かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

「学生協働サポート」の生の声が盛りだくさん!:東京女子大学「マイライフ・マイライブラリー」公開実績報告会参加記録


1日遅れになってしまいましたが、昨日、東京女子大学で開催された「マイライフ・マイライブラリー」公開実績報告会に参加してきました!


東京女子大学の「マイライフ・マイライブラリー」についてはこれまでもシンポジウムや勉強会等での報告があり、図書等でも紹介されていることもあってご存知の方も多いかと思います。


学びの空間が大学を変える

学びの空間が大学を変える

  • 作者: 山内祐平,林一雅,西森年寿,椿本弥生,望月俊男,河西由美子,柳澤要
  • 出版社/メーカー: ボイックス株式会社
  • 発売日: 2010/05/21
  • メディア: 新書
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「マイライフ・マイライブラリー」が紹介されている本。


自分も2008年に一度、今回の講演者であり外部評価委員長でもあった逸村先生にご一緒して見学に伺ったことがあり、イベント等での報告も何回かお聞きしていました。
そのように露出の多い「マイライフ・マイライブラリー」についての公開実績報告会ということで、参加希望もかなり多かったそうで、会場がより大きい教室に変更になったり、報告会前に1回・後に1回ずつを予定していた図書館見学が前2回・後1回の3回に増強されていたりしました。
注目度の高さが伺えます。


自分は過去に1度見学にも伺っていますし、お話を聞いたり本を読んだりする機会もあったので取組みの内容についてはけっこう知っている・・・つもりだったのですが、図書館員・教員視点だけではなく、「学生協働サポート体制」について実際に学生アシスタントとして働いている方々の声を聞けたのは圧巻でした。
説得力が段違いです。
後に図書館員の方々や先生方に聞いたところによれば、最後の学生アシスタントによる報告は特別なことでもなんでもなく、学生アシスタントの全体ミーティングをただ会場で行っただけ、という印象だったそうで・・・これが日常になっているとは凄い。


前置きが長くなっても仕方がないので、以下、いつものように当日のメモです。
例によって例のごとく、min2-flyが聞きとれた/理解できた/書きとれた範囲でのメモですので、その点ご理解いただければ幸いです。
誤字脱字、事実誤認など、お気づきの点があれがコメント欄等でご指摘いただければ助かります。


なお、筑波大から参加・発表された平山さん(id:humotty-21さん)が既に感想等をアップされているので、そちらもぜひご参照下さい。


では以下、自分によるメモです。


学長挨拶(眞田雅子先生・東京女子大学長)

  • 160名を超える参加申込
    • 東北、四国、九州からの参加も。心より感謝申し上げます
  • 東京女子大学は・・・
    • 2003年度に女性学についての特色GPに選らばれる
    • 2004年度にはキャリア・イングリッシュ・アイランドで現代GP
    • 2007年度・・・東京女子大学キャリアツリー・2つめのGP
    • 同年、「マイライフ・マイライブラリー 学生の社会的成長を支援する滞在型図書館プログラム」が学生支援GPに選ばれる
  • これらは一貫して建学の精神であるリベラルアーツ教育の新たな展開に関わる
      • 特に「マイライフ〜」はユニークかつ大学の教育成果に果たす役割が大きい
  • 2007年度に開始し、今年度で4年目
    • 文部科学省助成の最終年度
    • 来年からは経常事業としてさらなる継続をはかる
    • そこで今年は自己点検・外部評価を実施
  • 本日はこれまでの実績を報告し、外部評価委員長として尽力くださった逸村先生に講演いただく機会として報告会を開催した
    • 多少なりとも皆さんのご参考になれば幸い

実績報告:「マイライフ・マイライブラリー 学生の社会的成長を支援する滞在型図書館プログラム」(兼若逸之先生・東京女子大学図書館長)

  • なかなか長い題名。呼ぶときは簡単に「マイライフ・マイライブラリー」と言っている
マイライフ・マイライブラリーとは?
  • 2007年度に学生支援GPに選定、今年度で援助の最後の年。
    • 外部評価を実施することに。そちらは後ほど逸村先生から発表いただく
  • マイライフ・マイライブラリーはハード・ソフト2面に分けられる
    • ハード:学生が図書館から離れている。ハードを変えることでどのように学生を図書館に引き入れられるのか?
    • ソフト:教員・職員が図書館利用をいくらうったえても限界がある。学生自身が図書館で学び、その力を他の学生に与えることで、図書館をより長く・有効に使えるのではないか?
      • 「学生協働サポート体制」
図書館の改修について
  • スペースの改修によって学生たちにどのような影響を与えられるか? 滞在型の学習を保証できるか?
  • コミュニケーション・オープンスペース
    • 自由に意見を交換し、グループ学習ができる
    • 声を出してもいいスペース
    • 最近は写真が撮りにくい。いつも学生が使っている
  • プレゼンテーションルーム
    • ガラス張りの部屋
    • 視線に慣れる/興味を引く
    • しっかり課題を行うことと同時にきちんと発表できること
  • リフレッシュルーム
    • ゆったりした/気分転換の空間
    • 学習の合間に寄ってみられる
  • メディアスペース
    • PC 48台
    • 学生が最も使っているスペース。論文・レポート作成時に多くの学生が利用
    • 時間帯ごとに総入れ替え制
  • グループ閲覧室
    • 遮音性が高い/密度の高いグループ学習の部屋
    • 別室空間
  • 個人ブース
    • 一人で集中できる場所
    • 卒論・レポートをやる学生が多い。よく利用されている
  • このように・・・学生は色々な形で図書館を利用できるように空間を作る
    • しかしそれがすぐに学習に結び付くわけではない
ソフト面
  • ボランティア・スタッフ
    • 階段を上がってすぐに、それとわかるしるしをつけてスタッフが働いている
    • 色々なことを聞けるように
    • 図書館だよりも作っている
    • 学生が独自に課題を立てて、自分たちがどういうことができるのか考えて取組んでいる
      • 例えば図書館だよりの今月号では、地階にある雑誌の探し方などを扱う
  • サポーター
    • 図書館の利用案内、蔵書点検、オリエンテーション等を行う
    • 見てすぐにサポーターとわかる形になっている
  • システムサポーター
    • PCの操作説明、トラブル対応が一番多い
    • それをどのようにするかはシステムサポーター内部で考えている。
    • 学生の質問を整理して、同じようなものについてはマニュアルを作成している
  • 学習コンシェルジェ
    • 大学院生
    • 資料の探し方・レポート・論文作成の基本的な質問を受ける
    • 学習全般の質問に対応。いろいろな専攻の院生がいる
    • 学部学生は専攻の近いコンシェルジェを探して相談する形
    • 入り口近くのアシスタントアイランドにコンシェルジェ・システムサポーターが滞在
      • 最初は通る学生も少しぎこちなかったが今では非常に自然に
実績報告(開始〜2010年12月まで)
  • プログラム実施前・・・年々、図書館を利用する学生が減ってきている
    • 2003年度の入館者19万人⇒2007年度16万5千人
    • どうやって回復させるかが悩み
      • マイライフ・マイライブラリーへ
  • 2008年度、全面実施により20万人以上の入館
    • 2009年度には22万人以上
    • 2010年度は12月時点で2009年度と同程度の入館者
  • もう1つの悩み・・・館外貸出冊数が激減
    • 2005年度に7万4千冊⇒2006年度に急減、2007年度で7万冊を割り、2008年度に増えたが2009年度に再び急減
    • 学生の学習スタイルが変わってきている?
      • 館外に本を持ち出して勉強するのではなく、レポートも論文も図書館内で済ませていることのあらわれ?
      • 時間外学習を全て図書館で行うのも難しい。図書館としても学外にも持ち出してほしいと考えているのだが・・・
    • 2010年度は7万冊を回復するか否か、といったペース
    • 学生の動きをみると・・・図書館内での学習スタイル・学外でのスタイルが変わってきている気はする
      • このあたりの分析は考えていきたい
  • 学生アンケートの結果から:
    • 図書館の利用回数が増えた、と回答した学生・・・約24.9%
    • 利用する場所ランキング:
      • 1位:一般閲覧席
        • 色々なスペースを紹介したが、実は一番使っているのは一般の閲覧席
        • あまり利用されなくなるのではないか、という心配もあった。印象としてもそれほどいないように見えたが、実は1位は閲覧席
        • 考えて見ると・・・他のスペースは50席程度が対象。大学全体から見ると利用したい学生が行っても埋まってしまっている
        • 閲覧席は広い。人数的に見ると一番多いのだが、外から見ると他のスペースの方が多く見える印象になる
        • 閲覧席の利用状況の調査をすればそれなりの人数は出るのだろうが、現在はまだ見ていない。今後やりたい
        • 学生は一般閲覧室で勉強するのが基本、というのがわかる
    • 滞在型利用について・・・図書館に滞在して利用しているか?
      • 89.6%の学生が肯定的に回答
    • スペースの利用目的
      • メディアスペース・貸出用ノートPC・・・レポート/論文作成
        • メディアスペースと貸出PCは同じような役割を担っている
        • 課題対応型の利用
      • コミュニケーション・オープンスペース
        • 課題・試験勉強が1位、その次がグループ学習
      • リフレッシュルーム
        • 飲食が1位だが、課題・試験勉強、グループ学習・活動も行われている
        • 課題・学習がベースにあって、図書館を利用している
    • 図書館を利用する際にどこがどのくらい重要?
      • 一番重要・・・一般閲覧席での読書・学習
      • 所蔵の本・雑誌の館内利用がその次、館外貸出は3位
      • 1階(改修した場所)は81.7%、グループ学習等も7割以上の学生が重要と回答
  • 専任教員アンケートの結果から:
    • 図書館資料の利用を学生に勧めているか?・・・80%以上の学生が授業の中で図書館を利用するよう言っている
    • 学生の学習・大学生活の支援の場として図書館はその役割を十分に果たしているか?・・・
      • 23.8%は「非常にそう思う」、「そう思う」は約50%. 教員側の姿勢も評価できる?
    • マイライフ・マイライブラリーが図書館の機能充実につながっているか?
      • 90%以上が肯定的回答
      • 1階機能がなくなると図書館がマヒする?
        • 1階部分は学生が動いている。図書館自体が動く場として1階を主としている
  • 学生アシスタントのアンケート結果:
    • アシスタントをやって良かったと思うか・・・ほぼ100%が肯定的回答
    • アシスタントはメーリングリストを使ってコミュニケーションをしており、経験がどんどん積み重なっている
      • その一員として自分がやっている、という意識が高い?
      • アシスタントをやりぬいた/やっていることへの成就の気持ちが強い
  • アシスタント希望者・採用者人数
    • ボランティアスタッフは応募者を全員採用
    • サポーターは100人以上の申し込みに対して半分強の採用
    • システムサポーターの申込も増加
      • 知識・経験をチェックし、それに合わせて資格がある者のみ採用する制度
      • 2010年度は全員採用
    • 学習コンシェルジェは院生が担当するので推移は一定
    • 全体では184人の応募、131人の採用(2010年度)
    • 東京女子大学には4千数百人の学生。4年間で延べ700人くらいの学生がアシスタントとして関わる
      • 小さな大学の中で200人近い学生がアシスタントを希望し、多くが実際に経験することは力になっている
    • 応募の理由:「わたしも助けてもらった」「わかるようになったので自分も助けたい」
学生アシスタント自身の成長
  • ボランティア・スタッフ⇒サポーター⇒システムサポーターorコンシェルジェ
  • 一方でシステムサポーター⇒サポーターorボランティアを希望する例も
  • 「学生の時にお世話になったので・・・」としての応募は非常に多い
  • 友達の1人がサポーターをやっていると、「それが楽しそうだから」として応募する例が非常に多い
  • これがいつ全学的な動きになるか・・・黙っていてはならない
    • そのためのイベントを色々考える
      • サポーター強化期間:サポーターの仕事を学内に広く知らしめる
      • ボランティア:図書館だより
      • システムサポーター:PC質問箱・・・web上にFAQを構築・まずそこを見られるように
  • 学生アシスタントの全体ミーティング:
    • グループ別に前期・後期に1度ミーティング、解決すべき問題について討議したものを全体ミーティングで発表、親睦をはかる
    • 学年間の上下関係はない。互いの課題を話し合う
    • 毎回、学生からの発表に一方では感激し、教師として学ぶべきところも非常に多い
  • 学生協働サポート体制のまとめ:
    • 学生アシスタントの積極的活動はアシスタントの中で起こっている
      • 今日の図書館ツアーでもお感じになったかと思う
    • 経験を通じた自身の大学生活の充実
      • 自身だけでなく、人の経験が自分の経験にもなる
      • 一人の経験がトータルの経験になるシステム
    • 経験を通じた社会的成長
      • メーリングリストを見ると・・・よりわかりやすい・正確・的確な質問者への回答を常に心がけていることがわかる
      • どのような対応が利用につながるかを常に考えてくれている
  • 学習滞在型図書館:
    • 学習活動の拠点、学生協働の拠点、学生生活の拠点
    • 社会的成長を促すものにもなっている、ということを自負している

講演:「マイライフ・マイライブラリー 高等教育変容への期待」(逸村裕先生・筑波大学大学院図書館情報メディア研究科/筑波大学附属図書館副館長/筑波大学附属図書館研究開発室室長)

  • 本日はマイライフ・マイライブラリー外部評価委員長としての講演
    • 外部評価委員長を拝命して、しばらくしてから評価の講演について依頼を受けた
    • しかしそういう講演って何を話したらいいのか?
      • 自己評価・外部評価のネタは既に出てしまっている
    • そこで何を話すか・・・今、関心がある話をする
  • 本日の流れ・・・筑波大の学生2名が間に入る。それがなぜかは後でお話しする
はじめに
  • マイライフ・マイライブラリー・・・大学・図書館関係者にとっては「ラーニング・コモンズ」と読んでいる機能
    • 海外においてもこの十数年、色々なところで流行っている
  • 自己紹介・・・このブログ読んでいる人はいいよね? 詳しくはググって下さい
    • 大学を移るたびに1年生の担当をしている
      • 上智大:1年生向けの図書館ガイダンス。協力的な学科では1年生に図書館・情報の使い方を話す
      • 愛知淑徳大学:1年生を最初から教える
      • 名古屋大学:1年生の情報基礎
      • 筑波大学:2年目から改組された知識情報・図書館学類の1年生の学年主任
高等教育の変容
  • 少子化×ユニバーサル化
    • 少子化・・・1966年には249万人だった18歳人口が2010年には120万人に
      • 2027年には18人口が109万人になる
    • 短大・4年制大学をあわせた進学率は19%⇒59%に。トロウが定義するユニバーサル化
  • 社会の変化と高等教育
    • 従来モデルの崩壊・・・色々な問題が起きている
      • 日本だけの問題ではない。アメリカ合衆国もそう
      • 就職難も酷い。日本の比ではない
      • イギリスでは40%の大学卒業生が就職できていない。さらに授業料も値上げ、15年前に0だった国立大学の授業料が100万円に⇒暴動
        • そんなに苦労して入っても先が厳しい
  • ただし、暗い面だけではない
  • 国際化
    • 1983年・・・外国人留学生は約1万人。同年、中曽根内閣で取組み開始。21世紀初頭に10万人受け入れる、とする
    • 2003年・・・11万人に。2010年には14万人。国際化は進んでいる
      • グローバルCOE・・・いくつかの大学が留学生の受け入れに財政支援を受ける、かも?
      • 筑波大では10年後には学生の3割を留学生にする、と宣言。それが普通になる
  • あといいこととしては若者の交通事故死は激減しているが、まあそれは時間がないので
  • 学習活動活性化へ
    • 『学士課程教育の構築に向けて』という中教審答申(2010.12)
      • 学士力:課題解決能力の重視
      • 単位制度の実質化:事前、事後学習の重視
        • 規定上は4年間で8,000時間、学習しないといけない。事前・事後学習も義務付けられるとなれば、図書館の出番
        • 60年前に決められていたことがやっと実現する、のか?
      • 教育方法の改善
        • Faculty Development・・・教員そのものがどうあるべきかをきちんと学ぶのが本来/日本では教育方法の改善に限定
      • 初年次における教育の配慮
    • 大学にとって学習活動の活性化が課題
      • 今まではなにをしてたんだ、というのは追及しない
  • 情報技術の進展
    • 知識量の増加
      • 若者の活字離れとか言うが、ネット上も含めれば相当量の活字を読んでいる
      • wwwもサーチエンジンも使う/教科『情報』の影響
      • 質の問題・・・情報の選び方/つなぎ方。そのためには能動的な学習が必要である
        • 大学教育の活性化、とつながって・・・
  • そこにおりしも現れたのがラーニングコモンズ
    • 学生が主体的な学習を行なう場
      • 色々な要素・・・ネットワーク環境、コンピュータ機器、学生利用が中心、グループ学習、おしゃべり可能、図書館の一部(?)
      • 別に図書館の一部である必然性はない、とも
      • 滞在型図書館、が重視される。居心地がよくないと学生は来ない
        • 私たちが学生の頃は大学に冷房なんてものはなかった。それが予備校で学んだものからすれば「なんで大学に来ると環境悪くなるんだ?」という印象
        • 1980年代以降、いっきに改善。さらに現在も改善が進んでいる
        • かつてアメリカで1960年代に発展したUndergraduate Libraryで、コンピュータ・ネットワーク以外は網羅されている
        • この手の機能は図書館が持つべき、というのはその頃に既に書かれている
    • あらためて要素をまとめると・・・
    • 日本のラーニングコモンズは約100大学あるが、ラーニングコモンズの要素技術はどれも3割以下しか持っていない
    • 日本はまず「ラーニングコモンズ」と名乗るのが先
      • 単なる空間提供が多い:それっぽい空間を用意すると名乗れるらしい
        • 利用者のニーズには合致しているが、そこに人的支援が行われているものは少ない
        • 大学全体での位置付けもわからない、図書館機能との関連もわからない
いま、学生は
  • 教育・図書館は大人であれば誰でも語れる
    • 無責任な話もいろいろある
  • 今日は3つだけ話す:入試の多様化、学力、さまざまなレッテル貼り
  • 入試の多様化
    • 私立大学では一般入試以外の入学者の方が過半数に(56%)
    • 一方でセンター試験受験者は558,000人・・・18歳人口の4割近くは受けている
      • マニュアルが分厚い。余計なことがしゃべれない。大学教員にとってはえらい苦行
      • 「受験番号を書け」と合計で40回言う。馬鹿か、と思うが12回目に行ったとき(その時間の4回目)でも間違えて書いている受験生もいた
      • リスニングもよく話題にあがるが、マニュアルは非常に分厚くこと細か。それに従え、従わないと出てけ、というもの
    • 予備校・進学校の対応ぶり・・・センター・一流大学受験への対応はすさまじいものがある
    • そういうことをやっていて、大学で能動的な学習や活性化、というのはどう考えたらいいのか?
  • 学力・・・飛ばす
  • さまざまなレッテル貼り
    • ゆとり
    • ケータイ
    • デジタルネイティヴ・・・物心ついたときからネット・動画等があるネイティヴ
      • 私にも大学生の子供がいるが、明らかにデジタルネイティヴ
      • 一方、ここにいる人の多くはデジタルイミグラント(移民)。成長してから習熟
    • デジタルネイティヴの特性:
      • PCリテラシーは別に高くない、インターネット=PCではなくケータイ、書くのはケータイの方が早い、テレビは話題にする(昨年のWCでテレビで見ながらTwitterで盛り上がっていたことを参照)、動画とは見るものではなく参加するもの
      • 細かく実態を把握する必要がある
筑波大学知識情報・図書館学類での実態(の一部)
  • 教科「情報」の影響・・・ある
    • ただしWordとPPT
    • Excel、HTMLは大したことない
    • PPTは高校生でも面白い?
    • 情報倫理等はあまりない。受験科目ではないことが最大の要因?
  • Google認知は昨年度はじめて100%に
    • それまでは1〜2人は知らない人もいたが昨年ついに100%
    • ブログを書いているのは20%、mixiは30%、Twitterは15%、Facebookは1%(1年生の4月時点)
      • 2〜3年生の授業だと、授業中でもTwitterで呟いている
      • わからないことがあると質問するとか
      • 教員自身がそのTwitterでの呟きをまとめて公開したりもしている
    • Wikipediaは全員知っている。特に小説・ドラマのストーリー等を調べている
  • サーチエンジンにヒットしないものは存在しない!
    • なぜOPACサーチエンジンのように使えないのか?という不満に
    • 次世代OPACのようなものを入れると、一方で図書単純検索だけでいい、という意見も出てくる
  • 学生は何を考えているのか?
    • 図書館を利用しない理由・・・貸出とコピーで済む、=それは図書館利用と思っていない
      • 滞在して何かするのが利用、ちょっと行くのは「利用」だと考えていない
    • 教科書、配布資料、WWWで十分/忙しい/勉強しない/電子ジャーナルでいい/研究室の方が作業環境がいい
    • 図書館を利用する理由
      • 電子化資料/持ち出せない資料/レポート作成/居心地がいい/涼しい/ソファ/待ち合わせ
  • 2つの利用:
    • 必要に迫られて利用する
    • 行きたい図書館だから利用する
    • 利用が多いだけで良い図書館、とは言えない。下の利用が多ければ良い図書館
  • もう1つ・・・学生は多様である
    • 1人1人が違うし、1人の中でも矛盾がある
  • 筑波の事例・・・知識情報・図書館学類の本来のミッションは図書館員育成
    • 筑波:3学期制・・・1年生の1学期に情報基礎実習の授業でメールの書き方から教える/8割の学生は正しく電子メールが書けない(ケータイの影響)
      • 文献管理ソフト・図書館の使い方、OPACの使い方・・・・
      • 1年生の2学期にプログラミング演習
      • 2年生:知識情報演習=資料組織演習+レファレンス演習
      • 3年生:主専攻分け、その後・・・卒業研究
      • 4年生:知識情報特論・・・教員・外部講師により最先端の話をさせる
        • ガンガン研究の話をさせてみる。割りと4年生はついてくるし、Twitterを使って学生間で説明が飛び交ったりする
  • そうしたカリキュラムにあわせて・・・ラーニングコモンズが要るんじゃないか?
    • 院生等をチュータとして雇ってサポートさせる
    • 2008-2009年は空き教室、2010年にやっと図書館へ
    • 学生に任せてしまう。学生主体でできる、と判断
      • まったくの勝手は困るが事後承諾でいいのでやって、と言って任せる。それこそが学生主体のラーニングコモンズの在り方の一つ
    • で、ここからは学生に話してもらう

「春日ラーニングコモンズの1年」「」(平山陽菜さん( [twitter:@humotty])・筑波大学情報学群知識情報・図書館学類)

  • min2-flyコメント:ちょ、卒論生なのにここでも発表するのか! 
  • 東京女子大等との違い・・・学生スタッフが運営している
    • 計画立案、プログラムを立てるところから有志学生スタッフが主体
    • 何かを指示されたり決められたことをしているわけではない
    • 自分たちが学生生活を送る上でどんな仕組みがあれば楽しく・過ごしやすくなるかを考えてきた
    • 本日は平山さんがこの1年の活動について、有元さんが課題等について話す
  • ラーニングコモンズの3つの要素:
    • 場所、設備、利用者を含めた「人」
    • その3つの基盤の上にラーニングコモンズがある
  • 学生スタッフの仕事
    • チュータ業務:学生がチュータとして質問に応える
    • イベントの企画・実施:学生が主体となりイベントを開催
      • この1年間のイベント・・・
        • お茶の水女子大・東京女子大学の見学ツアー・・・筑波との違いを感じる
          • カリキュラムや学生の気質等
          • それぞれ素晴らしくて参考になるが、真似をするだけではなくて自分たちにあったものを作るべきと考える
        • pingpongプロジェクトのWS

思想地図β vol.1

思想地図β vol.1

  • 成果測定はまだ困難として・・・
    • 平成21年度に比べ平成22年度は利用者数が大幅に伸びている
    • チュータのレファレンス記録のフィードバックや質の向上等を計画

筑波大学春日ラーニングコモンズ:ラーニングコモンズスタッフの視点から」(有元よしのさん( [twitter:@ariyosi])・筑波大学情報学群知識情報・図書館学類)

  • 2010.1からスタッフとして参加
  • 春日ラーニングコモンズは20名程度の学生が業務
    • 有元さんはALISや研究室相談会等を主催
      • 2011.2.5にはALISとLifoのコラボ企画をやります
    • さまざまなイベントに参加し、ラーニングコモンズについて・使い方について知ってもらう
    • 2011.3.5・・・「うごくラーニングコモンズをつくる」というワークショップ
    • 春日ラーニングコモンズは全てが学生主体
  • 他大学との比較
    • 筑波・・・コンパクトでシンプル。よく言えば
      • 可能性は持っている?
    • ラーニングコモンズで重要なのは人
      • 場所・設備は大学によって差がつく
      • オリジナリティを出すときに重要になるのは人
  • しかし現在の春日ラーニングコモンズは学生が集う場所ではない
    • 多くの教員・図書館員がラーニングコモンズに関わっていないため?
    • 学内にラーニングコモンズ、というシステムが浸透するには時間がかかる?
  • 今後の展開
    • 学生・教員・図書館員がコミュニケーションをとることで、運営やニーズについて考えながら春日エリアにあったラーニングコモンズへ?
    • 筑波だけの話ではない
      • どこのラーニングコモンズでも同様に言えること?
      • ラーニングコモンズ自体は海外のモデルを持ってきたもの。日本にあわせる上で、その学生の特色にあった形で作るべきではないか
      • また学生は毎年入れ替わる。少しずつ大学・学生にあわせて変えるべき?
    • 図書館情報学の実践のためのラーニングコモンズ
ふたたび逸村先生へ
  • いろいろなラーニングコモンズがある、ということを申し上げたい
    • 日本での嚆矢は国際基督教大学
    • お茶の水女子大、名古屋大、金沢大学・・・さまざまにあるし、あっていい
    • 学生が多様であるように大学も多様
外部評価委員長として
  • 「マイライフ・マイライブラリー」は成功しているといえる
    • すでにwebにあがっているが・・・
  • 一番の成功要因:大学のミッションとの連動
    • 活動内容は変わりながらも目的は明解、ゴールも明解。東京女子大としての立ち位置に即した内容を備えている。好ましい姿勢
    • 「ラーニング」はステップの先には次、さらに次のステップがあるもの
  • 成功の要因2
    • 同輩が勉強している姿が見える。良い大学としての雰囲気を描いている
  • 成功の要因3
    • 学生アシスタントが効果的に機能している
    • 「学生主体」とはみんな言う。その中身が大学によるのだが、東京女子大はアクティブだし、モチベーションも高い
    • 今後は大学の経常経費で行う、ということもあるが、一層の発展を期待したい
  • 成功の要因4
    • 他の委員のコメントでもあるが・・・学風・学生気質に図書館が積極的に対応している
  • 成功の要因5
    • 学生は他の学生に教えることで伸びる。それを作り上げたのは優れたシステム
    • objective self awareness
    • 筑波大学でも同じ。4年生が指導しているが、彼らは2〜3年前には教わる立場だった
      • 教育としてあるべき姿
  • 成功の要因6
    • 図書館機能の焦点が絞られている
    • 大学によって事情は違う。規模・偏差値・入試科目・・・
      • そこで図書館は何をなすべきかが見えてくるはず
      • 従来の役割、新しい情報技術、教員への支援(電子書籍など。教員でそれらの専門家、という者は少ない)
    • 評価の原点
      • 評価・・・このあと一層良くなるためにその後、何をすればいいかのために行う
      • あら探しにいくのではない。問題点は指摘するが・・・東京女子大なら学生アシスタントの経費・労力負担などを指摘したが、それを乗り越えることの期待を持っている
      • 適切なR&Dの重要性
        • 質問紙の作り方など。進歩している社会調査法をとりこまない法はない
まとめ
  • 学生は多様
  • 学生に望まれる学習サポート、とは。ただ望まれているものだけではダメ、すぐ陳腐化する
    • 情報技術の進歩はすさまじいものがある。それをどう図書館で使ったらいいのか
    • トライアル&エラー。エラーもあるが考えねばならない
  • 高校と大学の学習の違い・・・能動的学習
    • 日本には高い技術がある。それは日本の特性でもあり、国際化の時代にうまく提供する必要
  • 研究がついて回る大学を意識させる
    • 大学において研究は一つの柱
    • それとなく学生に意識させることが重要
    • 研究室にこもっていてはいけない
  • 現時点でマイライフ・マイライブラリーは成功
    • しかし今日の成功は将来の成功を保証しない




休憩


各学生アシスタントの活動報告

ボランティア・スタッフ(お名前はメモらず。お名前出していいのかわからなかったので。以下共通)
1人目(全体説明)
  • ボランティアスタッフは利用者に一番近い存在
    • 資料探し、図書館利用について案内することで図書館利用を促進する、というのが目的だが、まだまだ浸透しない面も
  • 今年度の新たな取組み
    • OPAC端末の上にボランティア・スタッフの告知
      • 利用者は検索の後、誰に話しかければいいのかわからない、という様子に気づく・・・そこでOPAC⇒ボランティアスタッフへ、というラインを明示
    • ホワイトボードにボランティア・スタッフ個人・個人が利用者向けのメッセージを書くように
      • 図書館ツアー参加者にはわかると思うが・・・2階(閲覧席・書架)に上がった際に目立つ場所に告知を出す
      • 綺麗な告示は多くて目立たない。手書きの方が目につくのでは、と思い設置。案の定、すれ違う人が一度見て、もう1度戻って見たりしている
      • 存在を知ってもらう役に立っている?
    • 利用促進デー
      • 卒論執筆期間に実施
      • ボランティア・スタッフの認知度向上・ボランティアの士気も向上
      • 企画が通る嬉しさと実際に行うことのむずかしさ、みんなで一緒にやることの喜びを知る
  • スタッフをしていると机に向かう時間が増えるので成績が上がった
2人目
  • 固定時間ではなく、やりたいとき、空き時間にやることができる
    • 無理なくできる。ボランティア・スタッフの魅力の1つ
3人目
  • 1年生の時からやっている(2年前から)
  • 図書館だよりの作成のリーダーを今年から任される
    • 汗と涙の結晶として作成できた
  • きっかけは本が好きなこと、覚えた知識を少しでも伝えられたら、と思ったこと
    • 目下の悩みは質問が少ないこと。認知度が低い? もう利用の仕方を知っている?
    • 利用促進期間後の活動で活動から1年半で初めて質問をいただいた・・・が、PCのログインについてだった
      • 図書やOPACだけでなく、コピー機やPCのログインの方法も知っていると利用者にも教える側にも有意義?
サポーター
1人目(全体説明)
  • サポーターの仕事・・・決められた時間帯に赤いエプロンを着用し、返本と書架整理を担当
    • ブックトラックが各階ごとに分けられている。請求記号順に揃えた上でカウンタースタッフに確認、問題なければ各階で返本作業
    • 返本作業中に困っている人を見かけたら声をかける。困っている人は大丈夫じゃなくても「大丈夫です」と逃げてしまうので、「何かお探しの本はありますか?」等と目を見て聞いている
      • そう聞くとちゃんと応えてくれる
      • 一緒に書架を探したりOPACで調べる、1階にいる職員に聞く、など適宜対応
  • やっていた良かったこと
    • 色々な本を専門書・一般書問わず知ることができる
    • 4年生なので最近まで自分の卒論にあくせくしていたが・・・
      • 業務中に自分の友達の研究に関連する本を見つけて伝える・・・卒業論文にも使ってもらえてお礼を言ってもらえた
    • そういう風にもお手伝いできる・・・それがやりがい
2人目
  • 良かったこと:ジャンルをまたいでたくさんの本を知ることができる
    • 普段は自分のレポートにいる本しか手に取らない。業務中には普段の何百倍もの本を見る
    • 仕事中に知識欲が刺激される。いま、一番学習意欲が高まっている
  • ブックトラックを運ぶ際の音や利用者との会話が、たまに2〜3階でも響く際に生き生きとした感じが生まれるのが楽しい
3人目
  • 良かったこと:自身の図書館利用が便利に
    • スペースの使い方がわかった
    • 情報検索の仕方がわかった。それを生活に取り入れられた
  • もう1点:図書館自体に強く興味を持った
    • 図書館学を勉強してみたいと思うように。昨年、司書講習を受けて司書資格を取った
    • 図書館全体について学べたのは良かった
4人目
  • 良かったことをいくつか
  • 専門分野以外の本にも触れられる
    • 整理時に「こんな本もある」「これも面白そう」という興味を持つだけでなく、排架作業時に普段はみない書架も見るように
  • 排架の仕組みがわかったことで自分の資料を探す速度もあがった
5人目
  • 自分の中で変わったこと・・・本の興味の幅が広がった
    • 学習に役立ちそうな本も見つけられたし、レポート執筆時にも関連する本を見つけられたり
6人目
  • 授業の空き時間は寮に帰っていたので、以前は図書館を利用したことがなかった
    • はじめは全く使い方がわからなかったが、排架作業やミーティング、他の利用者の姿を見て刺激を受けている
7人目
  • サポーターの活動の良いところ・・・たくさんの本に出会えたこと
    • していなかったら絶対に出会わないような分野の本にも出会う
  • 速さより正確さを重視したい
    • わたしたちが間違うと利用者が大変な思いをする
    • 排架は単純作業のようでいてとても責任がある、しかし役に立っていることが実感できる
    • 社会に出てからもなんらかの形で活かせる?
    • これからもがんばりたい
8人目
  • 大学で一番図書館が好き! そこで仕事ができると聞いて応募
  • サポーターの仕事は簡単そうに見えるが、正しい場所に返さないと利用者が困る
    • 卒論時期にたくさんの本を並べて書いている4年生を見てそれを実感
    • 利用者がスムーズに本を借りて学習に励めるように、利用者視点をもって運営に関わりたい
  • こういう体制が他大学でも広まればいいと思う
9人目
  • きっかけ・・・選書ツアー
    • 興味を持っている本を見つけられて興味のある分野がわかった
    • 自分を知るいいきっかけ
  • サポーターをしてみると・・・
    • 自分の分野以外の本を見るので他にも興味
    • 自分で探すのもうまくなったり、利用しやすくなった
システムサポーター
1人目(全体説明)
  • 主に図書館1階アシスタント・アイランドで活動
    • PC操作質問への回答、プリンタサポート、トラブル対応
    • メディアスペースのPCとノートPCをサポート
    • 質問だけでなく声をかけることも
      • 声をかけても逃げられることがあるので、今度からはサポーターの方の知見を参考にしたい
  • システムサポーターは発足当初から報告はメーリングリスト
    • メンバー間の情報交換が盛んに
    • 自分が対応できなかったケースの解決策を求める・より効率の良い対応策を提案するなど
    • 全員のスキルアップ・より良いサポートへ
    • そこでは図書館をよりよくするための提案もしている。採用されたものもある
      • マニュアルづくり:誰がサポータになっても同じレベルのものを提供できるように
        • 内容はそれぞれが受けた質問と回答を1本のUSBにまとめたもの
        • 現在も追加・更新中。マニュアルをもとに利用者向けのwebを作成、「PC質問箱」。図書館サイトのコンテンツ
      • メディアスペース各PCのポップ
        • シャットダウンではなくログオフせよ、との指示。ついシャットダウンして次回利用者が時間を取られることがあるため
        • Wordで作ったものでは逆に風景の一部になって見過ごされてしまう? そこで手書きの絵などを入れた眼を引くものに
        • 他に大量印刷注意のポップも。
      • 図書館もサポータの提案を取り入れてくれるし、取り入れられない場合はその理由を説明してくれる
        • 提案しやすい・それが意見交換の活性化へ
  • 今はそのように認知度も上がったが・・・
    • 発足当初は友達に「何やってるの?」と聞かれたり、素通りしてカウンターに質問されたり
    • 最近は質問が増え忙しくもなったが、利用して貰えることは嬉しい
  • 図書館業務に関われた経験は貴重なもの
    • 当初はスキルにも不安があったが、どうしようもないときは図書館員が助言をくれるし、同僚が助けてくれたり、苦に思ったことはない
    • 利用者に「ありがとう」と声をかけてもらえるとやっていて良かったと思う
    • 他学年・他学科の方と関われたことはコミュニケーションスキルにも関係
    • 勤務で定期的に図書館に通ったことで図書館に行く習慣も生まれた
      • 図書館の活動方法を知ることができたのは今役に立っている
    • これからも図書館と積極的に関わりたい
2人目
  • 4年間の大学生活で図書館がどう変わったか?
    • 入学年にマイライフ・マイライブラリーが始まる
      • リニューアル前にボランティアスタッフに応募した際は何をどうしていいかわからず、ほとんど活動できず
    • 2008.4に大きくリニューアル。凄く明るい雰囲気に
      • 以前は堅苦しくて使いなれた人しか来なかったのが、人が来るように
      • 1〜3階での使い分けもできている印象
      • 飲食・PC利用ができるようになったことで、1日中図書館にいたことも
    • 図書館によるプログラムの提供が結び付いたことも
  • システムサポータ業務の感想
    • 開始時期に立ち会ったので凄く思い入れがある
    • きっかけ・・・まわりは女子ばかりなのでPC操作が苦手な人が多く、教えて回っていた。それを活かしたい+図書館への思い入れ
    • マニュアル制作に携わったことが印象深い
      • 個人的にまとめていたメーリングリストの質問・回答リストがもとにある
      • それが使われていることを嬉しく思う
      • 以前のものがまとまっているのは便利だし、時間のつながりも感じる
  • マニュアルが基盤。今後もっと発展してくれるといい
    • 学生の発案で環境を良くする工夫がされている
    • お金が発生するので単なるアルバイトでもいいはずなのに、みんなそれで終わらせず自主的にやっている。そのモチベーションは素晴らしいもの
    • 学生のモチベーションを支えているのは図書館員が熱意を持って取り組んでいること・学生の意見を反映する姿勢が示されていること
      • 図書館員の協力・積極性があって活動が大きくなった
  • 大学の所属意識が、サポーター業務を通じて高まった
    • 利用⇒提供に回ったことで大学教育・大学制度への理解が深まり、自分の大学生活を見直すことに
    • アナログ・アットホームな図書館を誇りに思っている
3人目
  • サポーターをはじめた動機
    • 図書館が便利で居心地が良かったので、新入生にその良さを伝えたい
    • システムサポーター等はここでしかできないのでやりたい
    • PCは得意なので活かしたい
  • 当初は緊張の連続・・・技術を伝える経験がなかったので
    • MLで質問が残っていたこと、図書館の方がわからないところを教えてくれたこと、サポータがすぐにPC関連の本を取り出せるようになっていたので大丈夫だった
  • 今年度、思ったこと
    • 昨年度に比べて自信が持てた
    • シャットダウンや大量印刷の課題にも先輩方が作成したポップで対応できたのが良かった
  • 今後の目標
    • 次のサポーターに引き継ぐこと・・・自分があまり戸惑わずに済んだのも先輩方が過去の活動をデータに残していたから
    • 学生が主体的に図書館に関われる環境を維持すること・・・今は始まったばかりだが、今後も発展させ根付かせるためには学生の主体的な活動が重要と思う。来年もサポータとして活動するので、この気持ちを忘れないようにしたい
学習コンシェルジェ・1人目(人間科学研究科博士後期課程2年・中妻さん(スライド使われていたのでここは名前をメモってOKなのかな、と))
  • 学習コンシェルジェ:
    • 院生による、学部学生の学習をサポートする学生アシスタント制度
    • 全員が院生
  • 活動内容:
    • アシスタントアイランドでの通常業務・・・決まった時間に座り、質問者の相談に乗る
      • 授業について、文献探索、レポートの書き方など様々
      • 学年・質問内容にあわせて助言することを心掛ける
    • 2009年度から・・・ガイダンスの実施
      • 情報検索ガイダンス:OPACやデータベースの検索方法について紹介. 1年生にはOPACや図書館の基本的な使い方、卒業生にはオンラインデータベース
      • 基本的なレポートの書き方ガイダンス:90分間のデモンストレーション
        • 高校までとは違った大学のレポートの書き方について
        • 1年生には基礎的なことを、卒業論文では各専攻に合わせたり博士論文で本になったものを紹介
  • 3年間の活動プロセス
    • 2008年度・・・利用者が少なく、工夫を感じる
    • 2009年度前期・・・やはり少ない。まだ浸透していない?
      • そこで曜日ごとに常駐するコンシェルジェの専門分野の表を掲示する、等の工夫をする
      • その後、利用が飛躍的に増加。内容も卒論についてなど専門的なものが増える
      • メーリングリストで内容を共有しているが、2009年度はそのチェックを欠かせないくらいに幅が広がる
      • 大学院についての質問も増える。入試や生活、将来設計など
      • 大学の事務的なことや異分野のことも聞かれるように。その際は他のコンシェルジェに引き継いだり、学内事務を案内したりする
      • アシスタントアイランドで隣に座っているシステムサポータの活動が2009年度から飛躍し、そことの連携も取れるように
  • 2009-2010年度に新規導入したこと:
    • アシスタントアイランド定着をはかる様々な活動
      • オリエンテーションによるサポート体制の説明で認知度向上
      • 各種ガイダンスをゼミ・学科単位で、依頼がある際に行っている
        • その都度、学習コンシェルジェの説明を入れる
      • 学習コンシェルジェの半分は後期課程院生。ほとんどがTAもしている
        • TAをしている授業での宣伝・先生への報告と依頼
    • 座席の横に看板を設置、質問例や専門性の掲示
    • 論文の書き方に関する本を近くに配置
  • この結果・・・
    • 好奇の目で見られることが減った
    • 気軽に立ち寄って貰えるように・・・特にTAで担当している学生は気楽に立ち寄っていく
    • 相談者から感謝の言葉を貰えることを嬉しく思う
      • レポートについて書きあげた報告を貰ったり、サポートの一助になっていることを実感
    • リピータが増えた・・・助言が良かったのかな、ということでもあり嬉しい
  • 学習コンシェルジェの活動を通して、自分自身に役だったこと
    • 自分の知識を相手に伝えることで、自分の知識も整理
      • 大学院での研究や論文の執筆に生きる
      • 新たな知識が増えたり、卒論関係では相談者から教えられたりもして、自分の知識の幅も広がる
    • 相手にあわせた言葉の取捨選択や使い方も学んだ
    • ガイダンスから・・・大人数でレクチャーする際の自分の弱点・長所を知ることに
  • 学習コンシェルジェとは何か?
    • 先生には聞きにくいことや整理できていないことを相談する相手
    • 図書館と各専攻の先生、コンシェルジェの連携が取れたことで活性化した
2人目(感想)
  • きっかけ・・・B3のとき、ゼミの先生からの紹介でコンシェルジェに相談に
    • 先生にするのはためらわれる質問をしにコンシェルジェに寄った
    • 先輩が考え方について導いてくれたことで心の支えに
    • 修士1年になって・・・今までの先輩方ほどまでは行かなくても、助力したいと思った
  • はじめてみて・・・相談してくれる学生のニーズに応えるのは非常に難しいことに気付く
    • 他学科からの相談も受けると、今まで触れることのなかった分野のことを聞かれたりする
    • 勉強になる/視野が広がる
    • 他の学問の視野を自分の研究にも取り入れられるのではないか、と考えられるように
    • 経験もまだ浅いのでこれから精進したい
3人目(感想)
  • はじめて日が浅いので質問を受けたことはまだない
    • 今までの質問・回答をチェックして、どきどきしながら待っている
  • 活動してみて感じたこと
    • 学部4年次に前期・後期とサポータをしていた
    • 学内にいながらアルバイト、と思って軽い気持ちで応募したが・・・やってみると、あやふやに認識していた請求記号の見方や本の検索方法など、いち利用者だった頃に知らなかったことを学べた
    • 質問に応えることで、学生が学生に図書館利用の知識を教える、学生協働サポートを実践できて気持ち良かった
    • 卒論執筆時にはコンシェルジェに質問して、丁寧に答えてもらった・・・
      • 院進学を希望していたので自分でもやってみたいと思うように
  • これまでの回答を見て、コンシェルジェのこれまでの工夫と努力を知った
    • レポート作成では質問者が何につまずいているのか見極め、それに気付かせるように促す
    • 簡単なことではないが質問者は論理的な考え方を学べるし、コンシェルジェは問題発見とその対処法を考えられるので、双方にとって有益
    • 今学期は残り少ないが、質問者のサポートに一役買えるよう努めていきたい

最後に:図書館長から一言(兼若先生)

  • 生の声を聞けたと思う
  • 最後にお願い・・・
    • 参加者アンケートを出していって
    • 最終的な報告書を3月に出すので、今日の内容も入れたい。ご協力を



途中にも書いていますが、実は僕は平山さん・有元さんが発表することを知らずに参加していたので・・・びっくりしました(笑)
卒業研究もあったのに2人とも精力的に活動されていて、頭が下がるばかりです。
こういう能動的・積極的な学生が最近増えてきていることは知識情報・図書館学類として誇りに思いますし、成功の要因を探って(その1つにはラーニングコモンズもあるのでは、と自分も考えているのですが)、永続させ発展させていくことが重要と思います。


と、筑波の話はさておき。
あらためて東京女子大学の「マイライフ・マイライブラリー」についての感想ですが、冒頭にも書きましたし、講演の中でも幾度も触れられており、そして最後にアシスタントの皆さん自身の声でも示されように、「学生協働サポート体制」を構築し、それがうまく回っていることは本当に素晴らしいと思います。

同輩に刺激を受けて新たな学習の意欲を得る。
他の人に教えることで自分自身の身になる。
誰かの助けを得たことをきっかけに自分も誰かを助けたいと思う。

それが重要であるというのは誰でも言うでしょうし、自分でも実感するところではあるのですが、そのための体制が作られ、そのサイクルが実際に学生自身によって回り出してもいるということを、当事者である学生の皆さんの声で聞くと、なんかもう感動してしまいました*1
「いま、一番学習意欲が高まっている」とか。
「今までの先輩方ほどまでは行かなくても、助力したいと思った」とか。

そして友達の卒論向けに資料を紹介したり、友達がやっているのを見て自分もアシスタントに応募したり、という風にその波が学生アシスタントの中だけにとどまらず波及していきもするわけで・・・
「小さな大学の中で200人近い学生がアシスタントを希望し、多くが実際に経験することは力になっている」という兼若先生のお言葉どおりだと思います。
このサイクルは素晴らしい。


2010年度で助成が終わり、2011年度からは経常経費での運営となるとのことですが、この学生協働サポート体制はこれからも維持・発展し続けていくべきものだよな・・・と思う公開実績報告会でした。
参加して良かった!

*1:と、思ってしまう自分の精神年齢がどうなっているんだ、ということに一方で戦慄もしましたが。でも学生アシスタントの中には学部1年生=自分より6歳くらい下の人もいるわけで・・・いや、考えないようにしよう。まだまだ若造、まだまだ若造・・・