かたつむりは電子図書館の夢をみるか(はてなブログ版)

かつてはてなダイアリーで更新していた「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」ブログの、はてなブログ以降版だよ

「刀語 第七話 悪刀・鐚 」


刀語 第七話 悪刀・鐚 (アクトウ・ビタ) (講談社BOX)

刀語 第七話 悪刀・鐚 (アクトウ・ビタ) (講談社BOX)


「薄刀・針」から予告されてきた鑢七花VS鑢七実姉弟対決・ついに実現!
(7巻だから七花VS七実なの?・・・とはさっき気づいた)
化物級の天才・七実に七花がどう挑むかが注目されたわけだが・・・やー、やはりこういう決着になるのか・・・
刀語は毎回あっさりしすぎてる感が否めなかったが、今回の七花VS七実戦にはそういう感じはしなかった。
敵役の七実が第1巻の頃から出ていて、その実力や背景に関する描写が十分にされているから(薄刀・針とかで)、ってのが割と大きいんだろうな。
新キャラもいないわけではないが即退場キャラはいなかったし、なんかこう、腰が落ち着いているというか、シリーズものらしいというか・・・満足感はいつも以上だったような気がする。
反面、七花ととがめのいちゃいちゃシーンは少なめなのだが。
むしろシリアス路線?
竹さんの巻頭・巻末のイラストが凄い良い余韻を醸し出していて、あー、姉弟対決なんだなあ・・・っていうのがひしひし感じられた(ま、七実の方は最後までシリアスになりきれてない感じだったが)。


残るは8〜12の5巻のみなわけだが、はてさてこれからいったいどんな展開になるのやら。
確実に中盤最大の見せ場であった七実戦を終えてしまったわけだが・・・否定姫陣営や真庭忍軍で七実戦以上の盛り上がりを作れるか否かがポイントかなあ。

「ねくろま。」


[rakuten:book:12079859:detail]


「ホーンテッド!」や「ソラにウサギがのぼるころ」の、平坂読の最新作。
すごい、すごいよっ!
メインヒロインが登場時からラストまで、一部のシーンを除いてほぼ終始全裸だよ!
透き通るような白い肌を惜しげもなくさらしまくりだよ!


あーもう、やってくれたな平坂読
ブログで全裸についての宣伝やってる時点でおかしいとは思ったんだ・・・
いや確かにヒロイン全裸かも知れないけど・・・これはさあ・・・*1


中身はいつもどおりの平坂節全開です。
ボールド多様。
フォント効果使用。
ありえないルビ多様。
必殺技・2つ名満載。
改行を一切行わない情景描写などなど・・・
はじめて読んだなら拒絶反応を覚える人もいるかと思うけど、「ホーンテッド!」って見開きページ使って戦闘効果音のみ、を体験した僕らにとってはもはや慣れたものさ!
平坂読以外がこれやったらやっぱ嫌だと思うが、平坂はむしろこうじゃないと嫌。


そして今回は出演キャラも今まで以上に狙いまくり。
金髪アホ毛
前髪パッツン少女。
ツンデレお嬢様。
ロリ体型女王キャラ。
そして幼馴染のデフォルト敬語。
主人公は黒髪で線の細い眼鏡男子だし、もう一人の男子キャラは侍口調の魔法剣士と、これでもかというくらいに記号満載のキャラクター陣。


これが意識しないでやってるなら鼻につくようなところなんだろうが、平坂自身が文中で狙ってわざとやってることを堂々と晒してるからなー。
アホ毛」にボールドふってあるの初めて見た*2
これだから平坂読はたまらない。


ただ、文章表現や記号要素*3を除いて換算すると、確かに「ねくろま。」は今までの平坂シリーズに比べて素直にラブコメしてる気がした*4
なんでだろう、って考えてみると、これまでの平坂作品に比べると主人公が割と素直でそれなりに前向きだからかもしれない。
今までが大嘘つきの墓穴掘りキャラやネガティブ指向の受け身キャラみたいな、ひねくれものばかりだったわけだが。
してみると主人公がそこそこ素直で、しかもヒロイン一筋となると、ある意味では今までで一番安心して読める作品になっているような気がする。
・・・油断は禁物だが・・・どんなどんでん返しをもってくるかわからない平坂読のこと、スタートが不幸な話のラストがハッピー(?)エンドであるならば、スタートがハッピー(とは言えないが、どう考えても・・・)よりの話であればラストが・・・なんてことにもなりかねん。
これはこれからも気合いを入れて読んでいかねば!!


・・・ま、なんだかんだ言って要は平坂読が大好きってことなんだけどね。

*1:ネタばれになるので詳細は書きません。気になる人は買ってください。

*2:そもそも地の文でボールド多用するの平坂くらいなもんなわけだが

*3:そしてどうしても見逃せないキャラ要素も

*4:今までが殺伐としすぎているって話でもあるんだが

「狼と香辛料」


狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

狼と香辛料 (2) (電撃文庫)

狼と香辛料 (3) (電撃文庫)

狼と香辛料 (3) (電撃文庫)

狼と香辛料 (4) (電撃文庫)

狼と香辛料 (4) (電撃文庫)


巷ではなにかと話題の(?)「狼と香辛料」。
ずっと手を出してなかったんだけど、5月の一人ライトノベル祭りの余韻で買ってしまった(笑)

行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に旅をすることを了承した。そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだが―。第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作。
Amazon.co.jpより)


なんていうか、もうね。
ロレンス可愛すぎ。
嘘をついたってどうせホロにバレる、ってわかってからは特に。
商人として優秀な25男とは思えない可愛さ。
そりゃあホロもからかっちゃうよー。
主人公もヒロインも可愛い小説ってなんだそれ。
これでデビュー作ってんだから空恐ろしいな作者。


あと、食い物の描写がうまそう。
中世っぽい世界観だからライ麦のパン(それも硬いの)とか干し肉とか蜂蜜かけたパンとかチーズとかそういうのばっかなんだが、それが妙にうまそうに思えて仕方ない。
なんだろうな。
俺が影響受けやすいだけかもしれないが、面白い小説は食い物の描写が美味そうである、という定説はあたっているような気が最近特にしてきた*1


あー、また一シリーズ、読む小説増えたなあ・・・。
ま、今月末からバイト夏季限定のバイトはじめるから、それのあがりをライトノベルに回せば全然大丈夫なんだが。
・・・と、言いつつ、今の日数だとあんまりたくさんは買えなさそうなんだよなあ・・・
なんか他にも稼ぎぶち探すかー。
そんなことしてないでちゃんと研究すすめろって話だがー。
大学院の推薦入試はもう目前だぞ俺ー。

*1:もちろん美味い食い物が出てくるとき限定だが

「クジラのソラ」(3)


クジラのソラ〈03〉 (富士見ファンタジア文庫)

クジラのソラ〈03〉 (富士見ファンタジア文庫)

出版社/著者からの内容紹介

少女たちの闘いは宇宙へ、スペースファンタジー第三弾!
WG三回戦を勝ち抜き準決勝へ進出する雫たち<ジュライ>。準決勝で当たる相手は、くじら憑きと思しきアウターシンガー。三回戦を観戦した真治は、準決勝の相手が宇宙に消えたはずの冬湖の両親枕井夫妻だと断言する

(Amazonより)


3巻ともなると出版社からの内容小説だけではなにがなんだかさっぱりですな(苦笑)
参考に1巻の内容紹介は以下のとおり。

10年前。地球は異星人の圧倒的艦隊の前に全面降伏した。彼らが人類に課したのはたったひとつのシステム。“ゲーム”。各国政府の後押しをうけ、人々は “ゲーム”に熱狂した―。“ゲーム”のWG優勝者であり、宇宙へ旅立った兄の後を追う少女・桟敷原雫。しかし、チームメイトと仲間割れし参加資格を失ってしまった雫は、伝説のメカニックと言われる聖一を自分のチーム“ジュライ”に引き入れようと奮闘する。「仲間になってもいい。ただし、彼女に勝ったらな」。聖一が出した条件。それは、従妹の冬湖に“ゲーム”で勝つこと。雫は勇んで“ゲーム”に臨むが!?「リリック―くじらたちの歌を聞くの」宙にくじらの旋律が響く時、“ゲーム”は真実の姿を雫の前に現す―。


・・・結局よくわからん(苦笑)
超簡単にまとめると、異星人の技術を使って3on3のスペース戦略シミュレーション+艦隊指揮ゲームみたいなのをやる話。
・・・だったのが、2巻以降、どんどん裏設定が出てきて偉いことになっていくんだが・・・
そのうち2巻も、今回の3巻も「ゲーム」そっちのけで別のことにメイン移ってるし・・・
まあ基本はそんなに変わってないが。


個人的には、「刀語」同様、もうちょっとゆっくり書いてくれても良かったのになあ、と思う小説。
当初「3巻まで」と出版社から言われてたらしいのでしゃあないのかも知れないが(結局4巻出せるらしいが)、せっかく凝ったつくりなのに、2巻以降は内容詰め込みすぎ&ノンストップハイペースなもんだから勿体ない気がする。
RPGやSLGのノベライズを読んでるみたいな気分。
「そこはもうちょっとじっくり!」とか、「え、もうそこ行っちゃうの?!」みたいな。
まあ、それで本当にじっくり書いちゃうと多分に間延びする危険があるわけだが(苦笑)


そういう意味では1巻くらいのペース配分でも良かったような気もするんだけどね・・・
まあ、そこは作者の裁量だからあれこれ言っても仕方ないが。
最終巻に向けてラスト、思いっきり引いて終わったわけだが、さてはて次巻は如何様になるやら?!
「やっぱり5巻まで出ちゃいます、てへ」でも、俺は全然OKだけどな!

「刀語 第六話 双刀・鎚」


刀語 第六話 双刀・鎚(ソウトウ・カナヅチ) (講談社BOX)

刀語 第六話 双刀・鎚(ソウトウ・カナヅチ) (講談社BOX)


西尾維新の12カ月連続刊行・大河時代ノベルスもとうとう半分まで到達。
尾張に行くつもりが蝦夷地にわたってしまった七花ととがめ。
五巻で「次回、はじめて負傷する」と予告された七花の運命やいかに。
はたまた、前巻ラストで七花の爆弾発言を聞いたとがめの反応は?!


・・・なんというか、巻が進むごとに徐々に「七花っていうか鑢家の連中が強いんであって、虚刀流がずば抜けて強いわけじゃないんじゃね」という気がしてきてしまったんだがどうか・・・。
あと、これも巻が進むごとに、四季崎記紀の変体刀は日本刀と呼べるものじゃなくなりつつある気がしてならない。
五巻で正体がそのまんま鎧であったことが発覚した賊刀・鎧に比べればまだしも双刀・鎚は刀に近づいた感もあったが、それでも日本刀というよりはFateバーサーカーがもってそうな感じのイメージの武器だったし。
あと今回、もう一本正体が明らかになった変体刀があるんだが、それについてはもはや「なにが刀やねん?! それがありならバイクのKATANAとかだってありだろ?!」みたいな気分に。
うーむ、おそるべき四季崎記紀
刀鍛冶というよりは万能の武器職人(防具も?)って感じになってきたな。
ロン・ベルクかよ。


さあ、ここでワンテンポ置いて、次の巻はとうとう四巻で予告されていたVS七実戦(悪刀・鐚)に入るわけですな。
あの最強の姉に七花がどう挑むのか。見ものだ!


・・・しかし、最近ちょっと思うんだが、「刀語」は12カ月連続刊行にしなくていいから、一冊一冊のボリュームをもうちょっと厚くしてくれても良かったかも・・・。
終わりのクロニクル」レベルまでは求めないにしても、もうちょっと出演が1回だけのキャラクターに関する描写が増えたら楽しいなあ。
せっかく好きになったキャラの出番が少ないと(いや、相対的には多いんだけど、1冊のボリュームが少ないから絶対的な意味で少ない)ちょっと悲しい・・・。


まあでもこのくらいの薄さだから12冊連続で読ませられるのかも知れないけど。
あんまり毎回描写増やしてたら途中でネタ尽きそうでもあるし。

「人類は衰退しました」

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

人類は衰退しました (ガガガ文庫)

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は”妖精さん”のものだったりします。平均身長10センチで3頭身、高い知能を持ち、お菓子が大好きな妖精さんたち。わたしは、そんな妖精さんと人との間を取り持つ重要な職、国際公務員の”調停官”となり、故郷のクスノキの里に帰ってきました。祖父の年齢でも現役でできる仕事なのだから、さぞや楽なのだろうとこの職を選んだわたしは、さっそく妖精さんたちに挨拶に出向いたのですが……。田中ロミオ、新境地に挑む作家デビュー作。


ガガガ文庫は手を出すつもりなかったんだけど、なんかこいつだけは妙に評判になっていたのでついつい買ってしまった。
田中ロミオの手がけたゲームはまったくやったことないんだけどね。
あと買ってから知ったけどこの人、筑波大出身なんだね(Wikipedia調べ)。


感想としては、どっかで誰かも言ってたけど富士見ミステリーの「食卓にビールを!」とかに近いような感じ。
まったりというか、主人公が出来事に対して危機感やらなんやらを全然感じてないっぽい。
異種族とのコミュニケーションという高度な緊張感を伴うことを、感性と思いつきだけでやっちゃってる感じが割と好き。
2話目のラストとか、考えようによってはかなり凄いことになっちゃってるのに、「まあいいんじゃない」みたいに済まされちゃうあたりも。
こんなにまったりした衰退の仕方が出来たらいいよね。
悲壮感とかそういうものまでひっくるめて「まあ衰退しちゃってるんで」みたいな。


続編にも期待したい・・・ところだけど、あんまり長く続くと容易にマンネリ化しそうな話でもあるので、まあ適度なところまで続けて欲しい。
まったりした話って4コマ漫画だといつまで続けても許されるけど、小説だと限界があるのはなんでだろうね。

「れでぃ×ばと!」(3)

れでぃ×ばと!〈3〉 (電撃文庫)

れでぃ×ばと!〈3〉 (電撃文庫)


・・・あれー?
これ本当に、「カレとカノジョと召喚魔法」書いてた人の作品か・・・??
確かに前シリーズでも遊矢が妙にモテたりとか、少々のお色気シーンとかはあったような気もするが、どっちかっつーと策略とか戦闘とか謎解きとか、そういう感じのファンタジーであったような気がするのだが。
それがなぜ、こんな表紙どおりの中身の「エロコメ」(上月本人はラブコメであると主張)を書いているんだろう・・・
つーかこういうの書けたんだな上月・・・


骨子だけみるとありきたりな、主人公がやたらモテるんだけど色々トラブルが起こって不幸、みたいな感じなんだけど、まあとにかくエロい。
なにせ巻末のキャラクター紹介でいちいち「つけてる」だの「つけてない」だの、「掌に収まるくらい」だの「先端があたるだけ」だのの紹介が付与されるくらいにエロい。
しかも挿絵がかゆいところに手が届く感じで・・・いやあ、なんだろうねこれは・・・


しかし3巻まで進んだところで、主人公の幼馴染の存在感があんまり薄いのが気になる・・・
ツンデレ金髪ドリルのキャラが強烈過ぎたのか・・・主人公大好きオーラ出しすぎだよな・・・
あとがきによれば4巻以降で幼馴染の巻き返しがあるとのことだが、いやいやいや。
どうだろう、いっそこのまま金髪ドリルルートでいいじゃん??
でないとドリルがかわいそう過ぎる。
俺はDQ5では必ずビアンカを選んでいるが、もしフローラがツンデレでドリルだったらまた選択肢は変わったと思うのですよ。


次巻は夏ごろ、とのことだが、さて今度は誰が「はいてない」(ように見える)表紙になるのやら・・・