるのか(汗) 文献調査系では当然なんだろうけど、大変そうだな。



・・・で、初日の発表は終了、夜は懇親会で飲んだり食べたり話したり・・・と。
個人的に初日は前半・第二部会のビブリオメトリックスラッシュと、後半・第一部会のREFORMによる和雑誌依頼件数の減少の発表がもともと気になっていたところであり、実際に聞いて見ても面白かったところであり。


ちなみに懇親会の後、自分は奈良から大阪まで戻り、近鉄奈良線日本橋駅近くのカプセルホテルで夜を明かしました。
・・・twitterでも発言したけど、住環境としては自宅よりもカプセルホテルの方が優れている・・・
普通に爆睡し、2日目のレビューに備えたの・・・でしたが!!!(以下、次のエントリに続く)