かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

第9回図書館総合展・2日目(あるいは怒涛の3日連続図書館祭り・初日)


図書館総合展2日目に行って帰って来ましたー。
人生初総合展はわからないことだらけなわけですが・・・あれだな、パシフィコ横浜ってでかいのなあ・・・っていうか横浜って綺麗な街なのなあ・・・
オフ会参加につき夜が遅くなり、かつ明日も朝一のフォーラムから参加、ってことで「宿泊先を確保してから行けば良かったな」と思いつつも、今日は一回筑波まで帰宅しました。
明日も朝早いので早めに寝ようと思いつつ、とりあえず忘れないうちに今日の雑感。

10:30-12:00 第4会場「帝京大学図書館の委託実態〜組織・人員・コストはどう変わったか〜」(TRC主催)

直前まで第2会場の「大学図書館の新たな発展をめざして」(NPO法人大学図書館支援機構主催)とどっちに出るか悩む。
っていうか会場に入ってもまだぎりぎりまで悩む。
どちらも聞きたいテーマに限って被る、と言うのはなんか法則でもあるのだろうか。

フォーラム内容としては、帝京大学図書館の委託実態自体については(言葉は悪いが)特別目新しい話はなかったかも。
TRCの大学図書館業務請負の話、と言うのがあまり表に出てこないので珍しくはあったが。
むしろ個人的に強く興味をひかれたのは質疑応答の中で出てきた助成金補助金の話。
外部委託に伴って夜間の開館延長をしたりすると「学習支援環境の改善」と言うことで助成金が出ることがある、と言う話は聞いたことがあったが、私大の人は思っていた以上に助成金補助金の獲得に熱心である様子が質疑の中で伺えた。
「図書館は助成金獲得のチャンスの宝庫」というような話もあったり。
図書館を外部資金獲得に利用しよう、と言う風に大学経営の中で積極的に位置づけるのは(もちろん業務の本質を逸脱しない範囲内において、と限定すれば)ワクワクする話であるので、今後はそっち方面からも大学経営と図書館の貢献について考えて行くようにしよう、と思う。


12:30-15:00 県内某所(パシフィコ横浜向い) RefWorksユーザミーティング

ゼミの先生経由で御誘いいただいたので、パシフィコ横浜向いのホテルで行われたRefWorks*1のユーザミーティングに出席。
先生よりだいぶ早く着いてしまい、しばらく高級感たっぷりのホテルにノーネクタイ・ジーンズ姿で立ちつくす・・・マジで心の中で「先生、助けてー!」って叫んでた・・・

内容は最近実装された新機能の紹介やそれについてのユーザ側の感想を聞いたり、今後実装予定の機能のお披露目が行われたり。
魅力的な機能が追加されていくのは非常に好ましいと思いつつ、やはり現状ではRefWorksが主としてターゲットとしている欧米・理系研究者向けの方が中心で、日本語対応やマイナーな書誌記述への対応は(そもそも開発陣がみんなあちらの人、と言うこともあって)なかなか完全とはいかない面もあるのかな、と感じる。
ただ、早稲田大学図書館ではRefWorksのオンラインチュートリアル日本語版も紹介されているとのことで。

こんな風に、日本語への対応が足りない部分はユーザの側で補っていって、それがRefWorks本体にもフィードバックされて・・・という流れがうまく作れると、今後のさらなる発展が期待できるのでは、というか情報基礎実習のときに教える側の負担が軽減されるのでは、と思ったり。


15:30-17:00 第1会場「日本の学術情報の電子化−絶望の現在と不安な将来」(独立行政法人科学技術振興機構主催)

本日のメーンイベント・土屋俊先生の日本の学術情報の電子化に関する講演。
後に聞いた話では、講演前からフォーラム会場では随所でこの土屋先生の講演に関する話題が聞こえてきたとか。
土屋先生自ら「3年連続で図書館総合展で講演してきた中で、過去最高のタイトル」と言うだけあって、このタイトルは本当インパクトがある(笑)

講演の概要については

にレジュメが掲載されていて、PPT資料も今後掲載予定、とのこと。
REFORMの研究成果なども絡めながら、海外雑誌の電子ジャーナル化による環境の激変と、すっかり取り残された形の和雑誌・紀要類の状況を見て、現状は絶望であるし将来も不安・・・というか実際のところ将来も絶望的である、と言う風に話が進んでいくという。
確かに、和雑誌・紀要類の状況は海外誌に比べると相当遅れているよなあ・・・CiNiiでだいぶ期待も上がったんだけど、割と使いにくい状況にあってフラストレーションがたまることが多い、と言うのも土屋先生のおっしゃるとおりだし。
日本だと「電子化」って言ってもPDF版ばっかり(それも画像)で海外電子ジャーナルみたいにテキスト形式等での提供がない(これは昨日の「丸善ライブラリーニュース」の話にも関わるかな?)、と言うのもうなずくところ大である・・・
PDF版のみの提供時に文字を選択しようとして出来なかったときの絶望感と来たら。
「え、これ引用するには全部手打ちですか?」みたいな。
OCRするにしたって面倒だなあ、とか・・・
紀要類についても、webにあげて置いてくれれば勝手にダウンロードして刷れるしとても便利なのだが(実際、探し物がそういう紀要に載っているのを見つけたときは小躍りしたくなるが)、どうもそうじゃないケースも多くて結局ILL、ってなったり・・・
質疑の中で「ILLはそれほど図書館にとって負担か」と言うご意見もあがっていたが、図書館以上に利用者にとって負担である部分がけっこう大きいような。
その場でいっきにガッ、とやっちゃいたいときに資料を取り寄せなきゃいけなくなって作業中断することになると、次にまた再開するのに妙な精神コストがかかったりするわけで・・・もちろんILL自体は非常に便利だし今は必要不可欠な枠組みだとは思うが、出来ることなら全部webから即座に入手できた方がうれしいよなあ・・・
絶望をせめて不安レベルに戻すにはどうしたら良いもんだろうか。
「紙媒体での情報流通の動態保存国家」なんて生き残り戦略はちょっと・・・*2


17:00-18:00 展示会場散策

じてんしゃ図書館の土居さんのトークセッションを見たり、RICOHのブースでLIMEDIOについて話したり。
LIMEDIOのパンフのトップで筑波大が紹介されていて吹いたw
導入事例としては最大級らしいが・・・このパンフレットの建物や館内の写真にはお見合い写真的な何かを感じるのですが・・・


18:15-22:15 "「OPACを作ろう」トピの夕べ"に参加

NEXT-Lオフ会に参加。
見知った方々にお会い出来た*3のはもちろん、以前からぜひお会いしてみたいと思っていた方にも会えたのでなんかもう感動した。
卓が一つはてなid所有者で埋まったときは何事かと思った(笑)
隣の座席同士でustreamの配信と視聴している風景に某ZDKの元議長と元広報制作部長を思い出した。
某自分が所属していない方の大手図書館情報系専攻の先生方もここを見ているらしい、と聞いて慄いた( ゚д゚)


そんなこんなで、とりとめなくも充実した感じで初図書館総合展終了ー。
会場等でお声をかけてくださった皆さん、ありがとうございましたm(_ _)m


明日は朝から晩までDRF近辺をうろちょろしている予定です・・・ときどき抜け出してなにか覗きに行ったりするかも知れませんが・・・

*1:webベースの文献管理ツール。詳細はこちらなどを参照のこと

*2:いや、それはそれでちょっと面白い気もしないでもないんだけど、不便だろうやっぱり。

*3:そう言えばProject Shizukuの3人が揃っているところを直に見るのは初めてか、自分・・・??